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最終話
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◇
「――――シン!!!」
「…え、大丈夫カノン…」
どんなに捜し求めても見つからなかった存在が、すぐ目の前にあった事にカノンは唖然とし、一瞬呼吸を忘れる。
だがすぐに、先程の長い時間が夢であったと理解した。
「シン!シン!会いたかっ…!」
叫ぶと同時に目の前が澱んで、ついその場で体を強張らせた。落ちる錯覚に、驚いて鼓動が高鳴っている。
「…カノン」
「…シン…僕…」
背にベッドがあるのにも関わらず、体が不安定感に襲われる。目の前のシンも、ぼんやりと形を歪ませる。
目の前で色彩のみになってゆく形を見詰めながら、カノンは恐怖に雫を滴らせた。
「……嫌だ、シン…どこにも行かないで…」
シンは伸ばされた手を取り、指先を絡めた。手はがたがたと震えており、感情が伝わってくる。
カノンの焦点は合っておらず、すぐに視力の低下を悟らせた。
未来が見える。それも、そう遠くない未来だ。
ずっと目を逸らしていた未来が、手に取れそうな距離まで来ている。
――――もう、駄目だ。
「…カノン、俺はここだ」
絡めた指に少し力を込めて、存在を分からせるとシンはするりと外した。
そしてから、そっと立ち上がる。
「……すぐ戻ってくるから、少し待ってて」
「…シン…?」
カノンは恐怖していた。遠くへ行ってしまうシンを、追いかけられないもどかしさにまた涙が溢れる。
昨日血を流してから、急速に体が衰弱し、弱っているのが自分自身よく分かる。死に向かっているのも痛切に感じる。
世界が、ついには色も失い霞んでゆく。
意識も段々遠ざかっていって、刻々と感覚を失わせてゆく。
せめて、最期はシンと共に。
カノンはシンが戻る事を信じて、どうにか意識を保ち続けた。
◇
カノンが葛藤している頃、シンはキッチンにきていた。
先程振り上げた包丁は、手の間を擦り抜けて滑り落ちていた。それがそのまま、落ちた場所で制止している。
その後、拾い上げる前にカノンの叫び声が聞こえ、無我のまま駆けつけたら、その時には意識が無かった。
何度も何度も突きつけられる恐怖に、心が悲鳴を上げている。自分でも厭きれるほど表情には出ないのに、心底から全て恐れに染められている。
このまま、最期が訪れるのを待つなんて恐怖、やっぱり耐えられると思えない。
――――だったら、目に映る未来を塗り替えてしまおう。
シンは、落ちていた包丁を震える右手でそっと拾い、落とさない為の支えとして左手も上から重ねた。
◇
エルの元に、一本のメールが入った。
しかし丁度勤務中で、マナーモード設定にしていた事に加え忙しさに走り回っていた為、エルは着信に全く気が付かなかった。
◇
「カノン、戻った」
「……シン…シン…」
カノンは、縋りつく子どものように瞳を潤ませては、姿を懸命に捉えようとしている。
しかし見えないのか、近付いても視線が絡む事は無い。体も、足も、腕も、動く気配を見せない。
シンは右手を前に、綺麗な髪を掬い取り、撫でた。涙に濡れて少し艶っぽくなっている、愛しいその顔をじっと見詰める。
そしてから、とある場所に人差し指の先を強く突き立てた。
「…カノン、ここ傷つけても良い…?」
「…………え…?」
指先は、胸の真ん中を指している。
その意味は、今のカノンにでも直感的に分かるだろう。
指先から、細かな鼓動が伝わってくる。
カノンは思考が追い付かないのか、唖然と目の前を見詰めている。
しかし、少しして目を閉じると、仄かな微笑を表情の上に降らせた。
「…良いよシン、…好きなだけ傷つけて…」
シンは人差し指を静かに離すと、後ろ手に持っていた包丁を目前に出した。
シャツのボタンを開けて、出来るだけ苦しまないように、刃先を心臓の左上、肋骨の間に据える。
