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第1章 旅立ちまで

12 魔法授業

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フェルト先生に言われ大岩に向けて魔法を使ったけど…
フェルト先生が大岩を見つめたまま口を開かない。
これは私またやらかしたかな?
そんなことを思いながら恐る恐るフェルト先生に声をかけてみた。


「フェルト先生」
「これ程とは…」
「フェルト先生~?」
「サキさん朝言っていましたね」
「?」
「想像すれば色々とできると…」
「……はい」
「それではこの書物にある上級魔法も使おうと思えば使えますか?」


フェルト先生から渡された書物、学園で使われているらしい魔法学の教科書で初期から上級までのっているものだった、その魔法の種類が乗っているページを見て思った。
だいたい前世のゲームで想像しやすいものばかりで…
フェルト先生をちらりと見ると真剣な顔で私を見ていた。


「想像だけでやるのでそれがあってるのか分かりません、でも出来ると思います。」


そう、出来るだろうけど私には前世のゲームの魔術、唱術のイメージがあるからこの世界の本来の魔法とは違ってしまう可能性がある。
私はその為フェルト先生をまっすぐ見て答えた。


「そうですか」
「はい」
「サキさん、朝使った【レイン】も先程の【照明ライト】の華も人族ではまず出来ないことなのです、そして精霊を見ることも本来ならばですが」
「人族では?」
「はい、人族は精霊を見ることもここに載っている以外の魔法を使うことも出来ないのです」
「え?でも…私は」
「エルフ、ドワーフ、獣族、魔族は精霊を感じたり見ることができます、その為人族よりも魔法が自由に使えます」
「はい、本で読みました」
「ですが人族のなかでも例外があります」
「例外?」
「はい、精霊に愛され見ること力を借りることができる人族が現れるそうです」
「…フェルト先生、それはつまり私がそうだと言うことですか?(創造神様の加護はあると思うけど…精霊はないのでは?)」
「かもしれません」
「…そ…(そんなことないって言おうと思ったのに!)」
「ですがそれを人族の王などが知れば戦争の道具や他族への牽制に使おうと宮に監禁することになるはずです」
「え!!道具!監禁!!?」
「ですのでこれからサキさんには人族の常識と人族の魔法の基礎、そして精霊魔法の使い方を教えます。両方を時と場合に使い分けれる様にしていただきます」
「はい!」


私はこの日、日がくれるまでフェルト先生とほぼ一対一で人族の魔法を教えてもらった。

フェルト先生が一通り人族の魔法初級~上級まで見せてくれてそれがどんな魔法か覚える。
それを他の人が見えないように大岩にかくれて使っていく


一通り出来るようになったと思うけど明日も一日フェルト先生と魔法の授業をするらしい。
剣術、調合は魔法をスムーズに使えるようになってからでいいとの事…


そんなわけで以外と疲れた一日がなんとか終わり夕食後私はそのまま自分の部屋にさっさと導かれ戻り布団で眠ったのだった。







ーーーーーーーーーー


「サキさんは精霊の愛し子の可能性があります。」
「愛し子かい?」
「サキさんは精霊が見えるようですしあり得ない程魔力が多いです」
「そうなるとマナ石が反応したのも頷けるねえ」
「はい」
「とにかく今人族の王族は信用できんものが多い、しっかり守りな」
「そのつもりですよ」



みんなが寝静まった頃、長い付き合いになるフェルトとテゥトはお茶を飲みながら話したのだった
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