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第19話
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翌日、私は決意を胸に会社へ向かった。天道くんとの話し合いの時が来たのだ。オフィスで彼を見つけると、私は深呼吸をして彼に近づいた。
「天道くん、話があります」
彼は穏やかな笑顔で頷いた。「どうぞ、紡木さん」
人気のない会議室に入り、私は真剣な表情で彼と向き合う。
「あなたの提案、やはり断ります」
彼の表情が一瞬曇ったが、すぐに笑顔を取り戻す。
「そうですか。残念です」
「あなたが力を使うこと自体は止めない。でも、それによって誰かが不幸になるなら、それを止めるために私は力を使う」
彼は小さく笑う。
「まるで正義の味方ですね、紡木さん」
「違います」私は首を横に振った。「ただ、不必要な犠牲は出したくないだけ」
彼は真剣な表情で答えた。
「分かりました。でも、紡木さん。あなたは必ず自分のために力を使うことになりますよ」
その言葉に、私は一瞬たじろいだが、すぐに気を取り直した。使ってなるものかと。
「それは、そのときになってみないと分かりません」
会話を終え、私たちはそれぞれの席に戻った。
しかし、この日を境に、会社の雰囲気が少しずつ変わり始めた。天道くんは次々と大型プロジェクトを成功させ、会社の業績を急上昇させていったのだ。
ある日、佐藤さんが私の元にやってきた。
「紡木さん、大丈夫?最近、天道さんのプロジェクトから外されてるみたいだけど...」
私は苦笑いを浮かべた。
「うん、大丈夫よ」
本当は大丈夫ではなかった。彼の影響力が日に日に強くなっていくのを感じているのだ。
その夜、和也さんに電話をした。
「和也さん、私...大丈夫かな」
「詩織、君ならきっと大丈夫だよ。正しいと思うことを貫いてね」
彼の言葉に、少し勇気をもらえた気がした。
翌日、私は新たな決意を胸に会社へ向かった。天道くんとの戦いは、まだ始まったばかり。これからどんな困難が待っているのか分からない。でも、私には守るべきものがある。
そう思いながら、私はオフィスのドアを開けた。
しかし、会社では天道くんの影響力が強まっていく中、私の立場は徐々に悪化していったのだ。
ある朝、部長に呼び出された。
「紡木さん、悪いが今回のプロジェクトから外れてもらうことになった」
私は驚いて部長の顔を見上げた。「どうしてですか?」
「先方さんから、紡木さんを外してくれと言われてね...」
「そんな!なんで......」
「理由はよくわからないが。そういう事だからすまない。後の事は佐藤さんがやることになったから」
部長の言葉に、私は複雑な思いを抱いた。確かに佐藤さんは優秀だ。でも、きっとこの裏には天道くんの介入があるのだろう。
オフィスに戻ると、佐藤さんが申し訳なさそうな顔で近づいてきた。
「紡木さん、ごめんね。私がプロジェクトに入ることになって...」
「気にしないで。私の力不足だから」
私は精一杯の笑顔を作った。でも、佐藤さんの目には戸惑いの色が浮かんでいた。
その後、佐藤さんとの関係も少しずつぎこちなくなっていった。彼女が私を避けるようになっていった。
ある日、ふと噂が耳に入ってきた。
「知ってる?紡木さん。天道くんに凄いアプローチしてたらしいよ」
「ええ!?まじ?」
「佐藤さんも天道くん狙ってたよね?まさか、それが原因でプロジェクトメンバー変更になったとか?」
私は息を呑んだ。別に自分がどう言われた所で関係ないが、佐藤さんが私を避けていた理由がハッキリした。彼は佐藤さんと私の関係を壊そうとしているのだ。
それから私は、上手くいくはずの仕事が次々と躓いていった。クライアントとの会議で突然スケジュールが変更されたり、重要なデータが消えてしまったり。
全て天道くんの運命操作によるものだと分かっていても、これは証明出来ない。
それでも、私は和也さんとの約束を思い出していた。「誰も不幸にならないなら、運命操作に頼らない」
私は必死に自分のミスを取り返そうとした。夜遅くまで残業し、休日も返上して仕事に打ち込んだ。
