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後日談②
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小さくしてあるのなら、軽くはできないはず。そう記憶していたリオは、促すように小首を傾げて微笑む女性の態度に戸惑いつつ、持っていた荷物を一度傍らに下ろしてみる。
(元から、あんまり重くないのかもしれないけれど)
それでも、厚手のガラス瓶の丁寧な造りを見る限り、そう軽いとも思えない。念のため、と。両手で受け取って重さを量ろうとしたリオの様子に、綺麗な女性が僅かの間黙り込む。
そうして、ふふ、と。妖しく美しく微笑んだ。
「あらまあ、ご存じでいらしたんですね。……魔法のことなど、何も知らないと」
そう思っていましたのに、と。今度は隠しようもない、明らかな悪意と共にそう言い放たれて、リオは小さく身を竦ませた。――王城で聞いてしまった声が、耳に蘇る。
(同じ人かは、分からないけど……)
どちらにせよ、彼女はリオに良い印象を持っていない。何もできないくせにアルトに恋をするなんて、なんて身の程知らずなのか、と。そう嘲笑われているようで、リオの表情が翳った。
リオは人の悪意について、少しは知っていたけれど。傷付くことも、傷付けることも得意ではない。まして、リオという存在に不快を感じているらしい相手に、咄嗟に返せる言葉も見つからなかった。
言い返す気配もないその打ちひしがれた姿を見て、その女性はますますリオを侮ったようだ。さらに重ねられようとした、冷たい敵意の言葉が――大きな悲鳴にかき消される。
「きゃあっ!!」
その尋常ならざる悲鳴に、リオが顔を上げた先で、先日出会った緑髪の少女が尻もちをついて悲鳴を上げていた。
信じられないものを見る目をした少女の目前で、見る間に救護テントが持ち上がり。大地に固定されていた杭が抜ける。
ずん、と。大地が揺れた。
(え?)
リオの視界が影に覆われ、ふっと全体的に薄暗くなる。
その影の、主体――大地に大穴を開け、テントを押し退けながら、地上に顔を覗かせたその魔獣の――見たこともない巨体に。驚いたリオは、大きな混乱と困惑に足を止めてしまった。
それは魔法使いたちも同様であったようで、誰一人動くことができずにいる間に、魔獣が顔を出した周辺の大地が蟻地獄のように渦を成す。地中に引きずり込まれそうになってますます大きな悲鳴を上げる少女の声に、ハッと我を取り戻したリオは、後先も考えずに彼女の元へ駆け寄った。
「こっちへ……!」
崩れた地面に脚を取られた少女に懸命に手を伸ばせば、緑色の瞳が大きく見開かれる。
リオを見ては、腰を抜かしていてばかりいた彼女だが、流石に今は恐怖が勝ったらしい。握り締めてくれた手を離さずに、思い切って強く引けば、まだ崩れていない地面に尻もちを付くことが出来た。
「いたっ」
「っ! あっ、あ、ありがとう、ございま……っ」
「まだ、崩れるから。向こうに走って!」
上擦った声のお礼を途中で遮ると、リオは尻もちを付いたままそう告げて、少女の背中を押した。はい! と。こんな時でも元気のいい返事に心和んだのも束の間のこと。
ずずん、と。続いた地響きの、次の瞬間には大地が傾ぐように傾く。リオの足元にも亀裂が走って地盤が沈み、大きく体が傾いた。
「……っ!?」
リオが慌ててその場に立ち上がるのと、足元の土が盛り上がるのが、ほぼ同時だった。
直後、真下から突き上げられて、リオの体が宙に浮く。
