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最終話

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Sクラスの方々が合流した日の夜のこと。

ラディネリアン様が我が家にいらっしゃった。


「ラーラザリー、君のことを愛称で呼ぶことを許してくれないか?」

「ええ、もちろん構いませんけれど、急にどうしたのですか?」

「今日みたいに君の名前を他の奴が呼んでいるのを聞くと、たまらなく不安になるんだ。僕じゃない人のもとへ行ってしまわないか。だから、せめて愛称で呼べる特別な関係であることを周りにも示したいなと思ってね。」

「まあ、そんなに不安に感じていらっしゃったのですか?どちらかと言えば、私の方がラディネリアン様に捨てられてしまう心配がありますわ。ラディネリアン様はとても魅力的な方ですから、今でも婚約していることが奇跡のように思っています。この間もラディネリアン様を慕っているからこそあのようなことが起こってしまったわけですし、正直私よりもふさわしい人がいるのではと思ってしまっているのです。」

「何を言っているんだ。本当にそのようなことを考えていたのか?」

「はい、以前のラディネリアン様は寡黙であまり表情も変化がないものですから、私と一緒にいてもつまらないのかと思っていました。けれど、助けてくださったことで、少しだけ希望を持ったのです。それでも、私の勘違いでしたら恥ずかしいのですが…」

直接言ってしまった!これで、本当に私に対して何とも思っていなかったのならばとんだ勘違い女だ。しかし、これではっきりするはず。私のことを少しは気にかけてくださっているのだろうか。


「そのように思っていたのか…なんということだ……それは完全に勘違いなんだ!!」


勘違い…やはり私のことを気にかけてくださっていたというよりは、律儀に役割を果たしてくださっていただけなのね。

「申し訳ありません。身の程をわきまえます。少し離れた方がよろしいですわよね。」

「なんの話をしている!?そうではなくて、ララのことが好きで好きで、それが溢れ出てしまいそうだったから表情を引き締めていたんだ!だって、ララが僕のことをどうイメージしているかわからないけど、ララにはかっこいいと思っていてもらいたかったから。でも、逆にその行動がララを不安にさせていたのだったら、もうやめる。今後は全力で表現する!だから、離れるだなんて言わないでくれ!」

「そうなのですか?それは、さすがに分かりませんわね。けれど、今勇気を出して確かめてよかったです。ラディネリアン様が私のことを好いてくださっているということを一生わからないままだったかもしれないですから。」

「いや、僕の方こそ最悪ララが離れてしまう可能性があったなんて考えもしなかったから、聞いてくれてありがとう。それと、ララも僕のことラディと呼んでくれないか?」

「はい、喜んで…ラディ様……少々呼び慣れなくてお恥ずかしいですわ。」

「すぐに慣れるさ。これからもよろしくね、ララ。」

「はい、不束者ですがよろしくお願いいたします……ラディ様。」




<追記>
これにて、本編は終了といたしますが、後々ララとラディがイチャラブしている番外編をかけたらなと思っています。
また、一応完結となりますので、設定上は完結にさせていただきます。
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