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第三章(出産編)
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磨き上げられた窓枠の見事な意匠を眺めつつ、屋敷の主の帰りを寂しく待つ花瓶の曲線を指先で愛でていたフォンテーヌが、ノックの音に顔を上げる。
失礼いたします、と。礼儀正しく一礼しながら部屋に足を踏み入れ、恭しく跪いて首を垂れたシエラに、青い眼差しを向けて微笑んだ。
「終わった?」
小首を傾げる黒衣の女王に、改めて深々と頭を下げたシエラが是を答えれば、フォンテーヌは待ち侘びたように立ち上がる。麗しの女王のために用意された椅子は微かに軋むこともなく、その衝撃を柔らかく受け止めた。
ささやかな緊張を浮かべる背中に導かれるまま、足取り軽く別室へと移動したフォンテーヌは、披露されたその部屋の様子に感嘆の吐息を漏らす。白い指先を組み合わせ、嬉しそうに微笑む様は、まるで未だ年若い少女のようで。それでも、その全身から溢れる気品とその仕草は、不思議と釣り合いが取れていた。
壁際に控えて頭を垂れる夢魔の使用人たちに運び入れてもらった、統一感のある家具の数々。フォンテーヌが訪れた朝には、ただ広いばかりであった殺風景な部屋の様子は一変していた。新婚の義弟夫婦のために、彼女が彼女の夫と選んだ特製の家具たちはその見目も華やかで、イメージ通りの光景に満足した女王は、夢魔たちにねぎらいの微笑みを向けた。
「たくさんあって、重かったでしょう? お疲れ様」
「いいえ。素晴らしい家具の数々を頂きまして……我ら一同、陛下のご厚情に、深く感謝申し上げます」
夢魔の一族の現当主が、人間の花嫁を迎えに屋敷を出てから、間もなく三月。順調に時が満ちていれば、一人目の子が生まれ出る頃合いだった。
悪魔たちに、女神の気配への耐性をもたらしてくれるカンビオンの誕生は、魔界の存続に関わる重要事項――で、あると同時に。フォンテーヌの視線に立てば、初めての甥か姪の誕生だった。あまりに浮かれはしゃいでは、面白く思わない悪魔もいるだろうが、身内に家具を送るくらいの贔屓は許されたい。
子供が生まれて、歩けるようになれば、親の部屋にも来たがることだろう。角はできる限り丸くするようにと依頼した通りの家具の滑らかな曲線を指で撫でながら、女王はまだ見ぬ人の子に思いを馳せて微笑んだ。
「気に入ってもらえたら嬉しいわ。……ふふ、あの子の花嫁はどんな子なのかしら」
楽しみね、と。同意を求めれば、夢魔たちは礼儀正しく頭を垂れる。高位悪魔の屋敷に勤める者として、常に冷静に、厳粛たれと教育されている彼や彼女も、当主の婚姻という慶事にあって喜色を隠すことは不可能であるらしい。この魔界に並びなき魔王への敬意を保ちながらも、どこか浮かれたような気配は、以前屋敷を訪れた時よりも高まっていた。
夢魔の一族の現当主、レーヴェ・ヴァルフォーレは、王配であるフランメの末の弟だ。フォンテーヌがフランメの花嫁となった百年の昔には、まだ幼く愛らしい見目の少年だった。
姉の花嫁を心から歓迎し、祝ってくれた彼は、フォンテーヌにとっても可愛い弟だ。彼の花嫁となる人の子には、フォンテーヌも心からの祝福を注いであげたいと思っている。
(何より……共に、夢魔の、花嫁であるのだから)
閨の困惑も――幸福も。真に分かち合えるのは、花嫁同士だけだ。此度の花嫁は男の子だと言うから、最初は恥ずかしがってしまうかもしれないけれど。照れて恥ずかしがるその子から、甘い夜の話を聞き出すことができたなら、それはどんなに楽しいだろう。
