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エナのお母さん視点①
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私はエナ様の母親役をやらせて頂いている公爵家のメイドである。
私は昔、孤児であり、道で力尽きて倒れているところを奥様に助けていただいた。
それ以来忠誠を誓っている。勿論自分の意思で。
だが、奥様は旦那様との間に子どもがなかなか出来ないことに悩んでいらした。そこで分家から養子を取られたのだが、その後に奥様のお腹の中に生命を宿していることが判明した。
大変喜ばれており、直ぐに旦那様に報告したが、あろう事か旦那様は奥様を殴ったのです。
不貞ではないか。とありもしない根拠を述べながら。私は怒りに震えました。奥様の体が弱いことを知っているはずなのに何故そんなことができようかと。
しかし、今は奥様の命も大切。私がここで何かを言った所で首を切られておしまいで、奥様を守れやしない。
だから、私は恩を返す時だと思い....
「私に母親をやらせてください。」
と申し上げ、エナ様が産まれたと同時と言ってもいいくらいのスピードでこの家へ来たのだ。
しかし、時が経過した今となってはもう少し良いやり方があったのではないかと思うようになった。奥様を殴った旦那様....いえ、あの男を何らかの方法で苦しめらせれば良かった。あの男は、奥様の家へ嫁いできた身分だというのにいつも奥様を困らせていたのだから。
そして、私は捨て子を拾った。私が捨て子だったから見捨てられなかった。しかし、見捨てるべきだったと思う。ろくに母親の愛など貰ったことの無い私はどのように接するのが正解か分からないのだから。
結果、エナ様より二歳上のナツキは我儘な性格のまま育ってしまった。寮に入ったあとはどうなっているか分からない。多大な迷惑を掛けているかもしれない。
エナ様はとてもしっかり育ってくださった。
ナツキがあのような様子でエナ様には友達という影がなかった。強いて言えば、アルダンという男の子と話している姿と見かけたくらい。
ただ、七歳の時に文通友達ができたと聞いて私は心底ほっとした。
..............相手が第二王女様だったのはとても驚いたけど........。
相手も私に気づいたようだった。一、二回あったことがあるかどうかで、幼くしてあられるのに。と非常に驚いた。
そして、今.........今度は第三王子様が挨拶にこられて婚約者役にしたいとか。
けれど、エナ様...........あの目は本物だと思うのです。きっとエナ様は第三王子様に捕らわれたら最後。
もう、離してはもらえないと思います。
それでも、エナ様が幸せになれるなら、エナ様を幸せにしてくださるならと奥様には何も相談せず差し出しました。
これが良くない結果に繋がってしまったなら私が責任を持って第三王子様から引き剥がします。
.............たとえ、不敬罪となり死罪になっても........。
もちろんナツキが問題を起こしてないだなんて考えてません。
きっと、何かをしてしまっているでしょう。私が無責任にも拾ってしまったから。
だから、ナツキが罰を受ける時私も一緒に罰を受ける覚悟です。
私は「エナ」とエナ様のことをお呼びさせて頂いてましたが、いつも奥様にそっくりでいて少し性格の違うエナ様をお慕いしておりました。
奥様と同じく優しいエナ様でしたが、あまりにも優し過ぎましたよ。
もう少し自分を出してくださってよかったのです。
いつも私の家事を手伝ってくださって..........本来ならばそのようなことをする身分では無いですのに。
そして、私のことを
「お母さん」
と呼んでくださりありがとうございました。
いつまでも幸せを願っております。
私は昔、孤児であり、道で力尽きて倒れているところを奥様に助けていただいた。
それ以来忠誠を誓っている。勿論自分の意思で。
だが、奥様は旦那様との間に子どもがなかなか出来ないことに悩んでいらした。そこで分家から養子を取られたのだが、その後に奥様のお腹の中に生命を宿していることが判明した。
大変喜ばれており、直ぐに旦那様に報告したが、あろう事か旦那様は奥様を殴ったのです。
不貞ではないか。とありもしない根拠を述べながら。私は怒りに震えました。奥様の体が弱いことを知っているはずなのに何故そんなことができようかと。
しかし、今は奥様の命も大切。私がここで何かを言った所で首を切られておしまいで、奥様を守れやしない。
だから、私は恩を返す時だと思い....
「私に母親をやらせてください。」
と申し上げ、エナ様が産まれたと同時と言ってもいいくらいのスピードでこの家へ来たのだ。
しかし、時が経過した今となってはもう少し良いやり方があったのではないかと思うようになった。奥様を殴った旦那様....いえ、あの男を何らかの方法で苦しめらせれば良かった。あの男は、奥様の家へ嫁いできた身分だというのにいつも奥様を困らせていたのだから。
そして、私は捨て子を拾った。私が捨て子だったから見捨てられなかった。しかし、見捨てるべきだったと思う。ろくに母親の愛など貰ったことの無い私はどのように接するのが正解か分からないのだから。
結果、エナ様より二歳上のナツキは我儘な性格のまま育ってしまった。寮に入ったあとはどうなっているか分からない。多大な迷惑を掛けているかもしれない。
エナ様はとてもしっかり育ってくださった。
ナツキがあのような様子でエナ様には友達という影がなかった。強いて言えば、アルダンという男の子と話している姿と見かけたくらい。
ただ、七歳の時に文通友達ができたと聞いて私は心底ほっとした。
..............相手が第二王女様だったのはとても驚いたけど........。
相手も私に気づいたようだった。一、二回あったことがあるかどうかで、幼くしてあられるのに。と非常に驚いた。
そして、今.........今度は第三王子様が挨拶にこられて婚約者役にしたいとか。
けれど、エナ様...........あの目は本物だと思うのです。きっとエナ様は第三王子様に捕らわれたら最後。
もう、離してはもらえないと思います。
それでも、エナ様が幸せになれるなら、エナ様を幸せにしてくださるならと奥様には何も相談せず差し出しました。
これが良くない結果に繋がってしまったなら私が責任を持って第三王子様から引き剥がします。
.............たとえ、不敬罪となり死罪になっても........。
もちろんナツキが問題を起こしてないだなんて考えてません。
きっと、何かをしてしまっているでしょう。私が無責任にも拾ってしまったから。
だから、ナツキが罰を受ける時私も一緒に罰を受ける覚悟です。
私は「エナ」とエナ様のことをお呼びさせて頂いてましたが、いつも奥様にそっくりでいて少し性格の違うエナ様をお慕いしておりました。
奥様と同じく優しいエナ様でしたが、あまりにも優し過ぎましたよ。
もう少し自分を出してくださってよかったのです。
いつも私の家事を手伝ってくださって..........本来ならばそのようなことをする身分では無いですのに。
そして、私のことを
「お母さん」
と呼んでくださりありがとうございました。
いつまでも幸せを願っております。
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