「紡木さん、最近疲れてるみたいだけど大丈夫?」
同僚の心配そうな声。
「ありがとう、大丈夫よ」
笑顔で答えたが、実際はどんどん追い詰められていく感覚があった。
ある夜、泣きながら和也さんに電話をした。
「和也さん...もう限界かも」
「詩織、大丈夫だよ。君は正しいことをしている。僕がついているから」
彼の言葉に、少し心が落ち着く。
「ありがとう...でも、これ以上会社にいても...」
「無理はしなくていいよ。詩織の幸せが一番大事だから」
その優しさに、また涙があふれた。
「うん...でも、もう少し頑張ってみる」
電話を切った後、窓の外を見つめる。彼さえ居てくれれば私は頑張れる。
明日からまた、新たな戦いが始まる。でも、一人じゃない。彼がいる。そして、自分の信念がある。
日々の仕事はますます厳しくなっていった。小さなプロジェクトからも外され、重要な会議にも呼ばれなくなり、私の存在感は薄れていく一方だった。
ある日、私は部長に呼び出された。
「紡木さん。異動命令が出た。悪いけど、来週から広報部の方へ行ってくれるかな?」
「そうですか...」
呟きながら、私は深いため息をついた。それは実質の降格だった。もはや希望は見えない。
昼休憩、カフェテリアで一人寂しく食事をしていると、佐藤さんが近づいてきた。
「紡木さん、聞いたわ。異動だって...」
彼女の目には、同情の色が浮かんでいた。
「うん、そうなの」
「私...紡木さんのこと、誤解してたみたいで。天道さんから色々聞いてたけど、本当はそうじゃなかったのよね?」
佐藤さんの言葉に、私は苦笑いを浮かべた。
「もういいのよ、佐藤さん。ありがとう」
その日の夜、和也さんに電話をした。
「和也さん、私...企画部から出されちゃった...」
「詩織、大丈夫?」
「もう、どうしようもない」
電話の向こうで、彼が深いため息をついた。
「詩織、諦めないで。必ず道は開けるはずだ」
その言葉に、私は弱々しく笑った。
「ありがとう、でも、もう...」
それ以上、彼は何も言わなかった。
しかし翌日、部長から呼び出しを受ける。覚悟を決めて部長室に向かう私に意外な言葉がかかった。
「紡木さん、やはり異動は無くなった」
「え?」私は不思議そうな顔で部長を見る。
「大手取引先から、君を指名で新規プロジェクトの依頼があってね。以前君が企画した、ほら。あの音楽イベントの働きを高く評価してて」
その言葉に、私は息を呑んだ。
「え?本当ですか?」
「ああ。だから、調子の良い話だけど。ここは一つ、またよろしく頼むよ」
部長の言葉に、私の目に涙が溢れそうになった。
「頑張ります!...」
その日の夜、和也さんと会った。
「和也さん、私...」
「詩織、おめでとう」
私は深く息を吐いた。彼がきっと手を回してくれたのだ。感謝のしようもない。
「和也さん。ありがとう」
「ん?僕は何もしてないよ?ただ、うちの担当が詩織を指名したって聞いただけだ」
その言葉に私は呆気に取られた。
「え?てっきり私は和也さんが......」
「違うよ。これは君が自分の手で掴み取った結果だ。運命なんて操作しなくても、一生懸命やった事は誰かが見てるんだよ」
私は徐々に状況を理解し、全てを理解した。
その日から、私の新しい戦いが始まった。天道くんの力は依然として強大だが、私にも新たな武器ができた。自分の実力で掴み取ったプロジェクトと、信頼できる仲間たち。
時には、彼の策略に巻き込まれそうになった同僚を助け、時には彼の暴走を密かに阻止した。
それでも、天道くんの影響力は会社内でますます強くなっていくばかり。彼の手法は巧妙になり、直接的な対決は難しくなっていった。
「詩織、大丈夫?」
プロジェクトの打ち合わせで和也さんの会社に行った時、彼は心配そうに尋ねてきたが。私の意思は以前より遥かに強くなっていた。
「うん、まだ戦える」
「そっか。でも無理しないでね。君の正義は必ず報われるはずだ」
「ありがとう、和也さん」
彼の優しさに、心が温かくなった。
新しいプロジェクトを進めながら、私は天道との静かな戦いを続けていた。表面上は平和な日常だが、水面下では激しい駆け引きが続いている。