まだ茫洋とした空想に笑みを浮かべる女王の背後で扉が開き、夢魔たちが一斉に気を引き締めた様子で礼を取った。途端に部屋に走る緊張とは無縁の様子で振り向いたフォンテーヌは、瞳に映った愛しい夫の姿に微笑んで、軽やかな足取りで走り寄る。
「お帰りなさい、フランメ」
「楽しそうですね」
ええ、とても、と。無邪気に口にしようとしたフォンテーヌは、夫の背後に控える品の良い老爺の姿に気付いて目を見張った。
「トリスタン」
「お久しゅうございます、魔王陛下。先日はお二方の突然のお越しに、若い者が取り乱しましたそうで」
大変失礼をいたしました、と。一礼をする姿には気品と張りがあり、その健やかな姿を嬉しく思ったフォンテーヌは、フランメの腕に寄り添いながら淑女の返礼を捧げた。魔界に在って、魔王は他の何者にも礼を取る必要がないが、彼は特別だ。
ヴァルフォーレの屋敷の正執事である彼は古参の使用人で、嫁いだばかりのフォンテーヌにも大層良くしてくれたものだった。彼の妻も人間で――そして、と。脳裏に過った惨劇の記憶に、フォンテーヌが眼差しに翳りを浮かべれば、彼はますます柔らかく微笑んで見せた。
「長らくお暇を頂いておりましたが、若様の初子とあらば、私が取り上げないわけには参りますまいと」
「いつまでも若様と呼ばれるあれも哀れだがな」
「畏れながら、フランメ様も。私には永遠のお嬢様でございます」
お嬢様、と。その呼称に、思わず笑いがこぼれてしまう。こぼれた吐息を慌てて手のひらで抑えれば、どうぞ笑顔のままで、と。老執事は恭しく跪いて頭を垂れた。
「慈悲深き陛下の御代に幸いを。……そして、猛く麗しき、我らが王配殿下。あの暗黒の時代、我らに憎悪を向けし狂王に、貴女様が言い放ってくださったお言葉を。我らは永遠にお忘れしません」
その残虐を強いるなら――御身は御身の百軍に、単騎で勝る将を敵にするだろうと。その言葉の通りに、魔界一を謳われた女傑はかつて、人の世の勇者と共に、狂王の首を刈り取ったのだった。
先代魔王に敵対した、フランメの血統にもたらされた光耐性は、その機会に付与されたおまけのようなものだったが。結局は今、その血が魔界の命運を握っているのだから、全て承知の上とばかりの動きを見せる女神が多少疎ましくはある。けれど、平和な世を築くための布石とあらば、フォンテーヌとて是非はない。少なくとも、フォンテーヌがこの地を収める限りは。人との紛争など、まして、悪魔同士の殺戮なんて。
(あんな思いは、二度としないわ)
だが事実として、現在の魔界において、弟夫婦は完全に安泰とは言い難かった。彼らに頼らねば、己の血統を繋げる可能性が著しく低下する以上、短慮を起こす悪魔は少なかろうとは思えども。カンビオンが百人生まれた後も、己らに順番が回って来ないとなれば、狂う悪魔もいることだろう。
それでも、夢魔の一族は、求められた端から適当に婚約をさせればいいというものでもない。運命と呼べば夢見がちだが――その実根底にあるものは、魂のレベルまで根深い、相性の問題なのだから。
「こちらの布は、陛下の御郷のものでしょうか」
大変美しいですね、と。話題を変えてくれた老執事に柔らかな笑顔を向けて、ええ、と。フォンテーヌは頷いた。
絨毯にカーテン。果てはベッドのシーツから天蓋の帳に至るまで、布には全て水魔の護法術を練り込んである。
