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魔国編
24 因果関係
しおりを挟む「如月 奈々美…」
私が名前を読んだ途端ナナミは笑うのを止めてキョトンとした顔をして私を見下ろし首を傾げた
「あれー、どうして私の名前を知ってるの ?」
「貴女は…貴女は前の世界の事を覚えてるのよね」
「えー、前の ? ああ、覚えてるわよ」
「そこで…あなたは、誰かを殺したでしょ」
震える声のまま私はナナミから視線をずらさずゆっくりと言葉を告げる
周りのことなどこのとき私は見えていなかった
すぐ側にいたはずのリオンが来ない事も他の音が聞こえなかったことも分からなかった
「ええ ?? ああー覚えてるよ !! 私の彼に色目を使っていた女の事でしょ ??」
「その人は…その人の従姉妹だったはずよ」
「そんなこと言ってたけど、私の愛を邪魔するモノは皆いらないの !!」
首を傾げながらニタニタと笑い続け私の質問に返すナナミにフツフツと怒りが湧く
「この世界も前の世界も貴女のものではないのよ」
「はぁ ?」
心底不思議そうに疑問しかないと眉を寄せて語り出した
「私は前の世界でも選ばれた女の子だったのよ。金持ちの権力のある家に生まれて何かあればボディーガードやパパが全部処理してくれたし私が世界で一番偉いって言っていたもの、私が声を掛ければ誰も彼もゆうこと聞いてくれたし男なんて声をかけなくてもそこら辺から集まってお姫様にしてくれたわ」
「そんなのおかしいわ」
「おかしくないわよ、おかしかったのは私の事をお姫様にしてくれなかった彼と私のすべてを壊すあの女よ」
「っっ !! それだけの為に…」
「私の世界を邪魔するモノはいらないから消してあげたのよ」
にっこりと笑い私を見下ろしてきたナナミに怒りが湧いていくのに背中がゾクリと冷えた
「だから、この世界でヒロインである私の邪魔をする悪役令嬢であるアンタもいらないのよ」
この女は向こうにいた時からきっと壊れていたんだ
だから今私が何を言おうと、リオンやセバスさん達が何を言おうと意味を理解できないだろう
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