「ひゃっ!?」
現状の把握も追いつかない勢いで、リオの体はそのまま放り投げられた。視界いっぱいに広がる青い空を目に映しながら、妙に冴えた耳は翡翠の瞳の少女の鋭い悲鳴を聞き分けた。
高く高く、放り投げられたのだと悟った所で、今更できることなんてない。だが怪我をするにしても、できるだけ軽く済んでほしい、と。そう控えめに祈ったリオは、せめて頭を庇い込む。衝撃を覚悟して固く目を瞑り、地面と体が接触する――寸前に。ふわりと、柔らかな花びらのようなものに包み取られた。
直後、カシャンと胸元で鳴った音に瞳を開ければ、服につけていた小花のブローチが粉々に砕け散っていた。
「エルドラのお守り……!」
――離れていても、あなたをお守りできますように、と。願ってくれた、少年姿の侍従がくれた魔法のお守り。その言葉の通りにリオを守ってくれたらしいそのブローチの無惨な姿に、悲しみを覚えることができたのも一瞬のこと。感傷に耽る間もなく迫りくる地響きに、リオは慌てて周囲を見渡した。
足元から大きく弾き飛ばされたことで、陣営の外まで弾き出されてしまったようだ。まだ内側に魔物は残っているようで、そこかしこから砂煙と取り乱した声が上がっている。
離れた場所からもはっきりと目視できるほど、どの魔獣もかなりの巨体ではあったものの。リオを跳ね上げた勢いでこちらへ迫り来る魔獣の異常なほどの巨体は、遠目に見てもハッキリと判るほどに明らかだった。
(モグラみたいだったけど)
土中を移動するめくらの獣。リオの知っているその獣は、リオの手にも乗る程度の大きさだったけれど、先程土から顔を出した魔獣はそれこそ竜のような巨躯をしていた。
魔獣とは、体内に貯めた魔力の量だけ、その身体を膨れ上がらせる生き物の総称だ。放置すれば、著しく土地の生態を損なう元凶となる彼らだが。適正な大きさに留めることができれば、野生に生きる獣とさしたる違いはない。
あそこまでの巨体になっているという事実そのものが、大変な危険信号ではあるのだが。幸か不幸か、その常識を知らなかったリオは。魔法使いたちが抱いた危機感よりは幾分軽い気持ちで、よしっと。気合を入れて立ち上がった。
「妃殿下ー!?」
お戻りください!! と。全身全霊で叫びながらこちらに駆け寄ろうとしている、緑髪の少女を筆頭にした魔法使いたちには申し訳ないが、彼女たちは元々、今日は休息が必要だった人たちなのだ。無理はさせられない。
エルドラのお守りは壊れてしまったが、キアラが縫ってくれた服も、オリガが編んでくれた靴も。アルトが捧げてくれた銀の髪飾りも、まだリオを守ってくれている。
(大きいから、どこにいるかはすぐ判るし)
とりあえずはリオに狙いを定めているらしい魔獣は、最初の印象通り、目に当たる部分は退化しているようだった。
何しろサイズが規格外に大きいので、広範囲の大地が大変なことになってはいるが、巨躯の生き物は動きが鈍いと言うのが鉄板だ。実際リオが目視した限りでは、絶望を感じるほどの速さを持っているというわけではなさそうだった。
「――こっちだよ!」
めくらの魔獣が、何を頼りに自分を追っているのか解らなかったリオは、ものは試しと大声で叫んでから駆け出した。
その行為が功を奏したのかも不明だが、ひとまず地面の盛り上がりは真っ直ぐリオの方へと向かってくる。背後の少女の悲鳴が大きくなったことについては心から申し訳ないが、狙い通りではあったリオは、開けた周囲に視線を配った。
(アルトくんのところまで行ければ……!)