この戦いがいつまで続くのか、誰にも分からない。でも、私には確かな味方がいる。そして、自分の力で掴み取った実績がある。
「きっと、正しい未来は作れるはず」
そう信じて、私は前を向いて歩き続けることにした。
「天道くん、話があります」
彼は穏やかな笑顔で頷いた。「どうぞ、紡木さん」
人気のない会議室に入り、私は真剣な表情で彼と向き合う。
「あなたの提案、やはり断ります」
彼の表情が一瞬曇ったが、すぐに笑顔を取り戻す。
「そうですか。残念です」
「あなたが力を使うこと自体は止めない。でも、それによって誰かが不幸になるなら、それを止めるために私は力を使う」
彼は小さく笑う。
「まるで正義の味方ですね、紡木さん」
「違います」私は首を横に振った。「ただ、不必要な犠牲は出したくないだけ」
彼は真剣な表情で答えた。
「分かりました。でも、紡木さん。あなたは必ず自分のために力を使うことになりますよ」
その言葉に、私は一瞬たじろいだが、すぐに気を取り直した。使ってなるものかと。
「それは、そのときになってみないと分かりません」
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しかし、この日を境に、会社の雰囲気が少しずつ変わり始めた。天道くんは次々と大型プロジェクトを成功させ、会社の業績を急上昇させていったのだ。
ある日、佐藤さんが私の元にやってきた。
「紡木さん、大丈夫?最近、天道さんのプロジェクトから外されてるみたいだけど...」
私は苦笑いを浮かべた。
「うん、大丈夫よ」
本当は大丈夫ではなかった。彼の影響力が日に日に強くなっていくのを感じているのだ。
その夜、和也さんに電話をした。
「和也さん、私...大丈夫かな」
「詩織、君ならきっと大丈夫だよ。正しいと思うことを貫いてね」
彼の言葉に、少し勇気をもらえた気がした。
翌日、私は新たな決意を胸に会社へ向かった。天道くんとの戦いは、まだ始まったばかり。これからどんな困難が待っているのか分からない。でも、私には守るべきものがある。
そう思いながら、私はオフィスのドアを開けた。
しかし、会社では天道くんの影響力が強まっていく中、私の立場は徐々に悪化していったのだ。
ある朝、部長に呼び出された。
「紡木さん、悪いが今回のプロジェクトから外れてもらうことになった」
私は驚いて部長の顔を見上げた。「どうしてですか?」
「先方さんから、紡木さんを外してくれと言われてね...」
「そんな!なんで......」
「理由はよくわからないが。そういう事だからすまない。後の事は佐藤さんがやることになったから」
部長の言葉に、私は複雑な思いを抱いた。確かに佐藤さんは優秀だ。でも、きっとこの裏には天道くんの介入があるのだろう。
オフィスに戻ると、佐藤さんが申し訳なさそうな顔で近づいてきた。
「紡木さん、ごめんね。私がプロジェクトに入ることになって...」
「気にしないで。私の力不足だから」
私は精一杯の笑顔を作った。でも、佐藤さんの目には戸惑いの色が浮かんでいた。
その後、佐藤さんとの関係も少しずつぎこちなくなっていった。彼女が私を避けるようになっていった。
ある日、ふと噂が耳に入ってきた。
「知ってる?紡木さん。天道くんに凄いアプローチしてたらしいよ」
「ええ!?まじ?」
「佐藤さんも天道くん狙ってたよね?まさか、それが原因でプロジェクトメンバー変更になったとか?」
私は息を呑んだ。別に自分がどう言われた所で関係ないが、佐藤さんが私を避けていた理由がハッキリした。彼は佐藤さんと私の関係を壊そうとしているのだ。
それから私は、上手くいくはずの仕事が次々と躓いていった。クライアントとの会議で突然スケジュールが変更されたり、重要なデータが消えてしまったり。
全て天道くんの運命操作によるものだと分かっていても、これは証明出来ない。
それでも、私は和也さんとの約束を思い出していた。「誰も不幸にならないなら、運命操作に頼らない」
私は必死に自分のミスを取り返そうとした。夜遅くまで残業し、休日も返上して仕事に打ち込んだ。
「紡木さん、最近疲れてるみたいだけど大丈夫?」
同僚の心配そうな声。
「ありがとう、大丈夫よ」
笑顔で答えたが、実際はどんどん追い詰められていく感覚があった。
