最下位少女

Lotta-3

　テストは、筆記と実技の二種類がある。用意された項目を全員が行い、総合得点で順位が決まった。

　最初は、筆記試験からだ。
　鉛筆を持った手が震えている。理由は明白だ。最下位になる恐怖と、痛みだ。

　振り下ろしたナイフは、太ももへと刺さった。致命傷を避けるべく足を狙ったが、負傷は負傷だ、激痛が体を襲った――いや、今も襲われ続けている。

　正直、頭は空っぽで、物を考える余裕などなかった。いつもはパッと答えの出る問いも、文字化けした記号の羅列にしか見えない。

　だが、それで良かった。エレーナが死ぬくらいなら自分が死んだ方が良い。
　もちろん、そうならないに越したことはないが、行動しなかった場合の未来は見えている。
　だから、もう戻らない。