【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

22.『王妃』

つ、遂にこの日が来てしまった....。

あれから数日後にティア様が訪問してこられて、

「父さんは無理みたいなんだけど、母さんが夏休みの最終日なら空いてるようなんだ。エナはどう？？」

という事でその日に決まった。

平民だから普通の服しか持ってないよ。
こんなんで王妃様に会って大丈夫なのかな？？

馬車に来てもらうってことで今馬車に揺られながらお城へ向かっていってるけど、そろそろ口から心臓が飛び出る！

「エナ様、着きましたのでどうぞお降りください。」

「あ、あ、ありがとうございます！」

何故か様付だし....！もう、どうしたらいいのか。

「では、こちらの部屋でお待ちください。」

「は、はい。ありがとうございました。」

うぅ、緊張が緊張を通り越して来た気がする。もう、私人間の形をとどめてないかも....。ドロドロに溶けちゃってるような気分だよー！

でも、ゲームで見た時とっても綺麗な方だったし少し楽しみかも....？？

ガチャ

びくぅっ！？

い、いらしたのかな？？
あわわわわ...ど、どうしましょう。

ひょこっ

？？小さい子ども？？？なんで？？

「おねーちゃんはおにーちゃんのこんやくしゃ？？」

王族特有のオッドアイ！？ということはティア様の妹......。


エナは完全に頭から抜けていた.....ティアとルリの下に兄妹がいないことを。


「いえ、私はそんな、ティア様の婚約者だなんて畏れおおいです。ただ、その役の振りを受けさせて頂きたいと思ってるだけでありまして...。」

「ふーん、それで、これからおかあちゃまに会うんでちょ？」

な、なに、この喋り方....可愛いすぎる!!

「はい。王妃様に時間を空けていただいて申し訳ないばかりです。」

「おかあちゃまに会うのこわい？？」

「怖いだなんてそんなことはありません。とても優しい方だと噂が流れています。ただ、とても美しい方というのは聞いておりますので緊張しています。」

「おかあちゃまはとってものこわいのよ。がおーって。」

そうなの！？？な、なんて切り返したら...。

「え、えーと、そ、そうなんですか？？......えーと、」

「はあ、母さんにそれくらいにしといてくれないかな。」

「ティア様！？え、えぇ？？」

「エナちゃん、ごめんなさいね。ティアの母でーす。」

さっきまで幼女がいたそこには女性がいた。とても美しく、オッドアイでは無い女性が...。