【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

13.『ちょっとした出来心』

「よし、全員集まったな。君たちが意欲的で先生は嬉しいぞ。では早速やろう。まずは、私を見ていてくれ。」

そう言うと担任は、掌を上にし、

ぼわっ

という効果音が聞こえ、膨らました風船程の炎を出した。

「さすが先生です。無詠唱とは凄いですね。」

と生徒から驚きの声。

「きっちり一年間学べばこれくらいは出来るようになる。もちろん君たちの場合は詠唱ありでだか。」

ライトノベルとかだと、異世界人は無詠唱を軽々とやってしまうのだが、私もそれは可能なのかな？？

そんなちょっとした出来心だった。

パキ....パキパキ

そんな出来心により、私の前には八歳児である私の身長をゆうに越える氷ができた。

そうしたら、担任の目玉が落ちる...いや、クラス中の人々の目玉が落ちる程にみんな目を開いていた。

「あ、あははは.....。」

笑っても誤魔化せないとわかっていても笑うしかなかった。もしかしたらの可能性にかけて。

そんな中いち早く通常運転に戻ったのはルリだった。

「まあ、エナは凄いわあ！そんなに大きい氷を無詠唱でだなんて六年生でも無理じゃないかしら。」

因みに六年生は十四歳だ。そんなふうに現実逃避をする。

「エナはもう、授業受けなくてもいいくらいじゃない？わたくしも頑張ってエナと一緒に受けるのやめようかしら。」

「ルリ、何を言ってるの？授業受けるに決まってるじゃん。私何も学んでないんだよ。」

「いや、私よりも君の方が凄いだろう。この学園では力ある者がすべてなのだ。寧ろ私が君に教えをこうべきかもしれない。」

ええー、そんなばかな。私の年齢わかってます？？

「と、取り敢えず、一旦考えさせてください！」

「.....分かった。一週間後返事を頼む。」

 なんで、そんなに渋々なの....私は普通にみんなとわいわい喋ったりしたかっただけなのに...。どこかで間違えたかなあ。