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第2章 宿屋
買い取り
しおりを挟む「そう言えば、シーマよ」
「何でしょう」
「今日、ロックバード狩ってきたけど要るか?」
少し前から始まったクリスさんと3人の訓練後にフォルティスさんが聞いてきた。
「ロックバードですか、ぜひ欲しいですね!朝食に出せるかは分かりませんが、料理してみたいって思ってたんですよ」
「よしきた! シーマならそう言うだろうと思ってマジックバックの中に持ってきてある」
マジか。
ヤバい。嬉しすぎる。
ロックバードの肉は人気があってなかなか手に入らない。美味いって話だからなー。
「いくらで買い取ればいいですか?」
「あー、それなんだがな...」
ん?
何か急に言いづらそうな雰囲気になってきたぞ。どういうことだ?
「シーマが作ったものを食わしてくれるならそれが対価でいいって、オルテガがな。エテルナもそれでいいって...」
あぁ、そういうことか。
なるほどな。
理解したよ、いろいろと。
「わかりました。そういうことなら、俺がロックバードを使った料理を作りましょう」
「悪いな。ベーコンだっけ? あいつらあれ食ってから、ロックバード狩ったらシーマに料理してもらうって言っててな 」
「…」
「俺たちは別にお金に困ってるわけじゃないから、ロックバードくらいあげたって問題ないしな」
確かにAランクともなればかなり稼げるだろうからロックバードくらい問題ないんだろうな。そう考えると強いっていいよなー。
「それじゃ、早速解体しないとなのでマジックバックから出してもらってもいいですか?」
「それがな…」
と言って、あのフォルティスさんが申し訳なさそうにマジックバックから出したのは想像していた鳥の姿ではなく大きな肉の塊だった。
「勢い余って、もう解体しちまってな。」
「…」
勢い余ってって、どんだけ早く喰いたいんだよ。誰だ? オルテガさんか?
「まぁとにかく、これで何か作ってくれ。そんなに急いでないが、食べさせてくれる日だけは決まったら教えてくれ」
急いでないって嘘くせー。
だったら解体なんてする訳ないじゃん。
「それでは、明後日の夜でいかがですか?」
「ホントか? もちろんそれでいいぞ。じゃあ頼むな!」
フォルティスさんが意気揚々と去っていく。
俺は残された肉の塊を見ながら何を作ろうかと考えようとするが、それもすぐに止めた。
アレしかないからな。
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