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第6話 衣を着る
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浴室から出ると、先程まで暁月が座っていた寝台の横にある椅子に座らされた。
身体に掛けられていた大判のタオルがふわふわと宙に舞い、代わりに光沢のある黒い外套がこれまたふわふわと飛んできて肩を覆う。
魔術というより魔法といった方が正しいだろう。
しかし、魔力を持つものがとても少ないというのに、このような使い方はとんでもなく贅沢ではないのだろうか。
それとも魔術が使えるものは皆このように手足のように力を使うことが普通なのだろうか。
唯一、自分が知っている魔力を持つ少女はこんな力の使い方はしていなかったと記憶している。
(魔力の無駄遣い…)
そんなことをシエルは思っていた。
ふと、こんな風に魔力で物を動かせるなら、自分もその力で浴室まで運べば良かったのでは?という疑問が頭を過ぎる。
わざわざ抱き上げて、衣服を濡らす(瞬時に乾いたが)必要はなかったのでは?
(重さの制限でもあるのだろうか…魔術や魔力はよくわからないな…)
暁月は寝台の左側にある大きなクローゼットに視線を遣ると、キィと音を立てて両開きの扉が開いた。
これから面白いものが見れるぞ、という視線をこちらに向けて不敵に笑う。
「シエルレイン、立て」
暁月が人差し指をスッと天井に向かって上げる動作をした途端、シエルレインは椅子から立ち上がった。
いや、立ち上がらされたというべきか。
3年間寝たきりで筋力がほとんど落ちてしまっている足ではそうそうすぐに立ち上がることはできない。
両足や腰、背中に暖かい圧力を感じる。
暁月が魔力でシエルレインの体を操っているのだろう。
反対の人差し指でクローゼットを指し、自分の方に引き寄せる。
そしてその指をシエルレインに向けて放つように指差した。
その瞬間、クローゼットからいくつかの衣服が飛び出し、裸の皇子様に向かって飛んでいく。
まるで御伽話に出てくる魔法をかけられたどこかのお姫様のように、さらさらと上質な布で織られた衣服がシエルレインの肌を包んでいく。
醜い怪我の跡を覆うように、右手の指から首元、左腕を除いて両の脚までを、伸縮性があり、闇のような黒い色をした総身の襪が包む。
まるで赤黒い肉の部分に新しい皮膚が再生されたような触感だ。
袖口までゆったりとした白いシャツには、立てた襟元に大きなリボン状のクラバットをあしらう。
立ったまま少し身体が浮いたと思ったら、足の先から大事な部分を隠すだだけの、面積の薄い下着を穿かされる。さらに同じ白い色のブリーチズがするすると侵入してきた。
(魔力で人ひとりを浮かせることはできるということか…移動可能な高さと距離なども関係するのか…)
湯浴みの際の出来事を思い出しているうちに着替えは進んでいく。
下穿きがシャツを取り込み、前ボタンが閉まる。
そのまま膝丈まである柔らかい皮のブーツを履かされた。
銀糸の刺繍がたっぷり入ったベストを羽織らせられると、暖かい圧力に誘導されて再び椅子に腰掛ける。
暁月はシエルレインに近づくと、椅子の背後に立つと両耳のあたりに手を翳した。
「せっかくこんなに美しい髪が残っているのだからこれを生かそうではないか。私好みに切ってやろう」
そういうと頬から背中にかけて、柔らかい風が吹いた。
サクサクと小気味良い音が耳のすぐ近くから聞こえる。
どうやら風の魔術で髪を整えているらしい。
またしても魔力の無駄遣いを…と思ったが、誰かに髪の毛を触られるのは心地よい。
いつもは朱金の毛先が肩に触れるか触れないかの長さで揃えてあったが、長く残しておくのも悪くないかもしれない。
顔を隠すのにもちょうど良いだろう。
「できたぞ、シエル。さて、仕上げは、これを」
暁月は後ろから腕を回し、抱き込むように頭を覆った。
シエルレインの右半分の顔に冷たい感覚が不意に走り、身体がびくりとする。
「さあ、新たなる《明けの明星》様の完成だ。こちらへどうぞ、シエルレイン様」
左手を暁月に取られ、立ち上がる。
再び両足が暖かい。
導かれるままに豪奢な彫刻で縁取られた鏡の前に立つ。
見知らぬ誰かと目が合った。
鏡の中の青年は記憶にある姿より随分身長が伸びているようだ。
隣に並ぶ暁月の唇あたりに自分の頭がある。
