異世界テイスト ~宿屋の跡継ぎに転生した主人公の異世界飯テロチーレム冒険ファンタジー!!~

きーす

文字の大きさ
上 下
63 / 413
第3章 冒険 -グランツ編-

フィデール

しおりを挟む


「ここがフィデールか」

「シーマさんたちは普段はどこで活動してるの?」

「俺たちは産まれてからずっとコスタにいたんだ。グランツに来たのはつい最近のことだよ」

「それなら、フィデールの街の規模はコスタとグランツのちょうど中間くらいだと思ってくれればいいよ」

「確かにそれくらいかもしれないわね」

「ところで、今日と明日泊まる宿はボクと一緒のところでもいい?」

「あぁ、問題ない。むしろお願いしたいくらいだ」

「初めて来る街だものね。頼ってばかりで悪いけどシェリルに任せるわ」

「大丈夫。ボクに任せてって言いたいところだけど、宿はルート商会が経営してる宿なんだよねー」

「フフフ、益々信用出来るじゃない」

「アハハ」


 知らないうちにセレナとシェリルもよく喋るようになったな。いい傾向だ。グランツに着く頃にはもっと親しくなっていることだろう。
 そんな矢先、宿に着くなりシェリルが聞いてきた。


「シーマさんとセレナさんは同じ部屋がいいの?」

「いや…「うん。出来ればそうして」」

「…」


 俺が別にしたほうがいいかと思ってたら、セレナが食い気味に否定してきた。その様子にシェリルが少し困惑しているようだ。
 そういえば、この依頼を受けてから2人きりにはならなかったからな。ちょっとは甘えさせてやるか。


「悪いなシェリル。セレナと同じ部屋で頼む」

「わかった…」


 ん?
 何だか、シェリルの歯切れが悪いな。
 宿の売上として2部屋で取ってほしかったのかな?
 そうだとしたら悪いことしたな。
 でも今はセレナの気持ちを優先するしかないからなー。諦めてもらうしかない。


「それでシェリル、明日はどうする?」

「明日はまず商会の店に顔を出したいから、朝は別行動にして、お昼くらいに商会に来てもらおうかな。あっ、お昼は食べないでね。ご馳走するからさ」

「わかった。俺たちは冒険者ギルドに行って、時間が余ったら街を歩いてみるよ」

「それじゃ、また明日の昼に」

「あぁ」

「おやすみシェリル」

「うん…おやすみ」


 そう言って立ち去ったシェリルの後ろ姿はどこか寂しげに映った。きっと3日間ずっと一緒にいたからなんだろうな。

 そのせいかどうかはわからないが、その夜のセレナの甘えっぷりは凄かった。
 とにかく、スゴかった❤

 もうちょっとで大人の階段を…。


しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

今日も隠して生きてます。~モフ耳最強なんて、誰が言った?!~

行枝ローザ
ファンタジー
世界でただ一人の『職業』の男が、世界でただ一人の『異質』な赤ん坊と会った。それが、旅の始まり。 世界でただ一人になった『魔素毒の森の管理人』シロン。 闇夜の森で、不思議な赤ん坊を拾った。猫の耳と鳥の羽と角を持つ、魔力のまったくない獣人の女児。 彼女を『守る』ために、シロンは『魔素毒の森』を管理しながら旅に出る。 ※ エブリスタ同時公開中

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

処理中です...