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第7話:恋は終わるのですね
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『人の人生は、ペンよりも遥かに豊かだ。長い人生、様々な事に挑み、敗れ、経験を積み重ねてゆく。そうして一回りずつ大きくなり、大人へと成長して行くのもうんぬんかんぬん――』
――告白か。
ペンを呼びこしてから、実は数日が経った。同日に思えるかもしれないが、それはただ話が発展していないからだろう。
あの日から、私の中には〝告白〟という物が住み着いている。
好きな人へと気持ちを伝える告白。友達同士ではなく、恋人として好きだと告げてしまう告白。少女漫画の最終回でよく出てくる告白。
可愛い女の子が顔を真っ赤にしながら「す、好きです……付き合ってください……///」と言う告白……。
考えるだけで鳥肌が立った。あまりにも現実とかけ離れすぎている。思い悩みすぎて頬がこけそうだ。
「……ペンさ、成功率何%くらいだと思う?」
『バンジージャンプのか?』
「いや、告白の」
『そうだな……』
先ほどまで、うるさいくらいに語っていた声が止んだ。確率でも計算してくれているのだろうか。ドキドキしながら回答を待つが、一向に返事はない。
「……えっ、そこ無言になるとこ!? なるとこなの!?」
渾身の突っ込みを入れてから、ようやく時間切れだと気付いた。ペンならここで、絶対に反応を示すからだ。
そう言えば、話に夢中になって筆記していなかった。
全力での突っ込みを一人恥じながら、再び文字を一つだけ綴る。
『インクをぶちまけたまえ』
帰ってきた答えは、よく分からなかった。
**
告白。現実。溢れ出す気持ち。シンジローの考え。私がどうしたいか。
それら様々な事柄を考慮し、ペンと私は夜通し語り明かした。相も変わらず解読不能な意見が多かったものの、たまにだけ助けとなりそうな意見をくれた。
やはり奴を選んだのは正解だったらしく、情報は一切漏れ出さなかった。
「でもやっぱりさ、告白して気まずくなったら嫌だし、第一私に告白されたらキモくない?」
『そうだな……』
目の前には、起こす為だけに書く紙がある。そこは無駄な落書きで溢れており、まるでペンとの日々を刻んでいるようだった。
ただ、じっと意味もない文字を見詰める。その内、気付いた。
「…………またかい!」
溜め息交じりに新たな一線を刻もうとしていたその時、部屋の扉が大きく開け放たれた。風の動きを感じるほど勢いが良かった。
「ウオコォ!」
「……え、何、え」
絶賛会話中☆だった事もあり、必要以上に動揺していると母親は室内にズカズカと入り込んだ。
そうして、重大発表を下す――。
「シンジローくん家ね! 引っ越すんだって!」
「へ?」
大好きなアイドルの引退と同じくらい、頭が真っ白になった。停滞していた日々がグラリと揺れる。いや、それでは物足りない。地震でも起こったかのようだ。
「お母さん寂しいなぁ。仲良くしてたのに寂しいなぁ。遠くに行くらしいのー、寂しいわぁ」
母親は、どうやら寂しさを共感して欲しくて部屋に遣って来たらしい。
うん。共感するわ、お母さん。共感する。共感、共感――。
「ペンー! シンジロー行っちゃうんだってー!」
机に顔を伏せて、小声で嘆く。何度も嘆く。
自分史上最高に格好悪いとの自覚はあったが、どうしても堪え切れなかった。母親の前では軽く受け流してみたが、恋する乙女には大ダメージだ。
『……お前、ウオコか?』
「ウオコですけど」
僅かに顔を上げ、放棄されているペンを睨みつける。
『ウオコだ。それは大変だな』
「本当大変だわ、時間止めて」
『さすがの私でもそれは出来ない』
「喋れるんだからそのくらい出来るでしょうよー」
半泣きで頼み込むも、ペンは応じない。それどころか無言になってしまった。書いてから数分も経過していないのだ、これは絶対答えないだけに決まっている。
――シンジローが引っ越す。所謂、会えなくなると言うことだ。いや、永遠の別れではなかろうが、今の距離を思うと有り得なさ過ぎる。
ゲームが発売したからと遊ぶ事も、学校で無邪気に挨拶される事もなくなってしまうのだ。
あれ、でも隣町とかなら行けるんじゃね?
