【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

文字の大きさ
上 下
72 / 80
番外編1(新婚旅行編)

10#

しおりを挟む
 だめと繰り返す間にも、肌を這う指は容赦なく快楽を身体に刷り込み続ける。膨れて濡れた乳首をすりすりと撫で擦られる刺激を受けて、肉膣が切なさに疼いてきゅうきゅうと雄のペニスを締め付けた。

「あっ、あっ♡ ああっ♡」

 気持ちのよさに流されて、何をしてもいいからと強請ってしまいそうになる。いつでも貫いてもらえるようにと、柔らかく蕩けて準備を整えている最奥は、どうしてまだ受け入れることができないのかとジュゼを責めるようにじりじりと爛れ、甘く疼きながら胎の底を焦がした。
 耳元で名前を囁かれ、ちゅうちゅうと首筋を吸われて、極まった身体がぶるぶると震えて限界を訴える。それでもまだ頷かないジュゼの耳を責めながら、駄目ですか? と。甘い声で問うレーヴェを振り向きながら、だって、と。ジュゼは甘えた声を漏らした。

「だ、だって、だっ……あぁっ♡ そ、そこは、赤……赤ちゃ、できちゃう……っ♡ だめ、今日は……♡」

 自分だけを愛して抱いて欲しいと、強請ったジュゼの甘ったるい声を聞いて、意外そうに瞬いたレーヴェがくすくすと笑う。本格的に圧し掛かってきた身体に押さえ込まれながら、結腸の入り口をくじられて、ジュゼの唇から獣の呻きが零れた。

「一番初めに言いませんでしたか? ふふ、あなたが欲しいと思ってくれなければ、赤ちゃんはできないんですよ」
「ふ、あ……? あっ♡ んん、んおっ♡ おっ‼ お、ぐぅ……っ♡♡♡」

 ぬちぬちと重い音を立てながら、逞しい亀頭は結腸の肉輪をぐいぐいと押し上げながら激しく責め立てて来る。
 レーヴェが言っている言葉の意味を、すでに半分も以理解することが出来なくなっているジュゼの耳に毒を流し込むように、掠めるだけで蕩けてしまいそうな甘い吐息混じりの声で囁きを吹き込んだ。

「ええ、だから。……あなたが、私だけが欲しいと。快楽だけに溺れたいと、そう素直に思ってくれるのなら」
「ふぁ、ああっ♡ あっ、そんっ……ふぁっ♡ んん、ん♡」

 とろん、と。涙に濡れた青い瞳が熱に蕩ける。抵抗を示すようにシーツに立てられていた爪から力が抜け、かくりと首が折れて可愛らしい顔がシーツに埋まった。服従を示すように差し出されたままの尻はとろとろに蕩けていて、あんあんと気持ちよさそうな声ばかりを響かせるジュゼの様子を映した魔性の赤い瞳に、蕩けるような微笑みを浮かぶ。

「いれます、ねっ」
「ひぎっ……⁉ あぁああ~~~っ‼ んあぁ……っ♡」

 がぽん、と。何度聞いても慣れることのない、鈍い音が薄い腹の奥で鳴り響いた。
 脳天を突き抜ける快感は、ジュゼの快楽の許容量をとうに遥かに超えている。上手く呼吸もできなくなって、はくはくと口を動かしながら白目を剥いてしまいそうなジュゼの身体をガッチリと押さえつけ直すと、レーヴェは奥を容赦なく穿った。

「まっ♡ とま……っ♡ んん、ぁおっ♡ ひあぁっ♡♡」
「ああ、お尻をこんなに震わせて……ふふ、気持ちいいですね……♡」
「きっ、きも、よしゅぎてっ♡ ひあっ♡ あんっ♡ こ、こんなの、イくっ♡♡♡」

 飛んでしまいそうなほど、気持ちがいい。ジュゼは、激しい律動に合わせて、自ら腰を振っていることにも気付けないでいた。
 どんなに口で限界を訴えたとしても、あからさまに感じ入り、誘うような仕草をしていれば止めてくれるはずは無い。びっしりと禍々しい血管の浮いた妖魔の肉槍は、ジュゼの肉筒をみっちりと埋め尽くしながら奥をぐいぐいと抉じ開けている。少しずらしただけで脱がされてもいない下着はこれまでに垂れ流した愛液や潮でびしょびしょに濡れ、最早水分を吸うことのできないそれを伝って、ジュゼの体液がぼたぼたと寝台に垂れた。
 とろとろと香る、伴侶の体液の甘い香りに、瞳をギラギラと輝かせたレーヴェは体勢を変えてジュゼを仰向けにさせる。深く挿入されたまま身体を回されて、裏返った嬌声を上げたジュゼの秘部を覆っていた下着を引き千切って寝台に放ると、ばちゅばちゅと音を立てながら容赦なく責め立てていった。