癒しの術と結界の術に長けた水魔の一族は、フォンテーヌの血族だ。夢魔の特性に従って、フォンテーヌがフランメとの間に産む子は、皆水魔の血族として生まれる。魔王の御子と番える可能性のある水魔の一族は元より長寿で温和な気質で、水底に暮らせば大気の汚染も然程関係ないこともあってか、今この時世にあってものんびりしたものだった。
「この程度の守護では、実戦にあっては気休め程度かもしれないけれど」
「水魔の一族は堅牢の一族。たとえフランメ様の炎でも、容易く通しはしないことでしょう」
まして陛下のご厚情の証とあれば、と。笑うトリスタンに、敵に私を想定するなと憮然として呟いたフランメが、ふと優しい瞳で微笑んだ。
「……奥方は息災だろうか」
「ええ。我が子を失った悲しみは癒えませんが……それでも、若様の子の誕生を待ち侘びておりますよ」
勿論、お嬢様方の三人目の御子も、と。トリスタンの遠慮のない言動に、若い使用人らはハラハラと落ち着かない素振りを見せたが、何しろ三代に渡ってヴァルフォーレに仕えている古参の執事だ。暗黒の時代も生き延びた彼の妻は赤子の扱いが上手く、今日は王城に残してきたフォンテーヌの子らも、よくあやしてもらったものだった。
水魔の子は成長が遅いので、まだまだ幼子の年頃だ。また今度、改めて構ってもらいに連れて来ようと思いつつ、そう言えば、と。フォンテーヌはフランメを振り仰ぐ。
「産婆は送らなくていいのかしら?」
「打診はしましたが、不要だそうです」
初めての子とあれば不安なのでは、と。そう思い至ったフォンテーヌの問いには、簡潔な返答がある。多少意外に思ったフォンテーヌが瞬くと、フランメは小さく苦笑した。
「……誰にも見せたくないそうなので」
「あら、まあ」
柔らかな風貌の義弟は、思いの外独占欲が強いようだ。
彼女の弟なのだから、まあそうか、と。自身の初めてのお産のことも思い出しながら、魔界が落ち着くまではと延期になっている三人目の子作りに思いを馳せてしまったフォンテーヌは、美しい夫のたおやかな腕に腕を絡めてとろりと微笑んだ。
失礼いたします、と。礼儀正しく一礼しながら部屋に足を踏み入れ、恭しく跪いて首を垂れたシエラに、青い眼差しを向けて微笑んだ。
「終わった?」
小首を傾げる黒衣の女王に、改めて深々と頭を下げたシエラが是を答えれば、フォンテーヌは待ち侘びたように立ち上がる。麗しの女王のために用意された椅子は微かに軋むこともなく、その衝撃を柔らかく受け止めた。
ささやかな緊張を浮かべる背中に導かれるまま、足取り軽く別室へと移動したフォンテーヌは、披露されたその部屋の様子に感嘆の吐息を漏らす。白い指先を組み合わせ、嬉しそうに微笑む様は、まるで未だ年若い少女のようで。それでも、その全身から溢れる気品とその仕草は、不思議と釣り合いが取れていた。
壁際に控えて頭を垂れる夢魔の使用人たちに運び入れてもらった、統一感のある家具の数々。フォンテーヌが訪れた朝には、ただ広いばかりであった殺風景な部屋の様子は一変していた。新婚の義弟夫婦のために、彼女が彼女の夫と選んだ特製の家具たちはその見目も華やかで、イメージ通りの光景に満足した女王は、夢魔たちにねぎらいの微笑みを向けた。
「たくさんあって、重かったでしょう? お疲れ様」
「いいえ。素晴らしい家具の数々を頂きまして……我ら一同、陛下のご厚情に、深く感謝申し上げます」
夢魔の一族の現当主が、人間の花嫁を迎えに屋敷を出てから、間もなく三月。順調に時が満ちていれば、一人目の子が生まれ出る頃合いだった。
悪魔たちに、女神の気配への耐性をもたらしてくれるカンビオンの誕生は、魔界の存続に関わる重要事項――で、あると同時に。フォンテーヌの視線に立てば、初めての甥か姪の誕生だった。あまりに浮かれはしゃいでは、面白く思わない悪魔もいるだろうが、身内に家具を送るくらいの贔屓は許されたい。
