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7.夕食時に感謝
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「な、な、なんじゃこりゃぁぁぁああああああああああ」
「あら、ギンスが帰ってきた様です。まったく、『ただいま』の一言も言わずすみません。」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。」
「ナナサ、これは一体........!もしや、そちらの方が?」
「ギンス少し落ち着きなさいな。ええ、こちらのソルシエールさんが片付けてくださったのよ。もう、いい加減ギルドに依頼出すって言ってたでしょう?貴方も了承したじゃない。」
「.......すまない、記憶にない。」
「はあ、やっぱり生返事だったのね。でも、結果として良かったんだからいいでしょ。」
「ああ、ソルシエールさん、本当にありがとうございます。自分でもどうにかしなきゃと思っていたんだが中々気が進まなく、気がついた時にはもう、どうしようもない部屋となってしまっていて、本当に貴女に来ていただけて良かったです!1日で片付くというのも驚きだ。」
「それは、本当にそうよね。ですから報酬をはずもうと思うの。」
「ああ、それはいい案だ。是非ともそうしよう。とは言え気持ちばかりなのが申し訳ないが........。」
「いえいえ、そんな、多くくださると言うだけでありがたいですから。」
「いい子や、いい子やな。だか、そんなんでは誰かに付け込まれてしまうから気いつけなや。」
「そうよね。やっぱり、いい子よね。普通の冒険者とは違うから確かに気をつけた方がいいわ。もう少し威張った感じで.....ね?」
「あはは、そんな、私にはちょっと難しそうですね。」
だって、実の家族にだって憎悪が湧いても何も出来なかった。何かをすればそれが倍となって私にかえってくるのだから。
「そうね。それがソルシエールさんのいい所なのに奪おうだなんて変な話よね。それじゃあ、ギンスが帰ってきたことで中断していた夕食をまた始めましょう。量はまだまだあるので遠慮せず言ってくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「.......でも、ソルシエールさんじゃきっと遠慮して言えなくなってしまうわよね。スープ皿が空だわ。今持ってきます。」
「あ、えっと、.......ありがとうございます。」
確かに、言おうと思わなかった。
けど、ここの食事美味しい!
ああ、私の考えを見越して行動してくださるなんてなんていい人なことか。
「いいのよ。私が勝手にやりたいことだから。ほら、ギンスは自分でとってちょうだいな。自分で掃除ができない人に渡す食事はありません。」
「あ、ああ、そうだな。俺は掃除もできない役立たずだ........。」
役立たずまではナナサさんも言っていないけど.....。
でも、きっとこの夫婦は仲が良いのね。
子供が産まれたとしても私の家の仲みたいにはなら無いはずだわ。
私もこんな夫婦の元に産まれてきていたら.....ただのタラレバでしかないわね。
「それでね、ギンスったらその時に.....。」
「お、おい!何を言うんだ!ち、違うんだよ?ソルちゃん!」
「あはは!そうなんですね!ふふっ、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。」
そんな賑やかな時が夕食が終わるまで続いた。
「今日は本当にありがとうございました。今度は適当に遊びに来てね!ソルちゃん!」
私のことは『ソルちゃん』で定着した。全然嫌な気はしていない。
「いえ、こちらこそ夕食を頂いてしまい、すみません.......とっても美味しかったです!」
「はあ、可愛いわあ。私の娘にしたいくらい!なんてね、親御さんに失礼ね。」
「えっと、親は..........いないので。」
うん、嘘ではない。こちらの世界にはいないのだ。だからといって実の親も親と思いたくはないけれど。
「あっ......私ったらごめんなさい。辛いことを思い出させちゃったわね。だったら、いつでも私のことを『お母さん』だと思っていいからね。」
「おいおい、俺がいるのも忘れるなよ。まあ、あんな部屋の奴に言われたくないだろうが、俺のことも『父』と思っていいぞ。」
「まあ、あんたが父親なんてできるのかしら?」
「ったりめえだ!やってみるさ!」
「ふふっ、2人ともありがとうございます。」
この人たちこそ付け込まれそうだな。なんて思ったのは私だけの秘密。
「それでは、私はギルドに戻ります。」
「もう、夜遅いし、なんなら泊まっていったっていいのよ?」
「いいえ、そこまで甘えるわけには....それにちょっとギルドに戻って聞きたいこともありますし。」
「そう?じゃあ、気をつけて戻ってね。」
「はい!」