「んぅっ♡ あっ♡ あぁっ♡ レーヴェ、えぅっ♡ あっ! ぅあ、あぁあっ♡♡♡」
「またイきそうですか? いいですよ、何度でも気持ちよくなって……♡」
「レーヴェのっ♡ きもち♡ あぁっ……♡ ひっ♡ あっ、だめ、だめっ! お腹、だめになっちゃうぅ……‼ あぁっ、いく♡ いくいくっ♡♡♡」

 ジュゼの脳はもう、快楽でぐずぐずに蕩けきっている。普段は慎ましく恥ずかしがりやな唇からは、最早はしたない言葉と喘ぎしか発せなくなっていた。
 愛されて嬉しいと、甘く悦ぶ泣き声を止めどなく漏らす声がふと、追い詰められたような響きを帯びて。上手く持ち上がらない腕が、腹の上に垂れて愛液を滴らせる花芯を震えながら覆い隠した。

「や、やぁ……っ♡ もれちゃうっ♡ とめて……っ♡」
「ふふ、大丈夫ですよ。漏らしてしまうところも、隠さないで……♡」

 ぐい、と。腕を寝台に縫い付けられて、余すことなく淫らな姿を晒したジュゼが興奮に乱れた呼吸を荒げながら喉を反らせる。とうに限界だった身体が羞恥に止めを刺されてびくんと大きく震え、高い悲鳴が零れた。

「あ、あぁっ♡ でちゃ、あぁ、あ――‼」

 ちかちかと目の前がスパークすると同時に、尿道を駆け上がった熱い液体が、先端からぶしゃっと噴き出した。何度か断続的に噴き上がった透明な潮が、やがてしょろしょろと力なく溢れてジュゼの火照った身体を淫らに濡らしていく。レーヴェはその光景を、熱っぽい瞳で静かに見つめていた。
 仰け反って浮いた背が、しばしの間を置いて再び力なく寝台に沈む。背中を濡らした汗がシーツに吸い込まれる感触にまで感じ入りながら呼吸を整えていると、潮を噴いている間は奥に留まっていたペニスを、ゆっくりと揺さぶられて鼻に甘い吐息が抜けた。

「ね、ジュゼ。あなたの大切なところが、どれほど私を優しく抱き締めていてくれるか、解りますか?」
「んあ♡ あ、あ……っ♡」

 とろとろと、粘る精液に濡れたその穴の縁には淫らな媚肉が花開いていて、長年の交わりの証のようにすっかり縦に割れてくぱくぱと収縮している。レーヴェが縁に指を這わせるだけで、健気に内側から開こうとしてみせるその尻穴の隠微な様を感じて震える吐息をこぼせば、レーヴェはうっとりとした声を耳に囁いた。

「そのまま、感じていてくださいね……♡ こうして、私が出て行くと」
「うあ♡ あ、あ、あ♡ あふ、はふ、はぁう……っ♡」

 ゆっくりと腰が引かれると、絶頂したばかりで力の抜けていた襞が、出ていかないで、とでもいうようにしゃぶりつく。あまりにも必死に粘膜が蠢く衝撃に、息苦しくもがいたジュゼの身体を抱き締めながら、引き抜く動きを止めたレーヴェが甘い声で囁き笑った。

「大丈夫ですよ。まだ抜きませんから、ね?」
「っ♡ うん……♡」

 慰めるようにそんなことを言われて、頬は羞恥に染まったが、抜いて欲しくないのは偽りのない本心なので頷くことしかできない。
 尻穴に深々と突き込まれた男根は、そう言えばいつから抜かれていないのだろう。すでに己の身体の一部であるかのように貪欲に奥へ奥へと飲み込みながら、無数の襞が愛し気に絡みついて甘え、最奥の口でちゅぷんちゅぷんと口付けるようにして歓待を捧げることを止められない。

