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第4章 冒険 -王都編-
謁見後
しおりを挟む「シーマさん、客間で待っててもらえるかしら。今後のことでお話がありますので」
謁見が終わり、退室しようとしたところでフィリア王女に声をかけられた。
何だろう?
ヒーラで話せないことなのかな?
俺としては落ち着かないから、一刻も早く王城を後にしたいんだけど…
さっきの強くならなければならないことと関係あるのかな?
「わかりました。帰らずにお待ちしております」
俺たちはまたキレカワ侍女の案内で客間に通された。
フィリア王女もすぐに現れた。
「イース、ありがとう。もう下がっていいわ」
「かしこまりました。部屋の外で待機しております」
綺麗な所作をしてキレカワ侍女が客間を出て行った。
へぇー。
あの人の名前はイースっていうのか…。
「フィリア王女、先程の方は王女お付きの方なんですか?」
「「「…またぁ…」」」
ん?
何だ、この空気は?
もしかして俺、やっちゃった?
「まぁ、そうなんだけど…。もしかして嫁入りさせるつもり?」
「はぁ?」
「違うの? どうせ気に入っちゃったんでしょ?」
「………そんなことないですよ。ただ…」
「ただ?」
「綺麗だなーって思って……動きが」
「動き?」
「そう。もちろんイースさんそのものも綺麗なんだけど、ひとつひとつの動作が美しいなーって思ったんだよね。フィリア王女のお付きになるくらいだから、かなり修行したのかなーって」
「ふーん。本当にそれだけかしら。怪しいわね。でも、そう思うのも無理ないわ。イースの生まれはそれなりの貴族だからね」
げっ!!
貴族の娘かよ。
ハードル高いなー。
乗り越えるつもりはないけど。
「あっ、そうそう。この話はイースにも聞こえてるからね」
「何で?」
「彼女が扉に耳をくっつけてるからよ」
マジか!!
えらく原始的だな!!
っていうかフィリアさん、それ早く言おうよ。
今度から冷たくされそうじゃん!!
あっ、でも…
たまには冷たくあしらわれるのもいいかも…。
おほんっ
そんな事考えたらダメだよね。
そろそろ、本題に入らないと。
「もちろん、私たちの間に危険があるとは思ってないけど、それがココでの彼女の仕事なのよ。悪く思わないでね」
「それでフィリア王女、お話というのは?」
「あぁ、あの言葉に特に意味はないわ」
「はい?」
「ソニアお母様やシエラお姉様とソフィアお姉様には、まだあなたたちに近づいてもらいたくなかっただけよ」
「はぁ」
やっぱり何か話があるってわけじゃなかったのか。でも、フィリア王女の中には、彼女らを俺たちに近づけたくない理由があるんだ。
その理由は聞きたいけど聞けないな。
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