上 下
10 / 35
第1章 旅立ちまで

8 朝食

しおりを挟む
朝食の準備ができテーブルに並べていく。
ん?テーブルに人数分乗るのか?
それはほら、ハ◯ー・◯ターのみんなが食べる食堂みたいな巨大なテーブルがあるから大丈夫、大皿何個かに其々おかずをいれてパンとスープは個々の皿に入れ並べていく。
並べていくときはリズサ先生と大きな子達が手伝ってくれるから楽だよね♪
作るときはリズサ先生と私二人だけでやってるけど…
他の子いると好きに作れないからね。
前世の料理なんて早々あれこれ教えられないし……
いや、教えてもいいけどリズサ先生とテゥト先生以外に教えると色々聞かれるからめんどくさいじゃんってことで……。



「準備できた。テゥト先生達呼んできますね?」
「そうですね、そろそろお話終わった頃でしょうし」


そんなこと言っているとテゥト先生達が食堂へやって来た。


「おはよう、今日もいい香りだねぇー」
「おはようございます、テゥト先生」
「おはようございます。テゥト先生、フェルト様、メルディー様、ガッツォ様」
「おはよう、リズサ殿」
「おはよう、リズサ」
「おはようございます。本当にいい香りですね」


『殿』とつけたのがガッツォ先生、呼び捨てがメルディー先生、最後に私に声をかけるように話しかけたのがフェルト先生。
他の子ども達もみんな席につき始めた為、私たちも席につこうとしたんだけど……

何故隣にフェルト先生が座ってらっしゃるのでしょうか?
いつもなら

   フェルト、ガッツォ、空席、子供
テゥト|
   メルディー、リズサ、サキわたし、子供


といった席順なのに?今は

   ガッツォ、メルディー、空席、子供
テゥト|
   フェルト、サキわたし、リズサ、子供

の順になってる……。
しかも、フェルト先生沢山声かけてくれるし、茄子の出汁煮をお皿に追加でとってくれる。
何…これ?
三年前ここにいたときは最後の日しかまともに話したことないよ?
何故こうなった?
表情を出さず頭の中でぐるぐると考えているとフェルト先生の手が急に頬をつついた。
ビックリしてフェルト先生の方を向くと


「パンくずが付いてましたよ」


っいってとろけそうな微笑んだ後指を嘗めた。

……な、なめ…嘗めた!!!
うきゃーーーーー!なにしてンですか!?
なにその顔!?やめてぇー!
そんな顔でこっち見ないでよ!
ほら、テゥト先生もメルディー先生も口開けてフリーズしてますよ!
リズサ先生なんて顔真っ赤で見つめてるし!
誰か助けて!
ガッツォ先生肩震わせて横向いてないで助けてよー!!

わたしは顔を真っ赤にしたまま固まってしまった。
その様子に何故か満足げなフェルト先生がいて…

もぅ…もぅ…「ごちそうさまです!」

と言って席を立ちダッシュで食堂から逃げた。

今日から色々教えてもらうつもりだったのに…
なんか恥ずかしいよー!
見慣れた畑についた後、私はリアル ◯| ̄|_ ポーズをすることになるとは少し前まで思いもしなかった。



その頃食堂は……。
ーーーーーーーーーー

「驚いたさね」
「キールの笑ってる顔なんて始めてみたよ」
「…素敵でしたわ…」
「そういやー、三年前の魔力暴走した子ってあの子か?」
「そうです」


テゥト先生は驚いた顔からもとの顔を戻しフェルトをみ、メルディーはまだ驚いたまま声をかけ、リズサはフェルトをボーと見つめ呟いていた。


「ほー、んでさっき話したように色々教えて行くんだな?」
「ええ、そのつもりです。」
「そうさねぇ、あの子はもぅ生活魔法なら無詠唱で出来るようになってるからねぇ。」
「あの子まだ六歳なんだろう!?」
「それはすげぇーな」
「それに魔力枯渇したのを見たことないねぇ」