こうして私はギルドに戻った。
聞きたいこととは、私の住民票がどうなっているのかということだ。
「あら、ギンスが帰ってきた様です。まったく、『ただいま』の一言も言わずすみません。」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ。」
「ナナサ、これは一体........!もしや、そちらの方が?」
「ギンス少し落ち着きなさいな。ええ、こちらのソルシエールさんが片付けてくださったのよ。もう、いい加減ギルドに依頼出すって言ってたでしょう?貴方も了承したじゃない。」
「.......すまない、記憶にない。」
「はあ、やっぱり生返事だったのね。でも、結果として良かったんだからいいでしょ。」
「ああ、ソルシエールさん、本当にありがとうございます。自分でもどうにかしなきゃと思っていたんだが中々気が進まなく、気がついた時にはもう、どうしようもない部屋となってしまっていて、本当に貴女に来ていただけて良かったです!1日で片付くというのも驚きだ。」
「それは、本当にそうよね。ですから報酬をはずもうと思うの。」
「ああ、それはいい案だ。是非ともそうしよう。とは言え気持ちばかりなのが申し訳ないが........。」
「いえいえ、そんな、多くくださると言うだけでありがたいですから。」
「いい子や、いい子やな。だか、そんなんでは誰かに付け込まれてしまうから気いつけなや。」
「そうよね。やっぱり、いい子よね。普通の冒険者とは違うから確かに気をつけた方がいいわ。もう少し威張った感じで.....ね?」
「あはは、そんな、私にはちょっと難しそうですね。」
だって、実の家族にだって憎悪が湧いても何も出来なかった。何かをすればそれが倍となって私にかえってくるのだから。
「そうね。それがソルシエールさんのいい所なのに奪おうだなんて変な話よね。それじゃあ、ギンスが帰ってきたことで中断していた夕食をまた始めましょう。量はまだまだあるので遠慮せず言ってくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「.......でも、ソルシエールさんじゃきっと遠慮して言えなくなってしまうわよね。スープ皿が空だわ。今持ってきます。」
「あ、えっと、.......ありがとうございます。」
確かに、言おうと思わなかった。
けど、ここの食事美味しい!
ああ、私の考えを見越して行動してくださるなんてなんていい人なことか。
「いいのよ。私が勝手にやりたいことだから。ほら、ギンスは自分でとってちょうだいな。自分で掃除ができない人に渡す食事はありません。」
「あ、ああ、そうだな。俺は掃除もできない役立たずだ........。」
役立たずまではナナサさんも言っていないけど.....。
でも、きっとこの夫婦は仲が良いのね。
子供が産まれたとしても私の家の仲みたいにはなら無いはずだわ。
私もこんな夫婦の元に産まれてきていたら.....ただのタラレバでしかないわね。
「それでね、ギンスったらその時に.....。」
「お、おい!何を言うんだ!ち、違うんだよ?ソルちゃん!」
「あはは!そうなんですね!ふふっ、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。」
そんな賑やかな時が夕食が終わるまで続いた。
「今日は本当にありがとうございました。今度は適当に遊びに来てね!ソルちゃん!」
私のことは『ソルちゃん』で定着した。全然嫌な気はしていない。
「いえ、こちらこそ夕食を頂いてしまい、すみません.......とっても美味しかったです!」
「はあ、可愛いわあ。私の娘にしたいくらい!なんてね、親御さんに失礼ね。」
「えっと、親は..........いないので。」
うん、嘘ではない。こちらの世界にはいないのだ。だからといって実の親も親と思いたくはないけれど。
「あっ......私ったらごめんなさい。辛いことを思い出させちゃったわね。だったら、いつでも私のことを『お母さん』だと思っていいからね。」
「おいおい、俺がいるのも忘れるなよ。まあ、あんな部屋の奴に言われたくないだろうが、俺のことも『父』と思っていいぞ。」
「まあ、あんたが父親なんてできるのかしら?」
「ったりめえだ!やってみるさ!」
「ふふっ、2人ともありがとうございます。」
この人たちこそ付け込まれそうだな。なんて思ったのは私だけの秘密。
「それでは、私はギルドに戻ります。」
「もう、夜遅いし、なんなら泊まっていったっていいのよ?」
「いいえ、そこまで甘えるわけには....それにちょっとギルドに戻って聞きたいこともありますし。」
「そう?じゃあ、気をつけて戻ってね。」
「はい!」
こうして私はギルドに戻った。
聞きたいこととは、私の住民票がどうなっているのかということだ。
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