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悪い夢の続きを見る(2)
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それは、いつもの朝で御座いました。
と言っても、まだ空は暗く、お屋敷内はとても静かです。私の耳に届くのも、夜を生きる虫の声だけでした。
植物採取に出ようと、何の気なく障子を開きます。風日向さまがおられるとは思っておらず、小さく声を飛ばしてしまいました。
しかし、同時に得た気づきにより、次は声が消えてしまうのです。
風日向さまは、以前お話しした香りの良い実を握っておりました。それを口に運ぼうとされていたのです。目的は明白でした。
履き物さえ忘れ、風日向さまに飛び付きます。転がっていく果実を見た瞬間、私は泣いておりました。
「ご主人様は私を一人にするおつもりなのですか!? 私は……!」
「篝、君のご両親を殺したのは私だ」
「えっ」
思いもよらぬ告白に、涙腺が一瞬仕事を忘れます。代わりに涙ぐまれた風日向さまの、お体は熱を持っておりました。触れた胸元の鼓動も、苦しさを訴えています。
なぜ、両親が風日向さまに? 何か理由があって? それとも事故? 分からない! けれど風日向さまに限って、訳もなく殺生なんてしたりしない! でも、それでもなぜ二人が。分からない!
頭の中、思考が行き来を始めました。
「…………な、なぜで御座いますか?」
そんな中で絞った声は、自分の物ではないようでした。
また、聞こえてきた声も、風日向さまの物とは思えませんでした。現実にいながらも、悪夢の中で溺れておいでだったのかもしれません。
「……仕事だったんだ。けど許される理由にはならない。早くに私は死ぬべきだった。私は……」
「ご、ご主人様、一度お部屋にお上がり下さい。お話は……それから……」
衝撃と動揺と胸の痛みに挟まれ、私まで悪夢に溺れそうでした。
けれど、私が出来ることは変わらないのですから。
と言っても、まだ空は暗く、お屋敷内はとても静かです。私の耳に届くのも、夜を生きる虫の声だけでした。
植物採取に出ようと、何の気なく障子を開きます。風日向さまがおられるとは思っておらず、小さく声を飛ばしてしまいました。
しかし、同時に得た気づきにより、次は声が消えてしまうのです。
風日向さまは、以前お話しした香りの良い実を握っておりました。それを口に運ぼうとされていたのです。目的は明白でした。
履き物さえ忘れ、風日向さまに飛び付きます。転がっていく果実を見た瞬間、私は泣いておりました。
「ご主人様は私を一人にするおつもりなのですか!? 私は……!」
「篝、君のご両親を殺したのは私だ」
「えっ」
思いもよらぬ告白に、涙腺が一瞬仕事を忘れます。代わりに涙ぐまれた風日向さまの、お体は熱を持っておりました。触れた胸元の鼓動も、苦しさを訴えています。
なぜ、両親が風日向さまに? 何か理由があって? それとも事故? 分からない! けれど風日向さまに限って、訳もなく殺生なんてしたりしない! でも、それでもなぜ二人が。分からない!
頭の中、思考が行き来を始めました。
「…………な、なぜで御座いますか?」
そんな中で絞った声は、自分の物ではないようでした。
また、聞こえてきた声も、風日向さまの物とは思えませんでした。現実にいながらも、悪夢の中で溺れておいでだったのかもしれません。
「……仕事だったんだ。けど許される理由にはならない。早くに私は死ぬべきだった。私は……」
「ご、ご主人様、一度お部屋にお上がり下さい。お話は……それから……」
衝撃と動揺と胸の痛みに挟まれ、私まで悪夢に溺れそうでした。
けれど、私が出来ることは変わらないのですから。
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