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第2章 キール・フェルト・ユグドラシル
7 精霊魔法
しおりを挟む2人は私からごっそりと魔力を奪っていき離れていった。
そして次々とシルフの周りに集まる精霊の魔力とこの世界のマナに見惚れていると後ろから先程の2人の魔力を感じ振り向くと2人はシルフ達を見つめていた
「綺麗」
「魔力…ではないな」
あれが魔力ではないとすぐにわかる辺り彼等達は相当強いのだとわかりました
「あれはマナです」
「マナ ? 」
「世界の魔力の源と言われる世界樹から生まれる力です」
「シルフはこの世界のマナを魔力にして戦おうとしているのですか ? 」
「驚きましたこの世界にもマナの存在は知られているのですか ? 」
あの集まっているものがマナだと教えれば、彼は始めて聞いたという顔をして私とシルフに目をやり、彼女は納得しマナの使い方を答えてきた。
この世界に降り、外に出てみた感じマナの存在は知られておらず使いこなせるものがいないと思っていたため驚きました。
彼女を見ればしまったという顔をし視線を明らかにそらし黙りこんでしまった。その様子を隣の彼は少し観たあと側から離れ私の隣へと歩いてきた
「この世界にマナなど言うものは聞いた事がない」
「…そうなのですね」
この世界にマナなどないと教えてくれた彼は色々教えてくれました
「この世界は魔力を媒体とした魔術を使う」
「魔法ではなく魔術ですか」
「どんな魔術も法則があり陣が必要だ。そしてそれがどのようになるかという過程が必要になる」
「そこら辺はこちらと同じような教えですね」
「だが、それを覆した考え方を俺走りそちらの方が魔力の消費も能力も上がることを知り俺はそちらを使うようにしている」
「それは…どの様なと聞いても…」
「ああ、陣をメインにし過程をするのではなく、結果を決めてから陣を組むというやり方だ」
「つまり、魔法陣…いえ、魔術陣を考えるよりもどのような魔術を使うかどうなるかを考えてから浮かんだ陣をしようする。ということでしょうか ? 」
「そうだ」
「…それは、私が気付かされた方式と同じですね」
「何 ? 」
「私も少し前まで陣を組んでから精霊魔法を使う等しておりましたが。ある人がどんな魔法を使うか想像して浮かんだ呪文を言えば使えると言い出したのです。言われたと降りにやれば今までの苦労など馬鹿のように魔力を練ることも魔法の転回の速さも驚くほど早くなりました」
「…そうか」
「あの貴方は…」
「リオンで構わん」
「リオン殿今後はどうなさりますか」
「俺は旅に出ている途中だ、何れ聖地へと行くつもりだ」
「聖地ですか」
「ああ、世界樹がある所へ向かっている」
「…私も同伴してもよろしいでしょうか」
世界樹という言葉に私は希望をみた気がした
世界樹という存在や場所などそう簡単に見つからないと思っていたからです。シルフ達に聞いても世界樹があるのは感じるが場所まではわからないと言われ頭を抱えていたから…
きっと彼等に出会ったことも偶然ではなく必然なのだと感じ私は同行したいことを聞けば構わないと言ってくれた
良かったと思いふと彼女はいいのかとそちらに目線をやれば彼女はノームと何やら話していた。
何かいっている途中でノームからマナを感じそれが彼女へ入っていく、何かをしたのは分かったが、それが何かまでわからない。
どうしたものかと悩んでいればシルフがノームに声をかけていた
「あれがノームか」
とリオン殿が呟いた。話を聞けば彼はぼんやり光っているものが私の側にいたのは見えたが姿や声は聞こえていなかったらしい
「それではあなたは彼女が挨拶したときに見えたと」
「そうだ」
「…声も聞こえていなかったが今はなんともない」
「となると精霊の真名を知ったからでしょうか…」
「可能性はあるな」
「…となると、この世界では下手に真名は出さない方が良さそうですね」
「ああ」
「分かりました。それから今後は先程話したようにあなた方と行動させていただきます」
「その方が俺も助かる、もう一人いるが今は別行動しているあとで紹介する」
「はい、よろしくお願いします」
「リア」
ノーム、やるぞー …
… のーん、今行くのシルフ …
リオン殿が名前を呼ぶ頃になるとノームはシルフに声をかけられ離れていくところだった。離れていったノームを見ていれば隣にいたリオン殿は彼女のもとへと歩いていき抱き締め始めた。その様子を見て彼女の名前は彼と同じだったことに気付き彼等は夫婦かと納得し私は彼等から視線をそらした。
… キール、ヤるよ !! …
… のーん、周りはいいの …
「分かりました、シルフ」
タイミング良くシルフに声をかけられそちらに集中する
楽しそうにしているシルフ達にやや苦笑してしまうが仕方ないだろう
そう思っていればシルフが精霊魔法を使い始めた
… 刻み踊れ、風の舞 …
シルフがそう言うと、淡く緑に光る風がレットドラゴンをドーム状に囲み中にのみ鎌鼬が荒れ始め容赦なく切り刻んでいく。
シルフのした辺りにいるノームが手に持っている枝を振り回しながらシルフに声をかけていた
… のーん、僕もなの …
… えー …
… 岩の欠片 …
ノームがそういうと淡く茶色に光る5㎝~10㎝サイズの尖りのある岩の欠片が風のドームの中へと飛んでいった。
風の刃に切り刻まれていたレットドラゴンに岩の欠片が次々と突き刺さり致命傷をさらに与えていく、なすすべもなくレットドラゴンはあっという間に息絶えていった。
その時の光景は淡く緑と茶色に輝く光が舞踊っているようだった。
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