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第3章 冒険 -グランツ編-

森へ

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 セレナとシンシアさんにプリンをあげた翌日。
 その日は一日かけて魔の森を探索することにした。
 ついつい忘れがちになりそうだが、この旅一番の目的は強くなるためだ。料理はその延長線にあるだけ。ちょっと気合いを入れ直してセレナと共に魔の森へ向かう。

 グランツを出て2時間くらいで魔の森に到着した。俺たちよりも先に他の冒険者が出発してたせいか、道中は魔物に出くわすことがなかったので余計な魔力を消費しなくで済んだ。
 基本的にはこれまでと同様に、俺が魔法でサーチしてセレナの魔法と俺の剣で戦う形だ。


「じゃあセレナ、戦い方は今まで通りで。何かあったらすぐに退避すること。いいね?」

「わかった」


 魔の森の中へと進む。
 サーチには魔物もいるが冒険者もそれなりにいるようだ。
 冒険者ギルドのアイラの話では、フォレストウルフとブラックバードが多めだって言ってたな。どちらも動きが素早いので油断だけはしないようにする。


「セレナ、右前方向に魔物が3体いる。距離は200mくらいでこっちに向かってる。注意して」

「わかった。魔法の準備しとく」

「そろそろ出くわすぞ。」

「うん」

 ゆっくり警戒しながら進むと、茂みの奥からフォレストウルフが飛び出してきた。


「ウォーターバレット!!」

「ヴォォ!!」


 さすがに魔の森の魔物は手強いな。セレナの魔法1発では1頭も倒せなかった。それでも傷つけたことで、フォレストウルフの動きが鈍ったので効果としては十分だ。


「よし。セレナ、俺が前へ出るから援護を頼む」

「わかった」


 颯爽と飛び出して剣を一閃して先頭のウルフを倒す。かえす刀でもう1頭に斬り掛かるが躱されて、無防備になってしまったところで初めて最後の1頭が狙っていたかのように襲いかかってきた。


「チッ!」

「シーマ大丈夫!   ウォーターバレット!」


 何とか体を翻して突進を避けれたが危ないところだった。セレナがいなかったらヤバかったな。さすがに魔の森だ。簡単にはいかないようだ。

 2対2で仕切り直しだ。
 
 今度は俺が先に突っ込むことにした。2頭の距離を離さないように斬り掛かっていく。


「セレナ、今だ!」

「ウォーターバレット!!」

「ヴォァ!!」


 ふぅー。
 倒した3頭を軽く血抜きだけしてアイテムボックスへ放り込む。何とかセレナの魔法で倒せたけど、セレナの魔法を3回使ってるんだよな。はっきりいって効率が悪い。かといって他に方法があるわけでもないので、このままもう少しやってみることにした。



 その後2回ほどフォレストウルフとの戦闘が終わった後に変化が訪れた。


「シーマ、私の水魔法のレベルが上がったみたい」


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