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第4章 冒険 -王都編-
ごまかし
しおりを挟む「ねぇ、ちゃんと答えて。何で私がエルピス様を強く信仰してるって知ってるの?」
参ったなー。
どう答えればいいのかな。
ダメ元でエルピスに聞いてみるか。
『 …』
心の中でエルピスに祈りを捧げた。
「シーマくんも余計なことを言ってしまいましたね」
おー、目を開けるとエルピスがいた。
やっぱりそうなのか。
エルピス、ごめんなさい。
「そんなに素直に謝れるとこっちが何も言えなくなっちゃいます。それよりもこの状況をどうするかですよね。彼女が全部知ってしまうにはまだ早いし」
ん?
まだ早いってことは、いずれ知ることになるってことなのか?
「まぁ、そうですね」
えー。重要なことを軽く言うなー。
「分かりました。この状況を乗り切る策を授けましょう。ハンバーグで手を打ちますね」
この女神、最初からハンバーグが狙いだったんじゃないのか?
「そ、そんなことないですよー」
超絶怪しいけどわかりましたよ。
アイテムボックスからハンバーグを1皿出してエルピスに差し出す。
「モグモグ…まぁ、とりあえずは誤魔化しておいて下さい。私の像でも出して『 そんな気がしただけだよ』とでも言っておけば大丈夫です…モグモグ」
…。
ホントかよ。
ハンバーグ目当てにテキトーなこと言ってないか?
「モグモグ…私を信じて下さい。大丈夫ですから…モグモグ」
…。
「モグモグ…それでは時間なので。また何か作ってきて下さいね…モグモグ」
まぁエルピスには散々お世話になってるから料理を作ることは構わないんだけど、だんだん女神キャラが崩れていってるような気がしないでもない。
とりあえず戻るか…。
気が付くとフィリア王女と目が合った。
そうだ、早く答えないといけないんだったな。
確かアイテムボックスから像を出して…。
「そんな気がしただけだよ」
これでいいんだったよな?
ビクビクしながらフィリア王女の反応を待ってると、
「それってエルピス様の女神像よね。今まで見た中でも1番美しいかもしれない。まぁいいわ。あまり深くは聞かないことにする。そんなものまで持ってるなんて、あなたってホントに謎なのね笑」
フィリア王女はそう言い残して、セレナとシェリルのいる部屋へ戻っていった。
何とか誤魔化せたけど、さっきの言い方からすると何かあるのは勘づかれたかもしれない。
その辺りはさすがに王女様だ。
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