異世界転生の始まり 転生したら神の愛し子になりました？

第2章 ｷｰﾙ・ﾌｪﾙﾄ・ﾕｸﾞﾄﾞﾗｼﾙ

1 水の大精霊

「【風刃ウィンドカッター】」

水気の多い遺跡の柱の影から飛び出してきたゲロム１メートル蛙を風の刃で切り刻み絶命させた後、その横を過ぎ去り奥へと進んでいく。

この遺跡はアクアトトと呼ばれる水の都の端にある観光地だ、ある一部のみこの遺跡に入ることが出来る。
それは冒険者や神官だ、勿論自分のみを守れない人は遺跡の魔獣の餌となる…


「またか…【ｳｨﾝﾄﾞｶｯﾀｰ】」

奥へ進めば進むほど水の量が増え澄んだ空気が流れる、進んでいくと最新部といわれる祭壇の前まで辿り着いた、そこの一部にはエルフの里に伝わっている古精霊文字でこう刻まれていた。


【清らかな水は空気を潤す、汝求めるものは霞の中、捧げるは涙の結晶】


この祭壇に水を潤すには霧の中に紛れて出てくる魔獣が落とす透明に近い水色の魔石が必要で、祭壇の2ヶ所に魔石をはめるようになっている
そこに獲ってきた魔石をはめると祭壇の後ろの壁に水が滝のように流れ始めた。次第に祭壇の周りの窪みにも水が流れ溜まっていくと祭壇に模様が現れる、これは遺跡等にある転移の陣だ…
何処に行くか、繋がっているかは私にも分からないがこの遺跡に水の大精霊がいることは文献で知っている、どうやって辿りつくかまでは…
転移陣に手をかざし魔力を注ぐと陣を中心とし周りを光が包み込んだ。
眩しさゆえ目を閉じればからだがなんとも言えない浮遊感に教われる、体の感覚が元に戻ってきた頃目を開ければ…

吹き抜けのある広い洞窟の中でそこからもれる光は、透き通り下まで見える綺麗な泉と、それを囲むように咲く様々な草花を照らす

幻想的で神秘的な空間に目を奪われた


「サキさんに見せたいですね」


ポロリと口から溢れたのはそんな言葉だった
サキさんの隣に立つために今こうして一人で旅し力をつけているのだ、そしてここにいるはずの水の大精霊に今から認めてもらわねばならない、今はこんなことを考えている暇はないと頭を振り泉に向けて一歩ずつ足を進めた。




















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「次は風の都市　ウェントゥス　ですね」


…　そうです　…


「ありがとうございます、ウンディーネ」


…　汝の旅に水の祝福を　…


「まずはひとつ目か…先は長そうですね」



待っていてください…サキさん



足元に輝く転移陣に目をつむり次に目指す場所を考えていった