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3.怒り

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バンッ!

扉から音が聞こえてきた。

「やあ!みんな、よく来てくれた。」

王子だ。

「お、もう来ているな。」

そう言いながら私の方へ足を向けた。

「それでは、この余の名をもって、貴様を聖女という役名から排除する。よって、二度とこの王宮の敷居を跨がせることはない。今すぐここから出ていけ!」

会場が静まり返った。私だって何を言われたのか分からなかった。
今更?今更そんなことを言うために私を呼んだというの?それをやるなら2年前の私が召喚された日だろうが。

「理由をお聞きしても良いですか?」

「理由?そんなの貴様が聖女でない。それだけだ。」

「それでは、この2年間私をここに縛り付けておいた理由はなんですか?」

「はっ、そんなの、ここにいる2人のおかげだ。2人が貴様を追い出すのは可哀想だと言うから置いておいたのだ。だが、役に立たない貴様を置いておいてもしかたがないだろ?2年も置いてやっていたんだ感謝して欲しい。」

はっ?そこで気がついた。少女が2人居たのだ。あの日一緒に召喚された。

こちらを見て笑みを浮かべている。

なんだ、私が今までここでたらこの少女らに被害が及ぶかもと心配していたのは全くの無意味だったのか。寧ろ、この2人によって私はこの2年間苦しめられていたのだ。

2人の笑みはこうだ。

『私たちは選ばれたのだわ。でも、あなたは選ばれなかった。そこであなたに情けをかけているようなことを言ったらこの男はより私たちに堕ちたわ。2年間も居られたこと感謝なさい。』

そういう風に捉えることが出来た。

分かった。そちらがそういう気ならばもういい。ただ、このままではあまりに不公平だ。

「分かりました。それでは、最後に最高の感謝を込めて.....」

ぶつぶつぶつ。
私は唱えた。

「ぶっ、ぶごぶごぶごっ、ぶっご、ぶごごごごっ、ぶっっっはっ、はぁ、な、何をしやがる貴様ぁぁぁああああ!」

私は何も答えなかった。ただ、今までの仕打ちなどをかねて王子に大きな水球をまとわせただけだ。

死なないように水球を消したのだから良かったと思って欲しい。

あ、因みに、ここでの水球は勿論スポーツのことでは無い。本当に水の球なのだ。

だか、私の不満はこれで終わらない。

ぶつぶつぶつ。
また、唱えた。

「「ぎゃゃゃゃゃあああああ!!!」」

2人から悲鳴が聞こえた。

なあに、髪を少々燃やしただけだ。どうせまた生えてくるのだから問題ない。

頭皮を燃やしたわけでもあるまいし。

「ちょっと、あんた!何すんのよ!髪が燃えてしまったじゃない!」

だから、頭皮が燃えたわけでもないのだからそんなに興奮するんじゃないよ。どうせ今まで贅沢な暮らしをさせてもらってたんでしょ?私はカビが生えてるパンだったのよ。

「それでは、失礼します。」

そう言って、王宮をでた。
後ろから何か聞こえてきたけど特に興味も無いのでそのまま去った。


もちろんこの程度で私の怒りは収まっていない。
だからといってこのままずっとここにいても良い事はない。護衛の者がただただ増えるだけだ。
それなら面倒くさいだけで、私にメリットはないし、復讐はゆっくりやっていこう。1度の復讐で終わるはずがない。

あの二年間は絶対に許されることではないのだから。




うーん、これから、平民として過ごしていくのは確定として、どこで暮らそうかなあ......こんな奴がいる国で過ごしたくはないから.........隣国行っちゃうか。

そうと決まったら住民票を貰おう。





*ここの題名は納得がいっていないので変更するかもしれません。
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