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第3章 冒険 -グランツ編-
アジト
しおりを挟む「山賊のアジトに行こうよ」
「どうやって?」
「行けるところまで馬車で行って、そのあとは歩いていこ! 早く行かないと陽が沈んじゃう!」
「うん…」
俺はアイテムボックスから馬車の箱を出してから馬につないですぐさま出発した。
アジトのある山にはある程度まで馬車で行けたので、そんなに歩かずにそれらしき洞穴に辿り着いた。
入口付近に見張り後のような、人がいた形跡がある。
「どうやらココっぽいよねー。セレナさん何か居そう?」
「ううん。サーチには何も引っかからないよ」
「ありがとう。それじゃゆっくり進んでみますかー」
そう言うシェリルだが、歩く速度はゆっくりとは思えないけど…。
そんなことを考えてるうちにシェリルからまた声がかかる。
「あったー! やっぱりココだー!」
少し開けたスペースには、山賊が住んでいたと思われる状態が広がっていた。
「何か目ぼしいものはありそう?」
「うーん。ボク的には少し期待してるんだ。実質Dランクのシーマさんを押してたんだから、頭は恐らくCランクでしょ。それなりにあるんじゃないかなー」
さっきまでビビり気味だったセレナもシェリルと一緒になってお宝を探し始めた。
気持ちは分からないでもないけど、こういう時は女性のほうが逞しく思える。
「それっぽいものは無さそうだね。」
「そうだね。じゃあとっとと帰ろっか!」
そういう彼女達だが、両手にはしっかりとお金と魔道具を持ってたりする。
成果はあったんじゃん。
どれだけ期待してたんだよ…。
洞穴を出た俺たちは、馬車と合流して改めてグランツへ向かうことになった。
フィデールに戻るほど時間に余裕はないので、山賊についてはグランツのギルドで引き渡すことにした。
そんな中、シェリルから1つの提案があった。
「ねぇシーマさんにセレナさん、今日は早めに夜営地を探して休むようにしませんか?」
「俺たちは護衛だからさ、依頼主がそうしようっていうのであれば、断ることはしないよ。なあ、セレナ?」
「そうね。シェリルがそうしたいなら、私たちもそうするわ」
「よかったー。馬車って誰かが御者台にいないといけないじゃない? そうなると3人でゆっくり話が出来ないんだよねー」
「あーなるほどな。そう言えばそうだな。じゃあ早めにゆっくりすることにしようか」
ゆっくり話がしたいかー。
やっぱりアイテムボックスには触れてくるだろうし、忘れてなければ鑑定のこともある。
いろいろ突っ込まれるんだろうなー。
俺の中でもある程度方向性を絞っていかないといけないんだろうけど、何が正解なのかが分からない。
まぁ、シェリルは素直な子だしな。
今さら嘘つく必要はない。
結果はどうあれ、
俺も素直に対応するようにしよう。
程なくして、今日の夜営地が決まった。
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