「カノン、おやすみ」
「…………おやすみ…」
――――刃先が心臓を貫く音を、シンは確りと聞いていた。
跳ね返った血を指先で擦り、舌に宛てる。
じわりと広がる味で、心が落ち着いてゆく。この先描いた未来を見据えながらも、心が安らいでいる。
シンは、突き刺した包丁を勢いよく抜いて、別の箇所も、繰り返し繰り返し、何度も突き刺した。
赤い血飛沫が、その白さを染めてゆく。
そして最後に、汚れきった包丁の鋭い刃先を、そっと自分の首元にも宛がった。
¨シン、よく眠れた?¨
そう訊ねる声が、今にも聞こえてきそうだ。
目を閉じたカノンは、相変わらず美しい。思わず溜め息が出そうな程に。
「…うん、よく眠れるよカノン…」
シンは体をカノンの傍らに寄せ、冷たい刃を思いっきり引いた。
◇
エルは休憩時間になり、漸くメールに気付いた。
すぐに折り返し電話したが反応は無く、加えてその内容が不可解で嫌な感じしかしなかった為、休憩時間を超過する覚悟で車を走らせた。
発信先はシンからで、内容はただ端的に、
¨エルさん、ごめんなさい¨
とあるだけだった。
二人の家に辿り着き、呼び鈴を鳴らしてみるが足音一つ聞こえない。それどころか物音一つ、気配一つ感じない。
エルは取っ手を引き、扉を開いた。いつも通り鍵はかかっておらず、容易に開けた。
メールの文面を脳内に浮かべつつ、リビングの扉を開くもリビングにシンはいない。
だったらと、寝室に向かってゆく。いつもカノンが、笑顔で自分を待っていた部屋の扉を開く――――。
エルは言葉を失っていた。
見知った部屋の筈なのに、見た事もない場所だと錯覚してしまいそうなくらい変貌している。
元々汚れていたシーツは、汚れが分からなくなるほどに真っ赤に染まり、床や壁までが血に染まっている。
そして、そこで寄り添い合って横たわる二人が、既に死んでいるのだと一目見て分かった。
しかし、部屋の与える恐怖感や残酷さに比例して、二人の表情は穏やかだった。
――――まるで、幸せだと言っているかのように。
「――――シン!!!」
「…え、大丈夫カノン…」
どんなに捜し求めても見つからなかった存在が、すぐ目の前にあった事にカノンは唖然とし、一瞬呼吸を忘れる。
だがすぐに、先程の長い時間が夢であったと理解した。
「シン!シン!会いたかっ…!」
叫ぶと同時に目の前が澱んで、ついその場で体を強張らせた。落ちる錯覚に、驚いて鼓動が高鳴っている。
「…カノン」
「…シン…僕…」
背にベッドがあるのにも関わらず、体が不安定感に襲われる。目の前のシンも、ぼんやりと形を歪ませる。
目の前で色彩のみになってゆく形を見詰めながら、カノンは恐怖に雫を滴らせた。
「……嫌だ、シン…どこにも行かないで…」
シンは伸ばされた手を取り、指先を絡めた。手はがたがたと震えており、感情が伝わってくる。
カノンの焦点は合っておらず、すぐに視力の低下を悟らせた。
未来が見える。それも、そう遠くない未来だ。
ずっと目を逸らしていた未来が、手に取れそうな距離まで来ている。
――――もう、駄目だ。
「…カノン、俺はここだ」
絡めた指に少し力を込めて、存在を分からせるとシンはするりと外した。
そしてから、そっと立ち上がる。
「……すぐ戻ってくるから、少し待ってて」
「…シン…?」
カノンは恐怖していた。遠くへ行ってしまうシンを、追いかけられないもどかしさにまた涙が溢れる。
昨日血を流してから、急速に体が衰弱し、弱っているのが自分自身よく分かる。死に向かっているのも痛切に感じる。
世界が、ついには色も失い霞んでゆく。
意識も段々遠ざかっていって、刻々と感覚を失わせてゆく。
せめて、最期はシンと共に。
カノンはシンが戻る事を信じて、どうにか意識を保ち続けた。
◇
カノンが葛藤している頃、シンはキッチンにきていた。
先程振り上げた包丁は、手の間を擦り抜けて滑り落ちていた。それがそのまま、落ちた場所で制止している。