リオの故郷とは、比べ物にならないほどの大国であるパルミールの広大な領土の、全ての地理まで把握できているわけではなかったけれど。読書が得意なリオは、地図を読むことも得意だった。
無理に遠征についてきた甲斐はあって、この辺りの地形は把握している。どこを中心に、危険な魔獣が蔓延っているのかも。――今日、アルトたちが、どの辺りにいるのかも。
正確な場所は流石に解らないが、逆にこれだけ派手に暴れてくれるなら好都合だ。同じエリアに入ることさえできれば、きっと異常を察知して駆け付けてくれることだろう。
「わ……っ、と、っと」
魔獣が移動する限り、地面の揺れはなくなってくれそうにない。
絶えず波打つ地面とひび割れる大地に、うっかり足を取られることだけはないようにと注意しながら。リオは遠くに微かに目視できる森をひとまずの目的地に定めて、爪先を向けた。
(元から、あんまり重くないのかもしれないけれど)
それでも、厚手のガラス瓶の丁寧な造りを見る限り、そう軽いとも思えない。念のため、と。両手で受け取って重さを量ろうとしたリオの様子に、綺麗な女性が僅かの間黙り込む。
そうして、ふふ、と。妖しく美しく微笑んだ。
「あらまあ、ご存じでいらしたんですね。……魔法のことなど、何も知らないと」
そう思っていましたのに、と。今度は隠しようもない、明らかな悪意と共にそう言い放たれて、リオは小さく身を竦ませた。――王城で聞いてしまった声が、耳に蘇る。
(同じ人かは、分からないけど……)
どちらにせよ、彼女はリオに良い印象を持っていない。何もできないくせにアルトに恋をするなんて、なんて身の程知らずなのか、と。そう嘲笑われているようで、リオの表情が翳った。
リオは人の悪意について、少しは知っていたけれど。傷付くことも、傷付けることも得意ではない。まして、リオという存在に不快を感じているらしい相手に、咄嗟に返せる言葉も見つからなかった。
言い返す気配もないその打ちひしがれた姿を見て、その女性はますますリオを侮ったようだ。さらに重ねられようとした、冷たい敵意の言葉が――大きな悲鳴にかき消される。
「きゃあっ!!」
その尋常ならざる悲鳴に、リオが顔を上げた先で、先日出会った緑髪の少女が尻もちをついて悲鳴を上げていた。
信じられないものを見る目をした少女の目前で、見る間に救護テントが持ち上がり。大地に固定されていた杭が抜ける。
ずん、と。大地が揺れた。
(え?)
リオの視界が影に覆われ、ふっと全体的に薄暗くなる。
その影の、主体――大地に大穴を開け、テントを押し退けながら、地上に顔を覗かせたその魔獣の――見たこともない巨体に。驚いたリオは、大きな混乱と困惑に足を止めてしまった。
それは魔法使いたちも同様であったようで、誰一人動くことができずにいる間に、魔獣が顔を出した周辺の大地が蟻地獄のように渦を成す。地中に引きずり込まれそうになってますます大きな悲鳴を上げる少女の声に、ハッと我を取り戻したリオは、後先も考えずに彼女の元へ駆け寄った。
「こっちへ……!」
崩れた地面に脚を取られた少女に懸命に手を伸ばせば、緑色の瞳が大きく見開かれる。
リオを見ては、腰を抜かしていてばかりいた彼女だが、流石に今は恐怖が勝ったらしい。握り締めてくれた手を離さずに、思い切って強く引けば、まだ崩れていない地面に尻もちを付くことが出来た。
「いたっ」
「っ! あっ、あ、ありがとう、ございま……っ」
「まだ、崩れるから。向こうに走って!」
上擦った声のお礼を途中で遮ると、リオは尻もちを付いたままそう告げて、少女の背中を押した。はい! と。こんな時でも元気のいい返事に心和んだのも束の間のこと。
ずずん、と。続いた地響きの、次の瞬間には大地が傾ぐように傾く。リオの足元にも亀裂が走って地盤が沈み、大きく体が傾いた。
「……っ!?」
リオが慌ててその場に立ち上がるのと、足元の土が盛り上がるのが、ほぼ同時だった。
直後、真下から突き上げられて、リオの体が宙に浮く。
「ひゃっ!?」
現状の把握も追いつかない勢いで、リオの体はそのまま放り投げられた。視界いっぱいに広がる青い空を目に映しながら、妙に冴えた耳は翡翠の瞳の少女の鋭い悲鳴を聞き分けた。