怪我の跡はほとんど衣服で隠され、覆いきれない指先や首元はあの黒い襪で全く見えない。
右手は上質な黒い手袋でも嵌めているかのようだ。
見覚えのある朱金の髪。
腰まで伸びていた髪は胸下あたりまで切られ整えられており、背中に流されている。
前髪部分は真ん中で分けられ両頬の少し下のところで切り揃えられている。
そして顔を見遣るとーーー
真鍮で作られた、黒地に金の細やかな模様が施された半顔の仮面が、右半分の顔を覆っていた。
白を基調とした豪奢な衣装を身に纏い、美しい朱金の髪が頬や背中に流れ、ひとつしかないアメジストの瞳は輝石の輝きを宿す。
その様は、神か悪魔か、人ではない何かが現世に現れたのではないかと思わせる程美しくまた恐ろしくあった。
「これはまた、傑作であるな」
シエルレインの後ろに立つ暁月が、鏡越しにこちらを見ながら言った。
うっとりと妖しい色気を放ちながら目を細めて笑っている。
「これなら以前と変わらず、麗しき皇子様として持て囃されそうだ。だが一度でも誰かがお前の衣服を剥ぎとり、仮面を外せば…クックックいやはやどんな顔を見せてくれるのやら」
「意地悪だね、暁月は」
呆れた、という視線を暁月に向けてため息をつく。
「でもこれなら皆が怯えることもなさそうでよかった。世話役をどうするか考える必要がありそうだけど」
「世話役はこの3年間のように、私でよかろう、シエル?」
「いや、でも…」
「目覚める前の夢の世界で、全てを私に預けるといいと言ったであろう?」
そういえば暁月とは、一体何者なのだろうか。
夢の生活の中で幾度か聞いたことがあったが、いつも
「目が覚めたら教えてやる」
と言われ、はぐらかされていた。
事故にあった当日、父である皇帝に謁見していたということは、他国の使者か要人か。
名前と衣服からしておそらく東方のとある国の者ではないかと思う。
魔術、医術、治癒術を行使でき、帝王学や剣術まで教授できるほど高い知識と、武術をもっていること、さらに立ち居振る舞いからして凡人ではないことは明らかだ。
しかしそのような人物が見知らぬ一国の皇子のためにこんなに長い期間、傍に身を寄せれるものなのだろうか。
自分の知らない間に、現実世界で暁月の滞在許可や何かしらの協定、契約でも結んだのだろうか。
3年間共に暮らしたというのに、暁月について詳しいことは何も知らなかった。
「さて、シエルレイン。支度もできたことであるし、お前の目覚めを待ち望んでいた者達におはようの挨拶でもしに参ろうか。歩行や身体の動きは私の魔力で補助しよう。目覚めてすぐに以前のように美しく振る舞うお前を見れば皆歓喜の涙に打ち震えるだろうな」
「はぁ…美しいとかそうでないとか、そういうのはもうどうでもいいよ。皆んなを怖がらせなければ」
今だに自分の身体全てをしげしげと見つめて理解したわけではないが、おおよそ人体模型のような見た目になっていると思って良いだろう。
奇跡の美貌だとか、口づけ一つで国が争い滅びるとか、散々持て囃されてきた自分の容姿が失われたことは特に惜しいと思うこともなく、そうなってしまったものは仕方ないと、目が覚めて自分の手を見た時から何故かすんなりと納得していた。
目覚める前に自分の状態を暁月から聞いた時は、想像を絶し絶望しかけたが、いざそれに直面してみると、そうか、と思う以外にあまり感情は浮かんでこなかった。
命があっただけ、ありがたい。
「では、エスコートしてもらおうかな、暁月殿?」
シエルレインは黒く包まれた右手を暁月に差し出し、精一杯の天上の微笑みを浮かべて言った。
暁月はその手を取り、跪くとそっと手の甲に口づけをする。
その2人のやり取りは恐ろしい程甘美な光景であった。
身体に掛けられていた大判のタオルがふわふわと宙に舞い、代わりに光沢のある黒い外套がこれまたふわふわと飛んできて肩を覆う。
魔術というより魔法といった方が正しいだろう。
しかし、魔力を持つものがとても少ないというのに、このような使い方はとんでもなく贅沢ではないのだろうか。
それとも魔術が使えるものは皆このように手足のように力を使うことが普通なのだろうか。
唯一、自分が知っている魔力を持つ少女はこんな力の使い方はしていなかったと記憶している。
(魔力の無駄遣い…)
そんなことをシエルは思っていた。
ふと、こんな風に魔力で物を動かせるなら、自分もその力で浴室まで運べば良かったのでは?という疑問が頭を過ぎる。
わざわざ抱き上げて、衣服を濡らす(瞬時に乾いたが)必要はなかったのでは?
