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竜の巣
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ヴァルヘイムの村長は言った。以後、代々この村には、彼らの伝説が語り継がれていると……。そして、国の意思に反した者達で作られたこの村には、今もなお王国との確執があり。国は理由をつけて動いてくれないという。
最近では〝国に捨てられた村〟と、面白半分で見に来る者もいた。
部屋には重い沈黙が落ちた。
レイはエステルの様子を気遣いながら、考えを巡らせた末に切り出した。
「村長さん。俺たちに、そのドラゴンと戦う方法はありませんか?」
「正気ですか?ドラゴンですよ?」と不安そうな顔をする村長に、エステルが口を開く。
「私には戦える力があります」
レイも、その言葉に力強く頷いた。
「俺たちにできることは全てやります。この村の為にも」
「ありがとうございます。あなたたちの勇気に、心から感謝します」村長が深々と頭を下げた。
その後、村長は村の書庫への案内を申し出た。
「ドラゴンに関する物語や資料は、この村に昔から沢山残っています。どうか知識を高めて挑んでください」
レイとエステルは村長に従った。
ドラゴンを相手にするなんて、思いもよらない展開ではあったが、それを成し遂げる事がエステルの記憶と、感情を取り戻すキッカケになるような予感をレイは感じていた。
その日の午後。村の書庫で、レイとエステルは山積みの本に囲まれていた。埃っぽい空気の中、二人は必死にドラゴンに関する情報を漁る。
「なあ、エステル」レイが呼びかける。「この本によると、ドラゴンの弱点は腹らしい。表面は鱗で刃物が通らないのかもな」
「なるほど、私も腹が弱点です」
「そうなのか?」とレイは彼女の意外な一面に驚いたが、エステルはサラッと続けた。
「剣の腹は弱いのです」
レイは、そっぽ向いて次の書物を漁りながら言う。
「おい。お前、もう剣の感覚で話すのはやめろ。聞いてて紛らわしいからな」
レイは、手に取った書物のページをめくる。情報としては、やはり鱗は避け、腹や目など、比較的柔らかな所を狙うのが鉄則のようだった。
その後も二人は夜遅くまで書物を読み漁ったが、ドラゴンを知るほど、レイの緊張感は増していった。
「レイ」エステルに突然呼びかけられ、思わずレイの顔が強ばる。
「なんだ?」
「勝てるでしょうか……」そう呟くエステルの表情からは、若干の不安が伺える。
「ほう。お前でも不安になるんだな。まさか怖いのか?」
「いえ。でも、もし私がドラゴンに食べられそうになった時は……」
彼女の重い雰囲気にレイは息を呑んだ。
「俺に一人だけ逃げろ、なんて言うなよ」
「いえ。その時は私を振り回してください。きっと役にたって見せます。切れ味だけが私の誇りですから」
エステルは真剣だった。
「お前……剣の感覚で話すなと言っただろ」
そんなやり取りを繰り返しながら、二人は少しずつドラゴンとの戦いに向けての準備を進めていった。
早朝、薄暗い空の下、レイとエステルは静かに村を後にした。書物にあった〝竜の巣〟と呼ばれる場所を目指して。村人たちの不安と期待の眼差しを背に受けながら、二人は山道へと足を踏み入れた。
最初の数時間、二人は無言で歩き続けた。急な斜面を登り、時には細い崖沿いの道を慎重に進む。レイは時折、エステルの様子を窺っていたが、彼女の表情は相変わらず無表情だった。
昼過ぎ、遠くでドラゴンの咆哮が聞こえた。二人は足を止め、その方向を見つめる。エステルの手が無意識に剣の柄に伸びる。
レイはそんな彼女の肩に軽く手を置いた。言葉は交わさなかったが、その仕草だけで十分だった。
午後になると、道はさらに険しくなった。岩だらけの斜面を、時には四つん這いになりながら登っていく。レイは何度か足を滑らせそうになったが、エステルがそれを素早く支えた。