高く高く、放り投げられたのだと悟った所で、今更できることなんてない。だが怪我をするにしても、できるだけ軽く済んでほしい、と。そう控えめに祈ったリオは、せめて頭を庇い込む。衝撃を覚悟して固く目を瞑り、地面と体が接触する――寸前に。ふわりと、柔らかな花びらのようなものに包み取られた。
直後、カシャンと胸元で鳴った音に瞳を開ければ、服につけていた小花のブローチが粉々に砕け散っていた。
「エルドラのお守り……!」
――離れていても、あなたをお守りできますように、と。願ってくれた、少年姿の侍従がくれた魔法のお守り。その言葉の通りにリオを守ってくれたらしいそのブローチの無惨な姿に、悲しみを覚えることができたのも一瞬のこと。感傷に耽る間もなく迫りくる地響きに、リオは慌てて周囲を見渡した。
足元から大きく弾き飛ばされたことで、陣営の外まで弾き出されてしまったようだ。まだ内側に魔物は残っているようで、そこかしこから砂煙と取り乱した声が上がっている。
離れた場所からもはっきりと目視できるほど、どの魔獣もかなりの巨体ではあったものの。リオを跳ね上げた勢いでこちらへ迫り来る魔獣の異常なほどの巨体は、遠目に見てもハッキリと判るほどに明らかだった。
(モグラみたいだったけど)
土中を移動するめくらの獣。リオの知っているその獣は、リオの手にも乗る程度の大きさだったけれど、先程土から顔を出した魔獣はそれこそ竜のような巨躯をしていた。
魔獣とは、体内に貯めた魔力の量だけ、その身体を膨れ上がらせる生き物の総称だ。放置すれば、著しく土地の生態を損なう元凶となる彼らだが。適正な大きさに留めることができれば、野生に生きる獣とさしたる違いはない。
あそこまでの巨体になっているという事実そのものが、大変な危険信号ではあるのだが。幸か不幸か、その常識を知らなかったリオは。魔法使いたちが抱いた危機感よりは幾分軽い気持ちで、よしっと。気合を入れて立ち上がった。
「妃殿下ー!?」
お戻りください!! と。全身全霊で叫びながらこちらに駆け寄ろうとしている、緑髪の少女を筆頭にした魔法使いたちには申し訳ないが、彼女たちは元々、今日は休息が必要だった人たちなのだ。無理はさせられない。
エルドラのお守りは壊れてしまったが、キアラが縫ってくれた服も、オリガが編んでくれた靴も。アルトが捧げてくれた銀の髪飾りも、まだリオを守ってくれている。
(大きいから、どこにいるかはすぐ判るし)
とりあえずはリオに狙いを定めているらしい魔獣は、最初の印象通り、目に当たる部分は退化しているようだった。
何しろサイズが規格外に大きいので、広範囲の大地が大変なことになってはいるが、巨躯の生き物は動きが鈍いと言うのが鉄板だ。実際リオが目視した限りでは、絶望を感じるほどの速さを持っているというわけではなさそうだった。
「――こっちだよ!」
めくらの魔獣が、何を頼りに自分を追っているのか解らなかったリオは、ものは試しと大声で叫んでから駆け出した。
その行為が功を奏したのかも不明だが、ひとまず地面の盛り上がりは真っ直ぐリオの方へと向かってくる。背後の少女の悲鳴が大きくなったことについては心から申し訳ないが、狙い通りではあったリオは、開けた周囲に視線を配った。
(アルトくんのところまで行ければ……!)
リオの故郷とは、比べ物にならないほどの大国であるパルミールの広大な領土の、全ての地理まで把握できているわけではなかったけれど。読書が得意なリオは、地図を読むことも得意だった。
無理に遠征についてきた甲斐はあって、この辺りの地形は把握している。どこを中心に、危険な魔獣が蔓延っているのかも。――今日、アルトたちが、どの辺りにいるのかも。
正確な場所は流石に解らないが、逆にこれだけ派手に暴れてくれるなら好都合だ。同じエリアに入ることさえできれば、きっと異常を察知して駆け付けてくれることだろう。
「わ……っ、と、っと」
魔獣が移動する限り、地面の揺れはなくなってくれそうにない。
絶えず波打つ地面とひび割れる大地に、うっかり足を取られることだけはないようにと注意しながら。リオは遠くに微かに目視できる森をひとまずの目的地に定めて、爪先を向けた。
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