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第4章 冒険 -王都編-
変わったこと
しおりを挟む「いやぁ、シーマくん助かったよ。本当にありがとう!!」
「俺もまさかクリスさん達がこんなところにいるとは思ってませんでしたよ。また会えて嬉しいです」
俺とクリスさんはガッチリと握手を交わした。
ん?
クリスさんちょっと大きくなった?
改めて向かい合ったら何だかそんな感じがした。
「セレナちゃん、久しぶりね!!」
「えぇ、ノエルさんもお元気そうで良かったです!!」
こちらは軽くハグを交わしている。
面識のないシェリルはそんな俺たちの様子を微笑ましく眺めていた。
「クリスさん、ノエルさん。紹介しますね。こちらの赤毛の子はシェリルと言います。俺の……嫁です」
「えっ? 2人め?」
「まぁ!!」
「コホンッ!! 今、俺たちはこの3人で『ディオランサ』というパーティー名で冒険をしてるんです」
「…」
「あっ、話題変えた」
クリスさんは軽くショックを受けているのか無言のままだ。一方、ノエルさんはもうちょっと嫁の話を聞きたかったようだが、それは後で嫁ズから聞いてください。恥ずかしいので苦笑
「クリスさん達はこれからどうするんですか?」
「僕たちがここに来たのは『ソンブル』を倒すためだからね。あとはギルドに報告するくらいしか予定はないかな」
「それじゃあ、みんなで『ソンブル』のアジトへ宝探しに行かない?」
クリスさん達の予定がないことを知って、シェリルがまたアジトに行こうと言い出した。
まぁ、元とは言えCランク冒険者だからな。アジトには何か掘り出し物があるかもしれないから行ってみる価値はあるかな。
「それ、いいですね。便利な魔道具とかあればいいな」
ノエルさんも魔道具を求めてるのか。
やっぱり女性は生活が楽になれるようなものが欲しいんだろうな。
化粧水出したら発狂するかもしれないな笑
「セレナどうだ? おそらく見張りくらいは残しているだろうから、反応があるんじゃないか?」
「うーん。ちょっと歩いてみないと分からないかな…」
「えっ? セレナちゃん、空間魔法使えるの?」
「は、はい。サーチ使えます」
「いいなー。便利そう…」
そうか。
エリシオンの2人にも、俺たちのことをどこまで話すのか考えないといけないな。
わざわざフィリア王女の確認を取らなくても、アイゼンの幻陽と同じ扱いでいいだろう。
「クリスさん、ノエルさん。今から目にすることを秘密にして欲しいんですが大丈夫ですか?」
「シーマくん、突然どうしたんだい? まぁ構わないけど…。なぁ、ノエル?」
「うん…秘密にするけど、何をするの?」
「山賊の死体を片付けます」
「まさか、燃やすのかい?」
「いいえ、収納します」
そう言って、俺は腰にあるダミーのアイテムバッグを外してから、山賊の死体をアイテムボックスへと収納する。
「「アイテムボックス!!」」
驚いている2人をよそに、俺は次々と山賊の死体を収納していき、全てをしまい込んだ。
「俺はお2人を信用してアイテムボックスを使用しました。これはアイゼンの幻陽を含めて極わずかな人しか知らない秘密ですのでよろしくお願いします」
「あ、あぁもちろんだよ。これは国レベルで重要なことだからね…」
「これがあれば、食べ物がいっぱい運べる…」
ノエルさんが若干ズレたことを言ってるような気がするが、ここはスルーしておこう…。
「せっかくアイテムバッグを手に入れたのに、アイテムボックスの前では霞んじゃうな苦笑」
そういえば、コスタでお別れする時にそんなことを言ってたな。
アイゼンの幻陽といいエリシオンといい、有言実行出来るのはさすがだ。
それに比べて俺なんか、エルピスにお願いしたチートスキルだもんな…。
もっと誠実に生きないといけないよな。
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