【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

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第二章(受胎編)

2-15#(了)

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 耕された畑が、種を待ち侘びて激しくうねるのを感じる。相手に相応しいように形を変える夢魔のペニスはジュゼの入り口から最奥までをみっちりと満たし、逞しい幹に柔らかな鱗を纏って胎の中をめちゃくちゃに引っ掻き回した。
 熟れて火照った最奥の粘膜に突き込まれる、怒張に浮かぶ血管の感触さえ感じ取れるほどに敏感になった胎が、いよいよ訪れる放埓の瞬間を予感してずくずくと疼く。淫らな興奮と期待にもみくちゃにされながら、媚びて蕩けた肉だけは素直に、恋しい雄の精液をねだるように甘く絡みついた。

「いやっ♡♡ いやぁ♡♡♡ あ~~~‼ ゆっ、ゆるっ、ゆぅしてっ♡ やあぁああ~~~♡♡♡」

 感じ過ぎて訳が解らなくなったジュゼが泣き叫ぶ悲鳴にますます猛ったレーヴェは、ずしりと全体重をかけてジュゼの小さな体を圧し潰し、そのまま胎内に――灼熱の子種を、壮絶な勢いでぶちまけた。

「ひぁ、あーっ♡♡♡ らめっ♡ らぇえっ‼ ぁ♡ あぁ……っ‼ ――~~~♡♡♡ ――っ♡♡♡」

 身体をビクつかせて快楽を逃すことさえ許されず、雄の子種を身体に受ける悦びを余すことなく叩き付けられる。細い脚は爪先までピンと伸びてシーツを搔き乱し、みっちりと埋め尽くされた尻穴の奥に、一滴の逆流も許されずに熱い種を注ぎ込まれた。完全に定着した子宮の内側を無抵抗に明け渡して、ぐずぐずに蕩けたジュゼの肉壁に、逃れようもない量の子種がびゅるびゅると注がれる。
 強過ぎる勢いの射精に、雌の悦びを心身に知らしめられたジュゼの身体が緊張と弛緩を繰り返し、カクカクと足腰が震えた。柔らかく蕩ついた胎に尚も子種を注がれながら歓喜に咽び、淫らに尻を雄の股間に押し付ける。雌を確実に孕ませるために放たれた濃厚な夢魔の精液は、粘つきながらジュゼの胎に染み渡って、恋の媚薬を超えた愛の麻薬として脳を犯した。
 長い長い夢魔の射精は、それが続いている間中、この世の何も上回ることのない悦楽を雌の脳に叩き込み続ける。だが、夢魔の妻として丁寧に躾けられた身体は、そこまでの快楽を与えられても意識を飛ばすことができない。瞳からだらだらと悦びの涙を流しながら濁った母音で呻くジュゼは、ねぎらうように施されたレーヴェの緩い愛撫に、なおも感じて細い腰をいやらしくくねらせた。
 ハアハアと、息を荒げて感じ入るジュゼの尻穴から、ようやく射精を終えたペニスが抜き取られる。夢魔の本気の肛虐を受け止めた幼い尻穴は淫らに花開いて、可憐な媚肉をはみ出させながら艶めかしく蠢いていた。
 たらたらと愛液を滴らせながら、一滴の精液も零すまいと健気に収縮するその穴が、通常の排泄に使用されることはもはや二度とない。種を受けた胎は燃えるように熱く――その場所に、間違いなく命が宿ってしまったことを、どんな印よりも雄弁に伝えてきた。

「あ、ぁん……あん……♡ あか、ちゃ……♡」

 ――にんしん、しちゃった。
 己の身体に起きた、有り得ない変化の衝撃に明滅する意識の端々に、蕩けるように優しい愛撫を感じたジュゼは泣き喘ぐ。膨れた乳首を柔く抓られて、ビクンと跳ねた身体を仰向けにされると、熱い抱擁と共に甘い口付けを落とされた。
 うっとりと抱き締め返したジュゼの蕩けた身体を、再び衝撃が襲って。もはや一片の抵抗の気持ちもないジュゼは、自らの夫となった妖魔に泣き縋りながらその快楽を受け止めた。

「ぁおっ♡ おっ♡ おっ♡ お~~~♡♡♡ おっ、おちんちん、またぁっ♡♡♡」
「ふふ。ええ、ジュゼ。夢魔の赤子が育ち切るのは、三月の先。――それまでずっと、交わり続けましょうね」

 精気を糧に成長をする夢魔の子を孕んだ雌が衰弱しないよう、子が胎にいる間は、朝も夜もなく交わり続けて精を注ぐ。それは異種族と番う夢魔の雄にとっては当然の常識だったが、初耳でしかないジュゼは、その途方もなく具体的な期間に慄いて身体を震わせた。

(さ、さん、かげつ♡ ずっと、きもちいいの……?)

