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第3章 冒険 -グランツ編-
依頼
しおりを挟む「シーマさんとセレナさんにお願いしたい依頼があるんですけど」
冒険者ギルドに入るなり、アイラに声をかけられた。
「俺たちに?」
「いや、指名以来ではないんですけど、お2人にお願いしたいんですよ」
「どんな依頼なの?」
何度も通ってるうちに親しくなったセレナがアイラに聞いた。
「私の友達の護衛依頼をお願いしたいんです」
「なるほど。そういうことか」
「そうなんです。仲のいい女友達なので安心できる人たちがいいなって思って。お2人ならピッタリかと」
「わかった。引き受けるよ」
「どんな依頼か確認しなくていいんですか?」
「アイラなら間違いはないだろ」
「っ?!」
俺が答えた途端に、隣りから肘で脇腹を突っつかれた。
突然のことに俺もアイラもキョトンとしてしまう。
「ねぇシーマ。そういうところが危険なのよ」
「何が?」
「知らない!!」
セレナが急にむくれだしたな。
何か悪いことしたか、俺?
また何か甘いものでも献上するしかないのか?
プリンは...ダメだな。
宿で作ろうもんなら、シンシアさんにバレてエラ(エロ)いことになる。
まぁいいや。また後で考えよう。
今は依頼のことだ。
「それで、依頼の具体的な内容は?」
「えーっと、フィデールまでの護衛依頼で、行って帰ってくるまでの期間です」
「帰り道も?」
「そうです。通常の護衛依頼は送り届けるだけの片道ですが、今回は私の友達で可愛い女の子の依頼人ですからね。信頼出来る人達に往復をお願いしたいんです」
「また可愛い女の子...」
あれ?
セレナが頭を抱えてるぞ。
「どうしたセレナ? 俺にはセレナがいるんだ。他の子に手は出さないよ」
「はうっ!!」
ん?
セレナに向かって言ったんだけど、
何故かアイラが悶絶している。
「彼氏に言われてみたい言葉、その6が...」
「「...」」
アイラって妄想系なのかな。
まぁいいや。そこには触れないでおこう。
「ねぇシーマ、覚えておいて」
「何を?」
「あなたにそのつもりがなくても、相手はそうもいかないことがあるの」
ふぅーん。
そっか。
でも、それって俺にはどうしようもなくない?
ただ普通に接するしかないよな。
それしか出来ないし。
とりあえず、話を先に進めるか。
アイラも正気に戻ったようだし。
「それで、依頼はいつからなの?」
「出来るだけ早いほうがいいらしいですけど」
「今日明日で準備するから、明後日からでいいかな?」
「わかりました。彼女にはそのように伝えておきます。明後日の朝にギルドへ来てください」
「わかった」
初めての護衛依頼だけど大丈夫かな?
まぁ、何とかなるだろ。
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