その後、拾い上げる前にカノンの叫び声が聞こえ、無我のまま駆けつけたら、その時には意識が無かった。
何度も何度も突きつけられる恐怖に、心が悲鳴を上げている。自分でも厭きれるほど表情には出ないのに、心底から全て恐れに染められている。
このまま、最期が訪れるのを待つなんて恐怖、やっぱり耐えられると思えない。
――――だったら、目に映る未来を塗り替えてしまおう。
シンは、落ちていた包丁を震える右手でそっと拾い、落とさない為の支えとして左手も上から重ねた。
◇
エルの元に、一本のメールが入った。
しかし丁度勤務中で、マナーモード設定にしていた事に加え忙しさに走り回っていた為、エルは着信に全く気が付かなかった。
◇
「カノン、戻った」
「……シン…シン…」
カノンは、縋りつく子どものように瞳を潤ませては、姿を懸命に捉えようとしている。
しかし見えないのか、近付いても視線が絡む事は無い。体も、足も、腕も、動く気配を見せない。
シンは右手を前に、綺麗な髪を掬い取り、撫でた。涙に濡れて少し艶っぽくなっている、愛しいその顔をじっと見詰める。
そしてから、とある場所に人差し指の先を強く突き立てた。
「…カノン、ここ傷つけても良い…?」
「…………え…?」
指先は、胸の真ん中を指している。
その意味は、今のカノンにでも直感的に分かるだろう。
指先から、細かな鼓動が伝わってくる。
カノンは思考が追い付かないのか、唖然と目の前を見詰めている。
しかし、少しして目を閉じると、仄かな微笑を表情の上に降らせた。
「…良いよシン、…好きなだけ傷つけて…」
シンは人差し指を静かに離すと、後ろ手に持っていた包丁を目前に出した。
シャツのボタンを開けて、出来るだけ苦しまないように、刃先を心臓の左上、肋骨の間に据える。
「カノン、おやすみ」
「…………おやすみ…」
――――刃先が心臓を貫く音を、シンは確りと聞いていた。
跳ね返った血を指先で擦り、舌に宛てる。
じわりと広がる味で、心が落ち着いてゆく。この先描いた未来を見据えながらも、心が安らいでいる。
シンは、突き刺した包丁を勢いよく抜いて、別の箇所も、繰り返し繰り返し、何度も突き刺した。
赤い血飛沫が、その白さを染めてゆく。
そして最後に、汚れきった包丁の鋭い刃先を、そっと自分の首元にも宛がった。
¨シン、よく眠れた?¨
そう訊ねる声が、今にも聞こえてきそうだ。
目を閉じたカノンは、相変わらず美しい。思わず溜め息が出そうな程に。
「…うん、よく眠れるよカノン…」
シンは体をカノンの傍らに寄せ、冷たい刃を思いっきり引いた。
◇
エルは休憩時間になり、漸くメールに気付いた。
すぐに折り返し電話したが反応は無く、加えてその内容が不可解で嫌な感じしかしなかった為、休憩時間を超過する覚悟で車を走らせた。
発信先はシンからで、内容はただ端的に、
¨エルさん、ごめんなさい¨
とあるだけだった。
二人の家に辿り着き、呼び鈴を鳴らしてみるが足音一つ聞こえない。それどころか物音一つ、気配一つ感じない。
エルは取っ手を引き、扉を開いた。いつも通り鍵はかかっておらず、容易に開けた。
メールの文面を脳内に浮かべつつ、リビングの扉を開くもリビングにシンはいない。
だったらと、寝室に向かってゆく。いつもカノンが、笑顔で自分を待っていた部屋の扉を開く――――。
エルは言葉を失っていた。
見知った部屋の筈なのに、見た事もない場所だと錯覚してしまいそうなくらい変貌している。
元々汚れていたシーツは、汚れが分からなくなるほどに真っ赤に染まり、床や壁までが血に染まっている。
そして、そこで寄り添い合って横たわる二人が、既に死んでいるのだと一目見て分かった。
しかし、部屋の与える恐怖感や残酷さに比例して、二人の表情は穏やかだった。
――――まるで、幸せだと言っているかのように。
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