『私は何か、特殊な力を持っているわけでは無いのだよ』
「は?」
回答が時差だった事もあり、通常増しでの低音ボイスが溢れてしまった。
『……ウオコ、目が怖いぞ』
「は?」
罵倒に反応し、更に低い声で突っかかる。だが、それから更に数秒し、新たな発見に気付いた。
――ペンって景色見えてるの?
死した目に恐怖してか、以降ペンは何も言わなかった。
**
「ウオコ、目ェやばくない?」
「やばくない。いつもの目だよアハハハ」
「……やばいわ」
溶けるような友人のぼやきを耳に残し、横目で後方の扉を眺めた。完全に後ろを向くと気にしている事がばれるので、顔は出来るだけ前を向いたままだ。
眼球が攣りそうなほど見詰め続けていると、扉が開きシンジローが顔を出した。元気良く、クラス中に挨拶している。
瞬間、眼球を猛スピードで友人に向けた。
「ウオコお早うー」
「おう、お早う」
素っ気無くツン全開に返すと、シンジローが適当な椅子を引き摺ってきて座り込む。
そうして、お喋りの中央にあった机へと両肘を突いた。口の前で手を組み、瞳に憂いを醸し出す。
「……俺さ……お前たちに言わなきゃいけないことがあるんだ……ずっと隠してたんだ……」
突然始まる茶番に、友人と私は反射的に応じた。同じポーズをとり、机を中に顔を寄せ合う。ムードはまるでお葬式だ。
「……俺さ……旅に出るんだ。遥か遠い国へ、本当の自分を探しに……」
「いつ、戻るのですか……」
答えが引越しだと知っている所為か、回答が鈍ってしまった。そんな私を差し置き、友人が即答してみせた。さすがだ。
「……それは分からない。どこに向かおうとしているのかさえ……」
おい。と突っ込みそうになったが、実際の話か不明だった為やめた。
「寂しくなるが、さらばだ共よ!」
バッと勢い良く立ち上がったシンジローは、一目散に席へと掛けていく。
友人は、その背中を見て爆笑していた。
**
朝の寸劇の所為で、落ち込んでいるのか復活したのかよく分からなくなっている。けれど、昨日よりは随分HPが戻っている――気がする。
「ウオコー」
「うおっ」
「コ」
変に付け足され気まずい空気になったものの、シンジローの変わらぬ笑顔を見たら濁りは一瞬で晴れた。
「帰ろうぜー」
「お、おうよ」
「そう言えばさー、昨日発売の読んだ?」
引越しについての話は今朝のアレで終わったのだろうか。と考えながら歩く。
いつ引っ越すだとか、どこへ行くだとか、情報に穴がありすぎて気になってしまう。これがストーカーになる第一歩なのかもしれない。
「ねぇシンジロー……」
「何? 引越しの事?」
ダイレクトすぎて私だけ固まった。シンジローはというと、ゆるゆるした口で笑っている。
「父さんが急に転勤する事になってさー、結構遠くに行くらしいんだけど聞いても分かんなかったんだよな」
「えっ、おまっ、それで良いのかよ」
「まぁ行けば分かるでしょ」
素晴らしく図太い神経に魅力を感じる反面、言い表せぬ寂しさも覚えた。彼は、この土地を離れる事を物ともしていない――。
「でも、ウオコと遊べないのは寂しいなー」
……訳じゃなかった。萎れた台詞とは裏腹な、困った笑顔が胸を締め付ける。もしかすると、心臓発作でぶっ倒れるかもしれない。
「ねぇシンジロー……」
「何?」
ペンとの日々を幾つも思い出す。本当に欲しい部分を思い出すのは至難の技だったが、どうにかアドバイスを引っ張り出した。
〝インクをぶちまけろ〟
最後に聞こえてきた声に、『は?』と言いそうになったが、言葉を入れ替え私は告げる――。
「明日さ! 遊ぼうよ!」
でも、直ぐに告白は難易度が高すぎましたね。はい。
――告白か。
ペンを呼びこしてから、実は数日が経った。同日に思えるかもしれないが、それはただ話が発展していないからだろう。
