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第1章 転生

転生2

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 両親を亡くしたって…。

 随分とハードな内容を放り込んできたなー。
 いきなり一人で生きていくのかよ。


「すみません。実はその少年も死んでしまうところだったのですが、熱心に信仰していただいてましたので、仮死状態にして守さんに命をつないでもらおうかと」

「マジか…」

「でも安心して下さい。少年の知識と経験はそのまま引き継げますので、割と違和感なく異世界には溶け込めると思います」

 いや、そうなんだろうけど…。
 思ってたよりハードだな。

「…。守さんの前世の知識と私の加護があれば、きっと大丈夫ですよ!」

 確かに女神の加護は強力なんだろうけど、俺の前世の知識なんてたかが知れてるぞ。

 普通の介護職の24歳だ。
 人員不足が慢性化してたから朝から深夜まで何でもやらされたおかげで、その辺の知識はあるつもりだけど、それでも不安なものは仕方ない。

 そういえば、忙しすぎて彼女も出来なかったな。恥ずかしながら童貞なんだよね。異世界では彼女出来るかな?

「そう、それです!  転生する少年には彼女ではありませんが、とてもかわいい幼なじみが…」

「わかりました。行かせてください!」

「………。どっちがチョロいんでしょうか?」

「えっ?何か言いましたか?」

「………。いえいえ、行く気になっていただいて良かったです」

 あからさまにホッとした表情してるなこの女神。それだけ少年を助けたかったんだろう。信仰ってするもんなんだなー。


「守さんもこれからちゃんと私を信仰してくださいね。それ次第ではご褒美も考えなくもないので」

「えっ? ご褒美なら今からでも…」

「残念ながら時間が迫ってきたようです。そろそろ私との時間もお終いです」

 そんな食い気味に遮らなくてもいいじゃん。
 まぁ考えようによってはこんなにキレイな女神に会えただけでもご褒美だよな。っていうかこれって何気に奇跡なのか。また会えるのかな?

「会えたことがご褒美だって…そんなこと今まで一度も言われたことないのに…」

「…。女神の心がダダ漏れですけど…」

「ゴホンっ! とにかく、また私に会えるかどうかのことなんかより、これからどう生きるのかを考えて下さい!」

 上手く話を逸らされたような気がしないでもないけど、時間がないなら仕方ない。それじゃ…

「最後に1つだけ聞かせてくれ」

「なんでしょう?」





「俺の女神の名前は?」



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