子供が生まれて、歩けるようになれば、親の部屋にも来たがることだろう。角はできる限り丸くするようにと依頼した通りの家具の滑らかな曲線を指で撫でながら、女王はまだ見ぬ人の子に思いを馳せて微笑んだ。
「気に入ってもらえたら嬉しいわ。……ふふ、あの子の花嫁はどんな子なのかしら」
楽しみね、と。同意を求めれば、夢魔たちは礼儀正しく頭を垂れる。高位悪魔の屋敷に勤める者として、常に冷静に、厳粛たれと教育されている彼や彼女も、当主の婚姻という慶事にあって喜色を隠すことは不可能であるらしい。この魔界に並びなき魔王への敬意を保ちながらも、どこか浮かれたような気配は、以前屋敷を訪れた時よりも高まっていた。
夢魔の一族の現当主、レーヴェ・ヴァルフォーレは、王配であるフランメの末の弟だ。フォンテーヌがフランメの花嫁となった百年の昔には、まだ幼く愛らしい見目の少年だった。
姉の花嫁を心から歓迎し、祝ってくれた彼は、フォンテーヌにとっても可愛い弟だ。彼の花嫁となる人の子には、フォンテーヌも心からの祝福を注いであげたいと思っている。
(何より……共に、夢魔の、花嫁であるのだから)
閨の困惑も――幸福も。真に分かち合えるのは、花嫁同士だけだ。此度の花嫁は男の子だと言うから、最初は恥ずかしがってしまうかもしれないけれど。照れて恥ずかしがるその子から、甘い夜の話を聞き出すことができたなら、それはどんなに楽しいだろう。
まだ茫洋とした空想に笑みを浮かべる女王の背後で扉が開き、夢魔たちが一斉に気を引き締めた様子で礼を取った。途端に部屋に走る緊張とは無縁の様子で振り向いたフォンテーヌは、瞳に映った愛しい夫の姿に微笑んで、軽やかな足取りで走り寄る。
「お帰りなさい、フランメ」
「楽しそうですね」
ええ、とても、と。無邪気に口にしようとしたフォンテーヌは、夫の背後に控える品の良い老爺の姿に気付いて目を見張った。
「トリスタン」
「お久しゅうございます、魔王陛下。先日はお二方の突然のお越しに、若い者が取り乱しましたそうで」
大変失礼をいたしました、と。一礼をする姿には気品と張りがあり、その健やかな姿を嬉しく思ったフォンテーヌは、フランメの腕に寄り添いながら淑女の返礼を捧げた。魔界に在って、魔王は他の何者にも礼を取る必要がないが、彼は特別だ。
ヴァルフォーレの屋敷の正執事である彼は古参の使用人で、嫁いだばかりのフォンテーヌにも大層良くしてくれたものだった。彼の妻も人間で――そして、と。脳裏に過った惨劇の記憶に、フォンテーヌが眼差しに翳りを浮かべれば、彼はますます柔らかく微笑んで見せた。
「長らくお暇を頂いておりましたが、若様の初子とあらば、私が取り上げないわけには参りますまいと」
「いつまでも若様と呼ばれるあれも哀れだがな」
「畏れながら、フランメ様も。私には永遠のお嬢様でございます」
お嬢様、と。その呼称に、思わず笑いがこぼれてしまう。こぼれた吐息を慌てて手のひらで抑えれば、どうぞ笑顔のままで、と。老執事は恭しく跪いて頭を垂れた。
「慈悲深き陛下の御代に幸いを。……そして、猛く麗しき、我らが王配殿下。あの暗黒の時代、我らに憎悪を向けし狂王に、貴女様が言い放ってくださったお言葉を。我らは永遠にお忘れしません」
その残虐を強いるなら――御身は御身の百軍に、単騎で勝る将を敵にするだろうと。その言葉の通りに、魔界一を謳われた女傑はかつて、人の世の勇者と共に、狂王の首を刈り取ったのだった。