あの日から、私の中には〝告白〟という物が住み着いている。
好きな人へと気持ちを伝える告白。友達同士ではなく、恋人として好きだと告げてしまう告白。少女漫画の最終回でよく出てくる告白。
可愛い女の子が顔を真っ赤にしながら「す、好きです……付き合ってください……///」と言う告白……。
考えるだけで鳥肌が立った。あまりにも現実とかけ離れすぎている。思い悩みすぎて頬がこけそうだ。
「……ペンさ、成功率何%くらいだと思う?」
『バンジージャンプのか?』
「いや、告白の」
『そうだな……』
先ほどまで、うるさいくらいに語っていた声が止んだ。確率でも計算してくれているのだろうか。ドキドキしながら回答を待つが、一向に返事はない。
「……えっ、そこ無言になるとこ!? なるとこなの!?」
渾身の突っ込みを入れてから、ようやく時間切れだと気付いた。ペンならここで、絶対に反応を示すからだ。
そう言えば、話に夢中になって筆記していなかった。
全力での突っ込みを一人恥じながら、再び文字を一つだけ綴る。
『インクをぶちまけたまえ』
帰ってきた答えは、よく分からなかった。
**
告白。現実。溢れ出す気持ち。シンジローの考え。私がどうしたいか。
それら様々な事柄を考慮し、ペンと私は夜通し語り明かした。相も変わらず解読不能な意見が多かったものの、たまにだけ助けとなりそうな意見をくれた。
やはり奴を選んだのは正解だったらしく、情報は一切漏れ出さなかった。
「でもやっぱりさ、告白して気まずくなったら嫌だし、第一私に告白されたらキモくない?」
『そうだな……』
目の前には、起こす為だけに書く紙がある。そこは無駄な落書きで溢れており、まるでペンとの日々を刻んでいるようだった。
ただ、じっと意味もない文字を見詰める。その内、気付いた。
「…………またかい!」
溜め息交じりに新たな一線を刻もうとしていたその時、部屋の扉が大きく開け放たれた。風の動きを感じるほど勢いが良かった。
「ウオコォ!」
「……え、何、え」
絶賛会話中☆だった事もあり、必要以上に動揺していると母親は室内にズカズカと入り込んだ。
そうして、重大発表を下す――。
「シンジローくん家ね! 引っ越すんだって!」
「へ?」
大好きなアイドルの引退と同じくらい、頭が真っ白になった。停滞していた日々がグラリと揺れる。いや、それでは物足りない。地震でも起こったかのようだ。
「お母さん寂しいなぁ。仲良くしてたのに寂しいなぁ。遠くに行くらしいのー、寂しいわぁ」
母親は、どうやら寂しさを共感して欲しくて部屋に遣って来たらしい。
うん。共感するわ、お母さん。共感する。共感、共感――。
「ペンー! シンジロー行っちゃうんだってー!」
机に顔を伏せて、小声で嘆く。何度も嘆く。
自分史上最高に格好悪いとの自覚はあったが、どうしても堪え切れなかった。母親の前では軽く受け流してみたが、恋する乙女には大ダメージだ。
『……お前、ウオコか?』
「ウオコですけど」
僅かに顔を上げ、放棄されているペンを睨みつける。
『ウオコだ。それは大変だな』
「本当大変だわ、時間止めて」
『さすがの私でもそれは出来ない』
「喋れるんだからそのくらい出来るでしょうよー」
半泣きで頼み込むも、ペンは応じない。それどころか無言になってしまった。書いてから数分も経過していないのだ、これは絶対答えないだけに決まっている。
――シンジローが引っ越す。所謂、会えなくなると言うことだ。いや、永遠の別れではなかろうが、今の距離を思うと有り得なさ過ぎる。
ゲームが発売したからと遊ぶ事も、学校で無邪気に挨拶される事もなくなってしまうのだ。
あれ、でも隣町とかなら行けるんじゃね?