 無理だ、そんなの。けれど――彼は言わなかっただろうか。ジュゼは死なないし――狂わない、と。
 想像の及ばない悦楽への恐怖に多少の理性を取り戻したところで、ジュゼの尻穴には今も、萎えることを知らない夢魔のペニスが深々と突き刺さっている。下肢を甘く揺すられればぐちゃぐちゃと水音が響き、愛しい相手を食い締める媚肉の隙間を埋めるように胎に満ちた精液の熱さを自覚して、喘ぐような呼吸が漏れた。無理、もう無理、と。咽びながらも貪欲に腰は揺れ、中のいいところに欲しがっていやらしくうねってしまう。

「可愛い方。怖がらなくて大丈夫ですよ。私はあなたに、気持ちいいことしかしませんから」

 ね? と。優しい声がジュゼを宥め、力強い指が揺れていた腰を持ち上げて固定する。荒淫の予感にドキリと胸を鳴らしながら夫を見上げれば、優しい赤い瞳に、どこか悪戯めいた加虐的な色を乗せた彼は、ジュゼの脚を目一杯に折り曲げた。
 天に向けて尻を曝け出すような淫らな体位で、真上からプレスをするように激しく犯される。

「ああああ~~~っ♡♡♡」

 巨躯の妖魔の体重が、重力の勢いさえ借りながら、ジュゼの尻に手加減なく叩きつけられた。強すぎる雌の快楽に捻じ伏せられて、いつしか股の間に垂れていた未成熟なペニスは歓喜の雫を噴きながら腹の上で揺れ、甘く濁った青い瞳からは恍惚の涙が垂れる。粘る精液を何度も何度も繰り返し注がれて、途切れることさえなく連続する絶頂に、ジュゼは声が涸れてなお叫び散らした。
 苦しさを感じたのは一瞬のことで、ジュゼの身体はすぐに快楽に順応し、蕩けた粘膜は猛る怒張に甘えて絡みつく。激しい突き込みに伴って、幾度射精しても縮む気配を見せない雄々しい睾丸に打たれる白い尻が赤く腫れ、そんな尻を時にいたわるように撫でる指の感触に、深い情愛が胸の奥底から迸った。

「あ、あっ♡ ひあっ、あっ! も、もっと……もっ⁉ ふあぁっ♡」
「ふふ、ふふ。駄目ですよ、煽らないで……♡」

 いい子ですね、可愛い方、もっと大きな声を出して、と。甘い毒のような囁きを耳から脳に流し込まれて、それだけでどうしようもなく発情してしまう身体はすっかり従順に躾けられて、強く突き込まれる度に細い足を天に突き上げながら何度でも絶頂した。
 身体を折り曲げていられないほどに精液を注がれた後には、優しく抱き起されるがまま、対面の座位で肌を合わせる。か細い体に絡んだ腕に強く抱き寄せられながら、たっぷりと胎に満ちた精液を余すことなく馴染ませるように、自重で深く咥え込んだペニスにねっとりと中をかき混ぜられた。体を密着させながら深く口付け、いやらしく舌を絡ませながら胎の奥を捏ね繰り回される快楽に、ジュゼは咽び泣いて悶え続ける。
 子を孕んだばかりの胎は、丹念に注がれ続けた熱い精液に満たされて、欠片も厚みのなかったことが嘘のようにぷくりと膨れていた。逞しい楔に塞がれたままの尻穴からの排出は許されないまま、しかし時の経過に伴って、その胎は少しずつ凹んでいく。胎の子供と、作り変えられたジュゼの身体が。父親の――夫の精を、喜んで吸収しているのだ。

(おなか、あつい……あ、あったかくて、きもち、い……♡)

 絶頂の度に淡く発光する紋章は、もうずっと輝き続けている。優秀な夢魔の濃厚な魔力に溢れた体液を吸収した体は、たちまちの内に淫蕩な精気に満たされて。伴侶の体から立ち上る甘美な香気を浴びながら、レーヴェもうっとりと眼差しを酔わせた。
 多少ふっくらして見えるくらいにまで腹が凹むと、ようやく腰の動きが多少緩やかになる。その頃には、ジュゼは自分が彼の雌であるのだということを、深い悦びと共に心身に解らされていた。
 激しく明滅する無数の星々を視界に散らしながら、はふはふと獣のような息を吐くジュゼの唇を、レーヴェが再び情熱的に貪る。止まりそうになる呼吸、飛びそうになる意識の合間に、とろとろと優しい声が愛を囁いた。

「ジュゼ。私の花嫁。これから永遠に、あなたは私のものですよ」
「あ……♡ ぁっ……♡ 嬉、し……♡」

 体も声も、度を越した快楽の余韻に震えが止まらない。囁きに触れる耳までが気持ちよくて、全身が蕩けてしまいそうだった。
 これからジュゼは、三か月。無事に胎の子が生まれるまで、彼の精を注がれて過ごす。そして、無事に子が生まれれば、また。

「レーヴェ……」

 震える声で名前を呼べば、宝石のように輝く瞳が、ジュゼを映して愛しげに微笑む。
 死ぬまで、彼に愛してもらえる。――それだけを、心から理解して。涙に濡れたジュゼの青い瞳も、妖魔を映して微笑んだ。
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