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潜り込む【3】
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「なんでしょう?」
「しゃ、社長と何かあったりしたんですか……!」
そうして飛び出していった。犬飼さんは一瞬ポカンとして、小さく口角をあげる。
初めて表情のレパートリーを知り、確信した。やはり、何かしらのトラブルが二人の間にあったのだ。
「長い話になるので、申畑の件が片付いたらでもいいですか」
「えっ、あっ、はい」
はぐらかされたのか、本当に濃密な何かがあるのか。上手く流されて、直後に悔しさを覚える。
確かに、今聞き出したところで、彼の仕事を減らしは出来ない訳だけど――やっぱり、社長の犬でいさせたくはない。
「それでは、おやすみなさい」
全ては最終プランを終わらせてからだ。シュミレーションしながら、言いつけ通り目を閉じる。犬飼さんはやっぱり仕事をしていた。
最終プランにて、僕がすることは一つだ。ただ、それも必要になるかは分からない。不要に終わることを願う役目だ。
時が来るまで、僕は普段通りに仕事をする。その間に、犬飼さんが残業に対しての抗議を行う。その反応をボイスレコーダーに納め、証拠品とする手はずだ。
上手く相手を誘導し、聞き出すつもりでいるのだろう。なんてスリル満点で、なんて嫌な仕事だろうか。
と言うか、こんな計画、書面になかったけどいいのかな。まぁ、彼のことだから、許可は取得済みだろうけど。
「しゃ、社長と何かあったりしたんですか……!」
そうして飛び出していった。犬飼さんは一瞬ポカンとして、小さく口角をあげる。
初めて表情のレパートリーを知り、確信した。やはり、何かしらのトラブルが二人の間にあったのだ。
「長い話になるので、申畑の件が片付いたらでもいいですか」
「えっ、あっ、はい」
はぐらかされたのか、本当に濃密な何かがあるのか。上手く流されて、直後に悔しさを覚える。
確かに、今聞き出したところで、彼の仕事を減らしは出来ない訳だけど――やっぱり、社長の犬でいさせたくはない。
「それでは、おやすみなさい」
全ては最終プランを終わらせてからだ。シュミレーションしながら、言いつけ通り目を閉じる。犬飼さんはやっぱり仕事をしていた。
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