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第3章 冒険 -グランツ編-
フラグ
しおりを挟む最初に森へ行った日、そしてその後2日と計3日間を魔の森に費やした。
あれから特にレベルアップすることもなく、フォレストウルフとブラックバードを中心に狩っていた。アイテムボックスにもそこそこの数が入っているので、今日は休養日にして冒険者ギルドへ行って討伐の報告と買取をお願いすることにした。
急ぐあまりに無理をして何かあったら大変なので、しばらくは3勤1休で様子をみることにしている。
冒険者ギルドに入ったら、まだ朝ということもあって結構賑わっていて、受付にも多くの冒険者が並んでおり、アイラも忙しそうに対応しているので、俺たちは買取カウンターへ向かった。
「魔物の買取をお願いしたいんですが」
「おう。どのくらいだ?」
「フォレストウルフが10頭です。アイテムバッグの中に入ってます」
「それなら裏の解体所のほうに回ってくれ。俺もそっちに行く」
解体所に着いたら既にカウンターのおっさんがいた。
ギルド内に専用ルートがあるんだろうな。でなければこの速さの説明がつかない。
「よし。それじゃ、ココに出してくれ」
「わかりました」
俺はアイテムバッグからフォレストウルフを10頭出した。
本当はもっと持ってるが、多過ぎるとアイテムバッグの容量を怪しまれかねない。10頭くらいが適当なのだ。
「フォレストウルフは全部買取でいいのか?」
「えぇ、今日はそのつもりです」
「状態もなかなか良いから、銀貨10枚だな」
「わかりました。それで結構です」
「うし。じゃあこれが銀貨10枚な」
俺は銀貨を受け取ってから、気になってたことを質問してみることにした。
「フォレストウルフの素材ってどんなものが取れるんですか?」
「フォレストウルフは魔石と毛皮くらいだな。スノーウルフと違って肉は固くて買い取れないからな」
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
「それはそうとお前たち...」
「何でしょう」
「ブラックバードは持ってないのか?」
「...」
どうしよう。
実はそこそこ持ってるんだけど、全部食べる用なんだよなー。
でも、このギルドにはまだまだお世話になるかもしれないから素直に言っておくか。
「少し持ってますが、俺たちで食べる用なので売るつもりはないんですよ」
「そうか。それならそれでいい。だが、今後少しでも余るようだったら分けてくれないか?」
「それはもちろん構いませんが、何か理由があるんですか?」
「アイラの大好物なんだよ...」
「...」
え?
そんな理由なの?
「最近持ち込まれる数があまり多くなくてな。アイツに回してやれないんだ」
「そうなんですか…。気に止めておきますね」
「あぁ、頼むわ」
何だろう、この感じ。
もしかして俺、フラグ立てちゃった?
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