【完結】公爵子息は私のことをずっと好いていたようです

果実果音

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第三話

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 朝は家までラディネリアン様に来ていただいて、学園に着けば教室まで送ってもらい、至れり尽くせりの学園初日だった。

相変わらず言葉数は少ないけれど。




クラス分けテストでは成績がよく、Aクラスに入ることができた。


ただ、送ってもらったという言葉通りラディネリアン様とはクラスが違う。

だからといって、頭が悪いだなんてのはもちろん違う。


公爵様と王族の方は別でSクラスというものが準備されていて、言ってしまえば我々とは隔離されている。ちなみに、学力は関係ない。ラディネリアン様は頭がよろしいけれどね。とはいえ、毎年都合良く同じ歳の王族や公爵家がいない年もある。

あまりいない場合はAクラスに配属される。これも学力に関係なくだ。

だから、Sクラスが作られる方が例外かもしれない。

そして、今年は作られた。それだけの人数が集まっているのだ。



もしも、もしもよ、ラディネリアン様がクラス内で愛しの人を見つけてしまったならば..........私なんてのは直ぐにポイッだわ。


いくら現当主の公爵や公爵夫人が私のことを可愛がってくださってるとはいえ、きっと、同じ身分の公爵の方が良いはずですもの。






はあ、3年間もあるのに既に憂鬱だわ。


けれど、昼食を一緒にとろうと言ってださったことは驚きもあれ、非常に嬉しかった。嬉しすぎて、即答してしまったけれど、変に思われてないかしら?

ああ、昼食を一緒にとっても不安は残っている。

私って面倒ね。今更だけど。



とにかく今は大事にはしてもらってる。

口数が少なくてもその事は十分に伝わってきているもの。



分からない未来を勝手に想像して勝手に不安がっているのは良くないわ。


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