【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

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第三章(出産編)

3-15#(了)

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 与えられた官能にぐねぐねとうねる粘膜を轢き慣らしながら、あくまでもゆったりと奥へ侵入するレーヴェのペニスは、ジュゼの弱点を的確に押し潰し、抉りながら進んでいった。ぴたり、と。股と股とが触れ合って重なり、彼の全てを受け入れたのだと理解したジュゼは、股に張り付く陰毛の感触にまで感じ入ってあえかな呻きを漏らす。
 雄に屈服し、全てを明け渡した雌の姿を、レーヴェはぎらついた瞳でじっと見つめていた。愛しい愛しいと、庇護するばかりではない、獲物を食い荒らす直前の獣のような荒々しさを秘めた悪魔の眼差しに貫かれて。その衝動のままに貪り尽くして欲しいと、望んでしまったジュゼの身体が理性の支配を振り切って絶頂した。

「あっ、ぁ~~~♡♡♡ あっ、あぁっ‼ イっ……あああぁっ♡♡♡」
「ん、ふふ♡ 何もしてないのに、イっちゃいましたか? ああ、顔をそんなに蕩けさせて……可愛い人。あなたは奥がお好きですから、たくさん突いてあげますね」
「はぐ……っ‼ あっ♡ あおっ♡♡ お♡ おっ♡ やっ♡ やめっ♡ ふぁっ♡ んああっ♡♡♡」
「ふふ、ジュゼの大事な場所。赤ちゃんのお部屋。今は全部、私のものですね……」

 掴んだ足首ごとジュゼの手をシーツに押し付け、体を前に倒したレーヴェが腰を振り始める。張り出した亀頭を弁にひっかけるようにされると、いとも簡単に結腸を開かれた。
 慎ましく閉じていた口はジュゼの胎の中で淫らに肉槍に吸い付き、グパグパとはしたない音を立ててジュゼを狂わせる。結腸口だけを狙うように深い場所で抜き差しを繰り返されて、気が狂いそうな快楽に押し流されたジュゼは獣の嬌声を上げながら仰け反った。
 もはや瞳の焦点を合わせることさえできず、痙攣するばかりのジュゼを抱きしめたレーヴェはそれでも容赦せず、ジュゼが意味ある言葉を何も喋れなくなるまで結腸口を往復して責め立てる。

「可愛い、可愛い♡ 大好きですよ、ジュゼ。可愛い可愛い、愛しい方。もっともっと、乱れて見せて」
「んおっ♡ はあぁっ♡ あっ、あぐっ♡ ふっ♡ あ~~~‼♡」

 耳に愛の囁きを吹き込まれる度に、尻穴を締め付けて喜ぶジュゼが可愛くて仕方のないレーヴェは、自分が与える快楽にどこまでもだらしない体になるように、一層熱を込めて腰を振った。
 ぴったりと身体を重ね合わせ、逞しい胸元に顔を押し付けるように抱き込まれたジュゼは呼吸もままならず、辛うじて息を吸い込む度に、濃厚な雄のフェロモンを肺に満たして悶え狂う。息苦しさも厭わずに広い背に細い腕を絡ませ、奥を一突きされる度に絶頂する身体を余すことなく明け渡して雄に媚び縋った。

(ああ、ああ、あああああっ♡ すご、すごい♡ もう、わかんな……♡)

 終わらない絶頂に、脚をぴんと天に突き上げたまま。意識を飛ばしかけているジュゼに、熱心に口付けを繰り返していたレーヴェは、快楽に濡れて涙をこぼす瞳をそっと覗き込む。いよいよ何も解らなくなってきている様子の虚ろな瞳を熱の籠った瞳で見つめて、そっと耳に囁きを落とした。

「可愛い人。本当に、可愛い……♡ 大好きですよ、ジュゼ。私があなたを思うのと同じくらい、あなたにも、私に夢中になってもらいますからね……♡」

 恐ろしさを感じるほどに美しい笑顔をジュゼ一人に向けながら、呪いのような愛を脳にも体にも刻み込む。
 夢魔の愛は、執着は。悪魔の中でも随一に――暗く、深い。一度捕らえた花嫁は、身体も心も魂も、永遠に寄り添わせなければ我慢がならない。これほど愛されているということを知らないジュゼは、己を羽交い絞めにする妖魔の腕に、訳も解らず頭を擦り寄せながら喘ぎ続けた。
 注がれる愛に溺れた脳内を、快楽を訴える白い火花が塗り潰して。ガクガクと痙攣しながら限界を訴えるジュゼの身体を深くイかせるために、膣壁の凹凸を余すことなく引っ掻きながら往復する。じゅぶじゅぶと弱い所を狙って何度も突き上げられて、ジュゼは堪らず高い声を上げた。

「あーっ‼ あっ、アッ、あぁああー――っ♡」

 何度目かの絶頂は、一際強烈なものだった。内壁が大きく収縮し、陰茎をぎゅううと搾り上げるような締め付けに、レーヴェも耐え切れずに低く呻いた。

「ジュゼ……っ!」

 迫り上がる熱を弾けさせ、レーヴェは本能のままに腰を突き出した。ズンッと最奥を突き上げ、しっかりと結合したまま、一際濃厚な精液を胎内にたっぷりと注ぎ込む。

「はぁ、はあぁっ……♡ んっ、んっ、ふぁあ……♡」

 息も絶え絶えに喘ぎながら、ジュゼはうっとりと幸福に酔い痴れた。愛する伴侶に種を付けられる、この上ない悦楽に脳を侵されて、ずっと快感の波が引かない。
 レーヴェの精を搾り取るための柔らかな蜜壺。穴のふちを赤く色付かせ、胎を収縮させながら、最後の一滴までちゅくちゅくと吸い取る。雌としての喜びをこれでもかと与えられたジュゼの性器は、ヒクヒクと痙攣しながら、ぴしゃ、ぷしゃっ、と。力なく断続的に潮を噴いていた。

「ァ、はぁ、あぁん……♡」

 ヒクヒクと震えながら、ジュゼはうっとりと絶頂の余韻に浸る。本人もまだ無自覚だが、ジュゼの体はすっかりレーヴェの専用に作り変わっていた。身も心もとろとろに熟し、ただ一人に愛されるための存在に。
 レーヴェにはそんなジュゼが、何にも代え難く可愛く愛しい。意味のない声の切れ端を唇からこぼして喘ぐジュゼを抱き寄せ、優しくねぎらいのキスをしながら、精液で満たされた胎の中をゆっくりと掻き回す。もはや声もなく、仰け反って切れ切れの息をこぼすジュゼの唇を貪りながら、レーヴェは甘く微笑んだ。

「愛していますよ、ジュゼ」

 この魂が朽ちるまで、永遠に。耳に囁かれた愛の甘さと、内でも外でも全身に感じる逞しい雄の肉体に。瞳の焦点を飛ばしたジュゼは、そのままくたりと意識を手放した。
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