夕暮れ時、二人は小さな平地で野営の準備を始めた。焚き火を囲んで座り、干し肉を無言で噛みしめる。静寂の中、時折聞こえるドラゴンの遠吠えが、彼らの緊張感を高めていった。
夜が更けると、エステルが静かに口を開いた。「レイ、明日は…」
レイは頷いた。「ああ、明日だな」
それ以上の言葉は必要なかった。
翌朝、二人は夜明け前に出発した。山頂に近づくにつれ、空気が薄くなり、レイの呼吸が荒くなる。しかし、歩みは止まらなかった。
そして正午過ぎ、ついに二人は巨大な横穴の前に立った。洞窟の奥から、ドラゴンの寝息とも言えるような低い唸り声が聞こえてくる。
レイとエステルは顔を見合わせた。決意の言葉も交わさなかったが、二人の目には覚悟が宿っていた。深呼吸をして、ゆっくりと洞窟の中へと足を踏み入れる。
二人は、狭い横穴をゆっくりと進んでいった。壁は粗い岩肌で覆われ、時折水滴が落ちる音が静寂を破る。レイの呼吸が再び荒くなっていく。
「エステル、大丈夫か?」レイが小声で尋ねる。
エステルは無言で頷いた。いちおう気遣ったが、彼女はまったく呼吸の乱れがない。その事にレイは自分の情けなさと同時に彼女が人では無い事を再認識していた。
突然、前方に微かな光が見えた。二人は足を止め、互いに顔を見合わせる。レイが小さく頷き、二人は慎重に前進を続けた。
横穴の出口に近づくにつれ、空気が変わった。生暖かく、嗅いだ事のない匂いがする。そして、低い唸り声のような音が聞こえてきた。
二人はその巨大な空洞に足を踏み入れ、その瞬間、息を呑む光景が広がった。
洞窟の中央に、巨大なドラゴンが横たわっている。その大きさはちょっとした家屋くらいあった。鱗に覆われた体が広い洞窟をこじんまりと感じさせる。長い首は地面に這いつくばり、鼻先から白い煙が立ち昇っていた。
ドラゴンは眠っているようだったが、その存在感だけで空間全体が圧迫されているようだった。
レイは思わず後ずさりしそうになったが、エステルの手は、無意識に剣の柄を握りしめた。
ドラゴンの鱗は、月明かりのような淡い光を放っている。その一枚一枚が、盾のように頑丈そうで、剣で切り裂くのは至難の業に思えた。
巨大な翼は、両側に折り畳まれ。尻尾は、蛇のように地面に這いつくばる。その先端は洞窟の隅まで伸びていた。
閉じられた瞳だけで、人一人分ほどもある。その目蓋が開いたら、どれほどの恐怖が待っているのだろうか。
レイは喉の渇きを感じた。エステルの顔から、薄っすらと緊張が垣間見える。ドラゴンが少し体勢を変えた。その動きだけで、地面が微かに揺れるのだ。
レイは、息を詰めて身を固くした。今、このドラゴンが目を覚ましたら…その想像だけで、背筋が凍るようだった。
しかし、その瞬間、エステルが突如として動いた。
「エステル、待て!」レイの声が響く前に、彼女はすでに剣を抜き走り出していた。
エステルの剣が風を切る音が、静寂を破り。彼女の刃がドラゴンの鱗に叩きつけられる。しかしそれはアッサリと弾かれ、鋭い金属音が洞窟に響き渡った。
ドラゴンの目が一瞬にして開いた。その瞳には、怒りと殺意が宿っていた。
最近では〝国に捨てられた村〟と、面白半分で見に来る者もいた。
部屋には重い沈黙が落ちた。
レイはエステルの様子を気遣いながら、考えを巡らせた末に切り出した。
「村長さん。俺たちに、そのドラゴンと戦う方法はありませんか?」
「正気ですか?ドラゴンですよ?」と不安そうな顔をする村長に、エステルが口を開く。
「私には戦える力があります」
レイも、その言葉に力強く頷いた。
「俺たちにできることは全てやります。この村の為にも」
「ありがとうございます。あなたたちの勇気に、心から感謝します」村長が深々と頭を下げた。
その後、村長は村の書庫への案内を申し出た。
「ドラゴンに関する物語や資料は、この村に昔から沢山残っています。どうか知識を高めて挑んでください」
レイとエステルは村長に従った。
ドラゴンを相手にするなんて、思いもよらない展開ではあったが、それを成し遂げる事がエステルの記憶と、感情を取り戻すキッカケになるような予感をレイは感じていた。