先代魔王に敵対した、フランメの血統にもたらされた光耐性は、その機会に付与されたおまけのようなものだったが。結局は今、その血が魔界の命運を握っているのだから、全て承知の上とばかりの動きを見せる女神が多少疎ましくはある。けれど、平和な世を築くための布石とあらば、フォンテーヌとて是非はない。少なくとも、フォンテーヌがこの地を収める限りは。人との紛争など、まして、悪魔同士の殺戮なんて。
(あんな思いは、二度としないわ)
だが事実として、現在の魔界において、弟夫婦は完全に安泰とは言い難かった。彼らに頼らねば、己の血統を繋げる可能性が著しく低下する以上、短慮を起こす悪魔は少なかろうとは思えども。カンビオンが百人生まれた後も、己らに順番が回って来ないとなれば、狂う悪魔もいることだろう。
それでも、夢魔の一族は、求められた端から適当に婚約をさせればいいというものでもない。運命と呼べば夢見がちだが――その実根底にあるものは、魂のレベルまで根深い、相性の問題なのだから。
「こちらの布は、陛下の御郷のものでしょうか」
大変美しいですね、と。話題を変えてくれた老執事に柔らかな笑顔を向けて、ええ、と。フォンテーヌは頷いた。
絨毯にカーテン。果てはベッドのシーツから天蓋の帳に至るまで、布には全て水魔の護法術を練り込んである。
癒しの術と結界の術に長けた水魔の一族は、フォンテーヌの血族だ。夢魔の特性に従って、フォンテーヌがフランメとの間に産む子は、皆水魔の血族として生まれる。魔王の御子と番える可能性のある水魔の一族は元より長寿で温和な気質で、水底に暮らせば大気の汚染も然程関係ないこともあってか、今この時世にあってものんびりしたものだった。
「この程度の守護では、実戦にあっては気休め程度かもしれないけれど」
「水魔の一族は堅牢の一族。たとえフランメ様の炎でも、容易く通しはしないことでしょう」
まして陛下のご厚情の証とあれば、と。笑うトリスタンに、敵に私を想定するなと憮然として呟いたフランメが、ふと優しい瞳で微笑んだ。
「……奥方は息災だろうか」
「ええ。我が子を失った悲しみは癒えませんが……それでも、若様の子の誕生を待ち侘びておりますよ」
勿論、お嬢様方の三人目の御子も、と。トリスタンの遠慮のない言動に、若い使用人らはハラハラと落ち着かない素振りを見せたが、何しろ三代に渡ってヴァルフォーレに仕えている古参の執事だ。暗黒の時代も生き延びた彼の妻は赤子の扱いが上手く、今日は王城に残してきたフォンテーヌの子らも、よくあやしてもらったものだった。
水魔の子は成長が遅いので、まだまだ幼子の年頃だ。また今度、改めて構ってもらいに連れて来ようと思いつつ、そう言えば、と。フォンテーヌはフランメを振り仰ぐ。
「産婆は送らなくていいのかしら?」
「打診はしましたが、不要だそうです」
初めての子とあれば不安なのでは、と。そう思い至ったフォンテーヌの問いには、簡潔な返答がある。多少意外に思ったフォンテーヌが瞬くと、フランメは小さく苦笑した。
「……誰にも見せたくないそうなので」
「あら、まあ」
柔らかな風貌の義弟は、思いの外独占欲が強いようだ。
彼女の弟なのだから、まあそうか、と。自身の初めてのお産のことも思い出しながら、魔界が落ち着くまではと延期になっている三人目の子作りに思いを馳せてしまったフォンテーヌは、美しい夫のたおやかな腕に腕を絡めてとろりと微笑んだ。
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