ある夜、泣きながら和也さんに電話をした。
「和也さん...もう限界かも」
「詩織、大丈夫だよ。君は正しいことをしている。僕がついているから」
彼の言葉に、少し心が落ち着く。
「ありがとう...でも、これ以上会社にいても...」
「無理はしなくていいよ。詩織の幸せが一番大事だから」
その優しさに、また涙があふれた。
「うん...でも、もう少し頑張ってみる」
電話を切った後、窓の外を見つめる。彼さえ居てくれれば私は頑張れる。
明日からまた、新たな戦いが始まる。でも、一人じゃない。彼がいる。そして、自分の信念がある。
日々の仕事はますます厳しくなっていった。小さなプロジェクトからも外され、重要な会議にも呼ばれなくなり、私の存在感は薄れていく一方だった。
ある日、私は部長に呼び出された。
「紡木さん。異動命令が出た。悪いけど、来週から広報部の方へ行ってくれるかな?」
「そうですか...」
呟きながら、私は深いため息をついた。それは実質の降格だった。もはや希望は見えない。
昼休憩、カフェテリアで一人寂しく食事をしていると、佐藤さんが近づいてきた。
「紡木さん、聞いたわ。異動だって...」
彼女の目には、同情の色が浮かんでいた。
「うん、そうなの」
「私...紡木さんのこと、誤解してたみたいで。天道さんから色々聞いてたけど、本当はそうじゃなかったのよね?」
佐藤さんの言葉に、私は苦笑いを浮かべた。
「もういいのよ、佐藤さん。ありがとう」
その日の夜、和也さんに電話をした。
「和也さん、私...企画部から出されちゃった...」
「詩織、大丈夫?」
「もう、どうしようもない」
電話の向こうで、彼が深いため息をついた。
「詩織、諦めないで。必ず道は開けるはずだ」
その言葉に、私は弱々しく笑った。
「ありがとう、でも、もう...」
それ以上、彼は何も言わなかった。
しかし翌日、部長から呼び出しを受ける。覚悟を決めて部長室に向かう私に意外な言葉がかかった。
「紡木さん、やはり異動は無くなった」
「え?」私は不思議そうな顔で部長を見る。
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その言葉に、私は息を呑んだ。
「え?本当ですか?」
「ああ。だから、調子の良い話だけど。ここは一つ、またよろしく頼むよ」
部長の言葉に、私の目に涙が溢れそうになった。
「頑張ります!...」
その日の夜、和也さんと会った。
「和也さん、私...」
「詩織、おめでとう」
私は深く息を吐いた。彼がきっと手を回してくれたのだ。感謝のしようもない。
「和也さん。ありがとう」
「ん?僕は何もしてないよ?ただ、うちの担当が詩織を指名したって聞いただけだ」
その言葉に私は呆気に取られた。
「え?てっきり私は和也さんが......」
「違うよ。これは君が自分の手で掴み取った結果だ。運命なんて操作しなくても、一生懸命やった事は誰かが見てるんだよ」
私は徐々に状況を理解し、全てを理解した。
その日から、私の新しい戦いが始まった。天道くんの力は依然として強大だが、私にも新たな武器ができた。自分の実力で掴み取ったプロジェクトと、信頼できる仲間たち。
時には、彼の策略に巻き込まれそうになった同僚を助け、時には彼の暴走を密かに阻止した。
それでも、天道くんの影響力は会社内でますます強くなっていくばかり。彼の手法は巧妙になり、直接的な対決は難しくなっていった。
「詩織、大丈夫?」
プロジェクトの打ち合わせで和也さんの会社に行った時、彼は心配そうに尋ねてきたが。私の意思は以前より遥かに強くなっていた。
「うん、まだ戦える」
「そっか。でも無理しないでね。君の正義は必ず報われるはずだ」
「ありがとう、和也さん」
彼の優しさに、心が温かくなった。
新しいプロジェクトを進めながら、私は天道との静かな戦いを続けていた。表面上は平和な日常だが、水面下では激しい駆け引きが続いている。
この戦いがいつまで続くのか、誰にも分からない。でも、私には確かな味方がいる。そして、自分の力で掴み取った実績がある。
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