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分からない【2】
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目を開いた時、暗い林の中にいた。空の遠さから、低い土地に落とされたのだと悟る。
どうやら、空からの攻撃に巻き込まれたらしい。噂には聞いていたが、爆弾というものを初めて見た。轟音が消えていたことから、寄り道でもしたのだろうと推測する。
「気付いたか。あ、まだ動くなよ」
留められ、反抗心で上半身を上げた。瞬間、頭の痛みに気付く。左目や口に、血が流れ込んできた。
「おい、動くなっていったろ。頭を切ってるんだ。止血するから、じっとしてろよ」
触れられて、意識を状況整理に移行する。青年は細長く破いた布を持っていた。不恰好に、左腕だけが顕になっている。どうやら、手当てをする気らしい。
「いらない。平気だよ」
人間兵器は、治癒能力も桁違いだ。だから、瀕死の重症でない限り、治療すらない。いや、必要がなかった。
「何が平気だ。君も人間なんだ。油断すると死ぬぞ。じっとしてろ」
どうやら、空からの攻撃に巻き込まれたらしい。噂には聞いていたが、爆弾というものを初めて見た。轟音が消えていたことから、寄り道でもしたのだろうと推測する。
「気付いたか。あ、まだ動くなよ」
留められ、反抗心で上半身を上げた。瞬間、頭の痛みに気付く。左目や口に、血が流れ込んできた。
「おい、動くなっていったろ。頭を切ってるんだ。止血するから、じっとしてろよ」
触れられて、意識を状況整理に移行する。青年は細長く破いた布を持っていた。不恰好に、左腕だけが顕になっている。どうやら、手当てをする気らしい。
「いらない。平気だよ」
人間兵器は、治癒能力も桁違いだ。だから、瀕死の重症でない限り、治療すらない。いや、必要がなかった。
「何が平気だ。君も人間なんだ。油断すると死ぬぞ。じっとしてろ」
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