(重さの制限でもあるのだろうか…魔術や魔力はよくわからないな…)
暁月は寝台の左側にある大きなクローゼットに視線を遣ると、キィと音を立てて両開きの扉が開いた。
これから面白いものが見れるぞ、という視線をこちらに向けて不敵に笑う。
「シエルレイン、立て」
暁月が人差し指をスッと天井に向かって上げる動作をした途端、シエルレインは椅子から立ち上がった。
いや、立ち上がらされたというべきか。
3年間寝たきりで筋力がほとんど落ちてしまっている足ではそうそうすぐに立ち上がることはできない。
両足や腰、背中に暖かい圧力を感じる。
暁月が魔力でシエルレインの体を操っているのだろう。
反対の人差し指でクローゼットを指し、自分の方に引き寄せる。
そしてその指をシエルレインに向けて放つように指差した。
その瞬間、クローゼットからいくつかの衣服が飛び出し、裸の皇子様に向かって飛んでいく。
まるで御伽話に出てくる魔法をかけられたどこかのお姫様のように、さらさらと上質な布で織られた衣服がシエルレインの肌を包んでいく。
醜い怪我の跡を覆うように、右手の指から首元、左腕を除いて両の脚までを、伸縮性があり、闇のような黒い色をした総身の襪が包む。
まるで赤黒い肉の部分に新しい皮膚が再生されたような触感だ。
袖口までゆったりとした白いシャツには、立てた襟元に大きなリボン状のクラバットをあしらう。
立ったまま少し身体が浮いたと思ったら、足の先から大事な部分を隠すだだけの、面積の薄い下着を穿かされる。さらに同じ白い色のブリーチズがするすると侵入してきた。
(魔力で人ひとりを浮かせることはできるということか…移動可能な高さと距離なども関係するのか…)
湯浴みの際の出来事を思い出しているうちに着替えは進んでいく。
下穿きがシャツを取り込み、前ボタンが閉まる。
そのまま膝丈まである柔らかい皮のブーツを履かされた。
銀糸の刺繍がたっぷり入ったベストを羽織らせられると、暖かい圧力に誘導されて再び椅子に腰掛ける。
暁月はシエルレインに近づくと、椅子の背後に立つと両耳のあたりに手を翳した。
「せっかくこんなに美しい髪が残っているのだからこれを生かそうではないか。私好みに切ってやろう」
そういうと頬から背中にかけて、柔らかい風が吹いた。
サクサクと小気味良い音が耳のすぐ近くから聞こえる。
どうやら風の魔術で髪を整えているらしい。
またしても魔力の無駄遣いを…と思ったが、誰かに髪の毛を触られるのは心地よい。
いつもは朱金の毛先が肩に触れるか触れないかの長さで揃えてあったが、長く残しておくのも悪くないかもしれない。
顔を隠すのにもちょうど良いだろう。
「できたぞ、シエル。さて、仕上げは、これを」
暁月は後ろから腕を回し、抱き込むように頭を覆った。
シエルレインの右半分の顔に冷たい感覚が不意に走り、身体がびくりとする。
「さあ、新たなる《明けの明星》様の完成だ。こちらへどうぞ、シエルレイン様」
左手を暁月に取られ、立ち上がる。
再び両足が暖かい。
導かれるままに豪奢な彫刻で縁取られた鏡の前に立つ。
見知らぬ誰かと目が合った。
鏡の中の青年は記憶にある姿より随分身長が伸びているようだ。
隣に並ぶ暁月の唇あたりに自分の頭がある。
怪我の跡はほとんど衣服で隠され、覆いきれない指先や首元はあの黒い襪で全く見えない。
右手は上質な黒い手袋でも嵌めているかのようだ。
見覚えのある朱金の髪。
