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第2章 宿屋
幕間 女子会(セレナ視点)
しおりを挟む「ねぇセレナー。またシーマにあのトースト頼みたいんだけど…」
今日の買い出しを終えて一旦自分の部屋に戻ろうとしたら、エテルナさんから声をかけられた。
「シーマからはいつでも大丈夫って言われてるので問題ないですよ。今度はいつにしますか?」
「じゃあ明日でー。ノエルも誘っておいてくれる?」
「わかりました。じゃあ明日のこのくらいの時間で」
今はちょうど昼の夜の間で、少しお腹が空く時間でもある。腕のいい冒険者ほど依頼を早く済ませて帰ってくる。この前、といっても2~3日前のことだけど、その時と同じ感じだな。
明日ということだったので、ノエルさんにも早めに伝えたが、「大丈夫だよ。楽しみにしてるね」ということだった。
そして次の日。
早く戻ってきたのはノエルさんだった。
「私のほうが早く来ちゃったんだね」
「エテルナさんもすぐ来ると思いますよ。あれだけ楽しみにしてましたからね」
「でも、私はあのトーストも好きだけど、エテルナさんの話も楽しみなの」
「あっ、わかります。わかります」
この3人で集まるとほとんどと言っていいほど、エテルナさんが喋ってる。
冒険者としての話はもちろん、女性としても経験豊富なエテルナさんはとても面白い話を持っている。
「いろんな話が聞けるから楽しいんだけど、追求されたりするのがちょっとね」
「そうなんですよね…」
この前もノエルさんはクリスさんとのこと。私はシーマとのことをエテルナさんに詮索された。女の子はこういう話が好きだからしょうがないけど、自分のことになると恥ずかしくなって喋れなくなっちゃうし。
「しかも、そういう話した後にクリスと会うと、変に意識しちゃうんだよね」
「あぁー、それもわかります。私もシーマと目を合わせられなくなっちゃいます」
ノエルさんでもそうなのか。私だけじゃなくて安心しちゃうな。それでなくてもノエルさんとクリスさんは幼なじみということで私達と感覚が近くて親近感を感じてるのに。
「私もセレナちゃんも何だか似た者同士みたいだから、これからもよろしくね」
「いえいえ、こちらこそお願いします。いろいろ教えてください」
良かった。ノエルさんとも仲良くなれそうだ。エテルナさんが頼れるお姉さんなら、ノエルさんは友達みたいなお姉さんだ。あまり友達のいない私としても本当にありがたい言葉だったりする。
「あら、2人とも早いわね!」
エテルナさんがやってきた。
今日もまた楽しくも恥ずかしい時間が始まろうとしている。
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