「ふふ……あなたの中は、気持ちいいですね」
「はぁっ♡ んっ♡ あぁっ、ふか、いぃっ♡」

 ゆっくりと見せつけるように挿入し、突き当りにこちゅん、と。亀頭を優しくぶつけられると、それだけでジュゼはイってしまう。そのままぐりぐりと最奥を揺さぶられて、押し出されるような嬌声が漏れた。
 じゅぷん、ごぷん、と。重い音を立てながら結腸の肉輪をほじられると、脳まで犯されるような快楽に嬌声が濁る。喉に絡む獣声を上げながら足先までピンと伸ばして感じ入っていると、やがて動きは激しくなり、尻に肉のぶつかる高い音と、胎の奥を犯される粘った水音が繰り返して響いた。
 容赦なく振られる腰は、ジュゼの入り口から結腸までを雄々しいペニスで擦り上げていく。尻穴全体が敏感な性感帯となっているジュゼは、そんなことをされたらひとたまりもない。ひっきりなしに頂点を極めて尻穴を締めつければ、突き込まれ続ける肉槍に絡みついた肉は縁を伸ばしていやらしく吸い付き、ますます淫らにふっくらと盛り上がった。

「ふぎゅっ‼ あっ、がっ‼ あああぁっ♡♡♡ あっ、おぉっ♡ ふぁあっ♡♡♡」

 いつイっているのかももう解らず、イくと訴える余裕もなく、長く尾を引く余韻に浸っている暇さえない。快楽の上限はとうに超えているのに、優しくゆっくりと、日数をかけて拓かれた体は貪婪に雄を受け入れて喰い締め、ジュゼを夢の中に逃がす手伝いさえしてくれなかった。
 勝手に逃げてしまいそうになる身体を捕まえるように、ジュゼの濡れた背中にレーヴェの美しい手指が絡む。彼と触れ合う肌の全てが気持ちよくて、ジュゼもガクガクと震えながらその背にまだ回り切らない細い腕を絡めた。

「っ、ああ、可愛い人……♡ ジュゼ、出していいですか? 一番奥に、全部……♡」
「あっ、いいっ、いい……っ♡ だ、だして、だし……っ♡♡ うぁっ♡ 奥に、レーヴェのっ♡ あぁっ♡ ちょうだい……‼」

 今なら――全部、独り占めできると。欲深いことを考えたジュゼは、それを恥と思う余裕もなく脚を丸め、レーヴェの腰にぎゅっと強く絡みつかせた。
 一滴もこぼしたくないとばかりにきつく絡んだ脚の感触に、猛ったレーヴェが無防備に晒された首に牙を立てた。その痛みさえ快感に変わるようで、びくびくと肉壁が蠢き、膣がきゅうぅと締まる。一際奥まではめ込まれ、ぴったりと押し付けられたペニスが遂情し、身の内を焼き焦がすような熱い精液がたっぷりと放たれた。
 どくどく、と。脈打つそれの雄々しさを感じながら、ジュゼは堪らず喘ぐような声を漏らして腰をくねらせる。

「ぁ、う……♡ あ、あ……♡♡」

 寝台に仰向けに縫い付けられて、レーヴェのペニスを根元まで受け入れたジュゼの身体はピクピクと小刻みに痙攣していた。当たり前のように結腸を越えた場所で熱を放ったペニスは、動かなくても壮絶な圧迫感と快感をジュゼに与えていた。
 尻穴の収縮がペニスを締め付け、その刺激でイってしまった粘膜がまたペニスをきつく締めつけ頂点を極める。終わることない絶頂のループに入り込んでしまったジュゼは、腹の上に萎れたままの花芯から愛液を垂れ流しながら、至上の快楽に酔ってうっとりとしていた。
 時折レーヴェが軽く腰を揺するだけで、大げさに体を震わせてイくジュゼは、既に意識も朦朧としている。レーヴェは更に精液を奥へ塗りつけるように数度ぬちぬちと腰を揺らしてから、震える唇に優しく甘い口付けを落として微笑んだ。

「気持ちよかったですね……♡」
「ん……う、ん……♡」

 夢見心地に答えれば、まるで甘えるように吸い付いてくる唇がとろりと舌を絡ませてくる。
 与えられる甘露を受け入れながら幸福に浸るジュゼの内側を押し広げるように、熱を放ったばかりのペニスが再び首をもたげるのを誰よりも近くで感じ取って。ジュゼは何度でも心と身体を満たしてくれる夫に蕩けた眼差しを注ぎながら、力の抜けた手足をもう一度しっかりと絡みつかせた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...