腰まで伸びていた髪は胸下あたりまで切られ整えられており、背中に流されている。
前髪部分は真ん中で分けられ両頬の少し下のところで切り揃えられている。
そして顔を見遣るとーーー
真鍮で作られた、黒地に金の細やかな模様が施された半顔の仮面が、右半分の顔を覆っていた。
白を基調とした豪奢な衣装を身に纏い、美しい朱金の髪が頬や背中に流れ、ひとつしかないアメジストの瞳は輝石の輝きを宿す。
その様は、神か悪魔か、人ではない何かが現世に現れたのではないかと思わせる程美しくまた恐ろしくあった。
「これはまた、傑作であるな」
シエルレインの後ろに立つ暁月が、鏡越しにこちらを見ながら言った。
うっとりと妖しい色気を放ちながら目を細めて笑っている。
「これなら以前と変わらず、麗しき皇子様として持て囃されそうだ。だが一度でも誰かがお前の衣服を剥ぎとり、仮面を外せば…クックックいやはやどんな顔を見せてくれるのやら」
「意地悪だね、暁月は」
呆れた、という視線を暁月に向けてため息をつく。
「でもこれなら皆が怯えることもなさそうでよかった。世話役をどうするか考える必要がありそうだけど」
「世話役はこの3年間のように、私でよかろう、シエル?」
「いや、でも…」
「目覚める前の夢の世界で、全てを私に預けるといいと言ったであろう?」
そういえば暁月とは、一体何者なのだろうか。
夢の生活の中で幾度か聞いたことがあったが、いつも
「目が覚めたら教えてやる」
と言われ、はぐらかされていた。
事故にあった当日、父である皇帝に謁見していたということは、他国の使者か要人か。
名前と衣服からしておそらく東方のとある国の者ではないかと思う。
魔術、医術、治癒術を行使でき、帝王学や剣術まで教授できるほど高い知識と、武術をもっていること、さらに立ち居振る舞いからして凡人ではないことは明らかだ。
しかしそのような人物が見知らぬ一国の皇子のためにこんなに長い期間、傍に身を寄せれるものなのだろうか。
自分の知らない間に、現実世界で暁月の滞在許可や何かしらの協定、契約でも結んだのだろうか。
3年間共に暮らしたというのに、暁月について詳しいことは何も知らなかった。
「さて、シエルレイン。支度もできたことであるし、お前の目覚めを待ち望んでいた者達におはようの挨拶でもしに参ろうか。歩行や身体の動きは私の魔力で補助しよう。目覚めてすぐに以前のように美しく振る舞うお前を見れば皆歓喜の涙に打ち震えるだろうな」
「はぁ…美しいとかそうでないとか、そういうのはもうどうでもいいよ。皆んなを怖がらせなければ」
今だに自分の身体全てをしげしげと見つめて理解したわけではないが、おおよそ人体模型のような見た目になっていると思って良いだろう。
奇跡の美貌だとか、口づけ一つで国が争い滅びるとか、散々持て囃されてきた自分の容姿が失われたことは特に惜しいと思うこともなく、そうなってしまったものは仕方ないと、目が覚めて自分の手を見た時から何故かすんなりと納得していた。
目覚める前に自分の状態を暁月から聞いた時は、想像を絶し絶望しかけたが、いざそれに直面してみると、そうか、と思う以外にあまり感情は浮かんでこなかった。
命があっただけ、ありがたい。
「では、エスコートしてもらおうかな、暁月殿?」
シエルレインは黒く包まれた右手を暁月に差し出し、精一杯の天上の微笑みを浮かべて言った。
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