『私は何か、特殊な力を持っているわけでは無いのだよ』
「は?」
回答が時差だった事もあり、通常増しでの低音ボイスが溢れてしまった。
『……ウオコ、目が怖いぞ』
「は?」
罵倒に反応し、更に低い声で突っかかる。だが、それから更に数秒し、新たな発見に気付いた。
――ペンって景色見えてるの?
死した目に恐怖してか、以降ペンは何も言わなかった。
**
「ウオコ、目ェやばくない?」
「やばくない。いつもの目だよアハハハ」
「……やばいわ」
溶けるような友人のぼやきを耳に残し、横目で後方の扉を眺めた。完全に後ろを向くと気にしている事がばれるので、顔は出来るだけ前を向いたままだ。
眼球が攣りそうなほど見詰め続けていると、扉が開きシンジローが顔を出した。元気良く、クラス中に挨拶している。
瞬間、眼球を猛スピードで友人に向けた。
「ウオコお早うー」
「おう、お早う」
素っ気無くツン全開に返すと、シンジローが適当な椅子を引き摺ってきて座り込む。
そうして、お喋りの中央にあった机へと両肘を突いた。口の前で手を組み、瞳に憂いを醸し出す。
「……俺さ……お前たちに言わなきゃいけないことがあるんだ……ずっと隠してたんだ……」
突然始まる茶番に、友人と私は反射的に応じた。同じポーズをとり、机を中に顔を寄せ合う。ムードはまるでお葬式だ。
「……俺さ……旅に出るんだ。遥か遠い国へ、本当の自分を探しに……」
「いつ、戻るのですか……」
答えが引越しだと知っている所為か、回答が鈍ってしまった。そんな私を差し置き、友人が即答してみせた。さすがだ。
「……それは分からない。どこに向かおうとしているのかさえ……」
おい。と突っ込みそうになったが、実際の話か不明だった為やめた。
「寂しくなるが、さらばだ共よ!」
バッと勢い良く立ち上がったシンジローは、一目散に席へと掛けていく。
友人は、その背中を見て爆笑していた。
**
朝の寸劇の所為で、落ち込んでいるのか復活したのかよく分からなくなっている。けれど、昨日よりは随分HPが戻っている――気がする。
「ウオコー」
「うおっ」
「コ」
変に付け足され気まずい空気になったものの、シンジローの変わらぬ笑顔を見たら濁りは一瞬で晴れた。
「帰ろうぜー」
「お、おうよ」
「そう言えばさー、昨日発売の読んだ?」
引越しについての話は今朝のアレで終わったのだろうか。と考えながら歩く。
いつ引っ越すだとか、どこへ行くだとか、情報に穴がありすぎて気になってしまう。これがストーカーになる第一歩なのかもしれない。
「ねぇシンジロー……」
「何? 引越しの事?」
ダイレクトすぎて私だけ固まった。シンジローはというと、ゆるゆるした口で笑っている。
「父さんが急に転勤する事になってさー、結構遠くに行くらしいんだけど聞いても分かんなかったんだよな」
「えっ、おまっ、それで良いのかよ」
「まぁ行けば分かるでしょ」
素晴らしく図太い神経に魅力を感じる反面、言い表せぬ寂しさも覚えた。彼は、この土地を離れる事を物ともしていない――。
「でも、ウオコと遊べないのは寂しいなー」
……訳じゃなかった。萎れた台詞とは裏腹な、困った笑顔が胸を締め付ける。もしかすると、心臓発作でぶっ倒れるかもしれない。
「ねぇシンジロー……」
「何?」
ペンとの日々を幾つも思い出す。本当に欲しい部分を思い出すのは至難の技だったが、どうにかアドバイスを引っ張り出した。
〝インクをぶちまけろ〟
最後に聞こえてきた声に、『は?』と言いそうになったが、言葉を入れ替え私は告げる――。
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