異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

文字の大きさ
上 下
188 / 413
第4章 冒険 -王都編-

変わったこと

しおりを挟む


「いやぁ、シーマくん助かったよ。本当にありがとう!!」

「俺もまさかクリスさん達がこんなところにいるとは思ってませんでしたよ。また会えて嬉しいです」


 俺とクリスさんはガッチリと握手を交わした。
 ん?
 クリスさんちょっと大きくなった?
 改めて向かい合ったら何だかそんな感じがした。


「セレナちゃん、久しぶりね!!」

「えぇ、ノエルさんもお元気そうで良かったです!!」


 こちらは軽くハグを交わしている。


 面識のないシェリルはそんな俺たちの様子を微笑ましく眺めていた。

 
「クリスさん、ノエルさん。紹介しますね。こちらの赤毛の子はシェリルと言います。俺の……嫁です」

「えっ? 2人め?」

「まぁ!!」

「コホンッ!! 今、俺たちはこの3人で『ディオランサ』というパーティー名で冒険をしてるんです」

「…」

「あっ、話題変えた」


 クリスさんは軽くショックを受けているのか無言のままだ。一方、ノエルさんはもうちょっと嫁の話を聞きたかったようだが、それは後で嫁ズから聞いてください。恥ずかしいので苦笑


「クリスさん達はこれからどうするんですか?」

「僕たちがここに来たのは『ソンブル』を倒すためだからね。あとはギルドに報告するくらいしか予定はないかな」

「それじゃあ、みんなで『ソンブル』のアジトへ宝探しに行かない?」


 クリスさん達の予定がないことを知って、シェリルがまたアジトに行こうと言い出した。
 まぁ、元とは言えCランク冒険者だからな。アジトには何か掘り出し物があるかもしれないから行ってみる価値はあるかな。


「それ、いいですね。便利な魔道具とかあればいいな」


 ノエルさんも魔道具を求めてるのか。
 やっぱり女性は生活が楽になれるようなものが欲しいんだろうな。
 化粧水出したら発狂するかもしれないな笑


「セレナどうだ? おそらく見張りくらいは残しているだろうから、反応があるんじゃないか?」

「うーん。ちょっと歩いてみないと分からないかな…」
 
「えっ? セレナちゃん、空間魔法使えるの?」

「は、はい。サーチ使えます」

「いいなー。便利そう…」


 そうか。
 エリシオンの2人にも、俺たちのことをどこまで話すのか考えないといけないな。
 わざわざフィリア王女の確認を取らなくても、アイゼンの幻陽と同じ扱いでいいだろう。


「クリスさん、ノエルさん。今から目にすることを秘密にして欲しいんですが大丈夫ですか?」

「シーマくん、突然どうしたんだい? まぁ構わないけど…。なぁ、ノエル?」

「うん…秘密にするけど、何をするの?」

「山賊の死体を片付けます」

「まさか、燃やすのかい?」

「いいえ、収納します」


 そう言って、俺は腰にあるダミーのアイテムバッグを外してから、山賊の死体をアイテムボックスへと収納する。


「「アイテムボックス!!」」


 驚いている2人をよそに、俺は次々と山賊の死体を収納していき、全てをしまい込んだ。


「俺はお2人を信用してアイテムボックスを使用しました。これはアイゼンの幻陽を含めて極わずかな人しか知らない秘密ですのでよろしくお願いします」

「あ、あぁもちろんだよ。これは国レベルで重要なことだからね…」

「これがあれば、食べ物がいっぱい運べる…」


 ノエルさんが若干ズレたことを言ってるような気がするが、ここはスルーしておこう…。


「せっかくアイテムバッグを手に入れたのに、アイテムボックスの前では霞んじゃうな苦笑」


 そういえば、コスタでお別れする時にそんなことを言ってたな。
 アイゼンの幻陽といいエリシオンといい、有言実行出来るのはさすがだ。
 それに比べて俺なんか、エルピスにお願いしたチートスキルだもんな…。

 もっと誠実に生きないといけないよな。
 




しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

今日も隠して生きてます。~モフ耳最強なんて、誰が言った?!~

行枝ローザ
ファンタジー
世界でただ一人の『職業』の男が、世界でただ一人の『異質』な赤ん坊と会った。それが、旅の始まり。 世界でただ一人になった『魔素毒の森の管理人』シロン。 闇夜の森で、不思議な赤ん坊を拾った。猫の耳と鳥の羽と角を持つ、魔力のまったくない獣人の女児。 彼女を『守る』ために、シロンは『魔素毒の森』を管理しながら旅に出る。 ※ エブリスタ同時公開中

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

処理中です...