その日の午後。村の書庫で、レイとエステルは山積みの本に囲まれていた。埃っぽい空気の中、二人は必死にドラゴンに関する情報を漁る。
「なあ、エステル」レイが呼びかける。「この本によると、ドラゴンの弱点は腹らしい。表面は鱗で刃物が通らないのかもな」
「なるほど、私も腹が弱点です」
「そうなのか?」とレイは彼女の意外な一面に驚いたが、エステルはサラッと続けた。
「剣の腹は弱いのです」
レイは、そっぽ向いて次の書物を漁りながら言う。
「おい。お前、もう剣の感覚で話すのはやめろ。聞いてて紛らわしいからな」
レイは、手に取った書物のページをめくる。情報としては、やはり鱗は避け、腹や目など、比較的柔らかな所を狙うのが鉄則のようだった。
その後も二人は夜遅くまで書物を読み漁ったが、ドラゴンを知るほど、レイの緊張感は増していった。
「レイ」エステルに突然呼びかけられ、思わずレイの顔が強ばる。
「なんだ?」
「勝てるでしょうか……」そう呟くエステルの表情からは、若干の不安が伺える。
「ほう。お前でも不安になるんだな。まさか怖いのか?」
「いえ。でも、もし私がドラゴンに食べられそうになった時は……」
彼女の重い雰囲気にレイは息を呑んだ。
「俺に一人だけ逃げろ、なんて言うなよ」
「いえ。その時は私を振り回してください。きっと役にたって見せます。切れ味だけが私の誇りですから」
エステルは真剣だった。
「お前……剣の感覚で話すなと言っただろ」
そんなやり取りを繰り返しながら、二人は少しずつドラゴンとの戦いに向けての準備を進めていった。
早朝、薄暗い空の下、レイとエステルは静かに村を後にした。書物にあった〝竜の巣〟と呼ばれる場所を目指して。村人たちの不安と期待の眼差しを背に受けながら、二人は山道へと足を踏み入れた。
最初の数時間、二人は無言で歩き続けた。急な斜面を登り、時には細い崖沿いの道を慎重に進む。レイは時折、エステルの様子を窺っていたが、彼女の表情は相変わらず無表情だった。
昼過ぎ、遠くでドラゴンの咆哮が聞こえた。二人は足を止め、その方向を見つめる。エステルの手が無意識に剣の柄に伸びる。
レイはそんな彼女の肩に軽く手を置いた。言葉は交わさなかったが、その仕草だけで十分だった。
午後になると、道はさらに険しくなった。岩だらけの斜面を、時には四つん這いになりながら登っていく。レイは何度か足を滑らせそうになったが、エステルがそれを素早く支えた。
夕暮れ時、二人は小さな平地で野営の準備を始めた。焚き火を囲んで座り、干し肉を無言で噛みしめる。静寂の中、時折聞こえるドラゴンの遠吠えが、彼らの緊張感を高めていった。
夜が更けると、エステルが静かに口を開いた。「レイ、明日は…」
レイは頷いた。「ああ、明日だな」
それ以上の言葉は必要なかった。
翌朝、二人は夜明け前に出発した。山頂に近づくにつれ、空気が薄くなり、レイの呼吸が荒くなる。しかし、歩みは止まらなかった。
そして正午過ぎ、ついに二人は巨大な横穴の前に立った。洞窟の奥から、ドラゴンの寝息とも言えるような低い唸り声が聞こえてくる。
レイとエステルは顔を見合わせた。決意の言葉も交わさなかったが、二人の目には覚悟が宿っていた。深呼吸をして、ゆっくりと洞窟の中へと足を踏み入れる。
二人は、狭い横穴をゆっくりと進んでいった。壁は粗い岩肌で覆われ、時折水滴が落ちる音が静寂を破る。レイの呼吸が再び荒くなっていく。
「エステル、大丈夫か?」レイが小声で尋ねる。
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突然、前方に微かな光が見えた。二人は足を止め、互いに顔を見合わせる。レイが小さく頷き、二人は慎重に前進を続けた。
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二人はその巨大な空洞に足を踏み入れ、その瞬間、息を呑む光景が広がった。
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