ガッツォの質問にフェルトは食後の紅茶を飲みながら無表情で淡々と答える。
テゥトの賛成と共に発した次の言葉にメルディーとガッツォは驚きに目を見開き聞き返した。


「そうですね、テゥト先生それに今日の食事もほとんどサキちゃんの考案して作ったものですし…」
「これ全部あの小さい子が!?」
「ええ、あの野菜畑もあの子が管理するようになってから実りの数も増えましたし、美味しさも強くなりました。」
「家事や他の子の面倒もよく見てくれるしねぇ」
「本人は隠しているようですがこっそりと魔法の練習しているようですし、何もない所でぶつぶつと話している姿も見られます」
「あの子は精霊が見える子だからねぇ」
「は!?人族で精霊が見えるだと!?どんな純粋な人族でもマナを感じられない人族はけして見えないはずだぞ!?」
「でも見えてるからねぇ」
「だからこそこうして私がサキさんに魔法を教えに来たんです、さてそれでは私はサキさんを探しにいって今後の事でも話してきます。」

※リズ、メル、リズ、テゥ、リズ、テゥ、ガッ、テゥ、フェルの順番で話しています。


ガッツォ達の話し合いに終止符をうちフェルトはサキを探しに席を立ち食堂から出ていった。
その様子を大人組は黙って見送りまた話し出す。


「あの無表情の他人に興味を持たないキールがなぁ…」
「意外だね」
「それで今回、あんなに嫌がっていた王都の依頼や討伐とか率先してやったのか…」
「今回は二年ほどここにずっと居ると言ってたからね」
「俺達は好きにしろだっけ?」
「長い間パーティー組んで共にいるのに冷たいんだよね」
「まぁ、わしらは気にしないから好きなだけ居るといいさね」
「それではお世話になります、テゥト殿、リズサ殿」
「世話になるね、テゥトさん、リズサ」

※ガッ、メル、ガッ、メル、ガッ、メル、テゥト、ガッ、メル の順番で会話しています


そんな会話がされ、その後も盛り上がっていることなどここにいない二人は知るよしもなかった。






ーーーーーーーーーー
題名変更しました
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉
恋愛
ある日親の喧嘩に巻き込まれてしまい、刺されて人生を終わらせてしまった少女がいた 。 それを見た神様は新たな人生を与える 親のことで嫌気を指していた少女は人以外で転生させてくれるようにお願いした。神様はそれを了承して精霊に転生させることにした。 果たしてその少女は新たな精霊としての人生の中で幸せをつかめることができるのか‼️ 初めて書いてみました。気に入ってくれると嬉しいです!!ぜひ気楽に感想書いてください!

異世界転生したら幼女でした!?

@ナタデココ
恋愛
これは異世界に転生した幼女の話・・・

悪役令嬢に転生したら溺愛された。(なぜだろうか)

どくりんご
恋愛
 公爵令嬢ソフィア・スイートには前世の記憶がある。  ある日この世界が乙女ゲームの世界ということに気づく。しかも自分が悪役令嬢!?  悪役令嬢みたいな結末は嫌だ……って、え!?  王子様は何故か溺愛!?なんかのバグ!?恥ずかしい台詞をペラペラと言うのはやめてください!推しにそんなことを言われると照れちゃいます!  でも、シナリオは変えられるみたいだから王子様と幸せになります!  強い悪役令嬢がさらに強い王子様や家族に溺愛されるお話。 HOT1/10 1位ありがとうございます!(*´∇`*) 恋愛24h1/10 4位ありがとうございます!(*´∇`*)

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた

愛丸 リナ
恋愛
 少女は綺麗過ぎた。  整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。  最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?  でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。  クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……  たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた  それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない ______________________________ ATTENTION 自己満小説満載 一話ずつ、出来上がり次第投稿 急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする 文章が変な時があります 恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定 以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください

女性の少ない異世界に生まれ変わったら

Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。 目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!? なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!! ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!! そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!? これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

転生後モブ令嬢になりました、もう一度やり直したいです

月兎
恋愛
次こそ上手く逃げ切ろう 思い出したのは転生前の日本人として、呑気に適当に過ごしていた自分 そして今いる世界はゲームの中の、攻略対象レオンの婚約者イリアーナ 悪役令嬢?いいえ ヒロインが攻略対象を決める前に亡くなって、その後シナリオが進んでいく悪役令嬢どころか噛ませ役にもなれてないじゃん… というモブ令嬢になってました それでも何とかこの状況から逃れたいです タイトルかませ役からモブ令嬢に変更いたしました ******************************** 初めて投稿いたします 内容はありきたりで、ご都合主義な所、文が稚拙な所多々あると思います それでも呼んでくださる方がいたら嬉しいなと思います 最後まで書き終えれるよう頑張ります よろしくお願いします。 念のためR18にしておりましたが、R15でも大丈夫かなと思い変更いたしました R18はまだ別で指定して書こうかなと思います

処理中です...