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第3章 冒険 -グランツ編-
一番
しおりを挟む宿に戻って、至って普通の夕食を済ませた俺たち。ベッドに入って後は寝るだけってタイミングになった時に、突然セレナが俺に聞いてきた。
「ねぇシーマ、シェリルはどう思う?」
「…俺たちより若いのに仕事はしっかりこなすよね。食材などのアテが出来たんだ、知り合えてよかったと思ってる」
「そんなの見てれば私だって分かるわよ!!」
えぇー?!
自分で聞いておいて、まさかの逆ギレ?
何て答えればよかったんだよー泣
「女としてどうなのかを聞いてるの!!」
「…」
あー、そっちかー。
何となくは気付いてたけど、それとなく躱したつもりだったのになー。
素直に言うしかないか。
「普通に可愛いと思ってるよ。鑑定でスキルを覗いちゃったけど、出来れば一緒にパーティー組みたいとさえ思った」
「思った?今はもう思ってないってこと?」
「シェリルにはシェリルの仕事ややりたいことがあるだろ。すぐに諦めたよ」
「そう…なのね。例えば結婚したいって言われたらどうする?」
シェリルとの結婚かー。
この世界は重婚が認められてる。
一般的とまでは言わないが、奥さんが何人かいても珍しくはない。
だけどなー。
「言われてもいないことを考えたりはしないけど、もしそんなことになったらまずはセレナに相談するんじゃないかな」
「ふぅーん…」
これはどういう反応なんだ?
嬉しいのか?
よくわからんなー、なんて考えてたらセレナはさらに言葉を続けた。
「一応言っておくと、私はシェリルなら構わないわよ」
「えっ?」
「別に奥さんは私だけじゃなくてもいい。ただ…」
「ただ?」
セレナは急にベッドから上体を起こし、俺のほうを向いた。
「一番を私にして欲しい」
「…」
「一番最初に相談して欲しい。
一番初めに結婚式をしたい。
一番先に初夜を迎えたい。
一番私を愛して」
ヤバいな。
可愛い過ぎるにも程があるぞ。
俺も起き上がって、それに応える。
「わかった。これからのことは分からないけど、何があっても俺の一番はセレナだ。約束する」
俺はそう言ってセレナを抱き締めて
キスをした。
「ありがとう」
そう言ってセレナは微笑んだ…。
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