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最終話
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天窓の下を、空に紛れた月光が照らす。眠りを拒ませる光を遮り、トイの手がアメの目蓋に被せられた。
悪夢と戦っていた時と、何一つ違わない感覚だ。
「アメ、これで幸せな夢が見られるんだ、喜んでくれよ」
冗談を言うような語調を受け、同調するように笑ってみせる。
これだけ事実を突き付けられても、アメにとってトイは、たった一人の父親でしかなかった。幼い時から今まで、支え合い、共に戦い、幸福をくれた人でしか――。
「違うよ父さん、二人で見るんだ」
「そうだったな」
アメは、空気が動くのを肌で察知した。切られた別れの合図に、涙が伝いかける。
だが、堪えて目を閉じた――二人して、微笑みながら目を閉じた。
「おやすみ父さん。愛しているよ」
「俺もだよ。おやすみアメ……」
*
温かい夢を見た。全ての日々を辿った長い長い夢だった。
とても、とても幸せな夢だった。
悪夢と戦っていた時と、何一つ違わない感覚だ。
「アメ、これで幸せな夢が見られるんだ、喜んでくれよ」
冗談を言うような語調を受け、同調するように笑ってみせる。
これだけ事実を突き付けられても、アメにとってトイは、たった一人の父親でしかなかった。幼い時から今まで、支え合い、共に戦い、幸福をくれた人でしか――。
「違うよ父さん、二人で見るんだ」
「そうだったな」
アメは、空気が動くのを肌で察知した。切られた別れの合図に、涙が伝いかける。
だが、堪えて目を閉じた――二人して、微笑みながら目を閉じた。
「おやすみ父さん。愛しているよ」
「俺もだよ。おやすみアメ……」
*
温かい夢を見た。全ての日々を辿った長い長い夢だった。
とても、とても幸せな夢だった。
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