(R18) 悪役令嬢なんて御免です!

ねねこ

文字の大きさ
上 下
94 / 166
獣国編

20 魅力と誘導

しおりを挟む

塔の外からレインハルトの声が聞こえてくる。
開けてくれと話そう…と、どうしようと…震えていればふと魔道具を思い出した。
耳につけたリオンから送られたピアス
これは同じ国中ならテレパスすることが出来るリオンが作った魔道具、私はピアスに触れてテレパスをリオンに送った

(どうしたリア)
(今塔にいるんどけどレインハルトが待ち伏せしていて動けないの)
(何故彼奴がここに ? )
(魔力が強いからスタンビートの為に召集されたっていってた)
(ちっ…少し待ってろ、すぐ行く)
(早く…してねリオン)
(ああ)

テレパスが切れてリオンの声が聞こえなくなると耳に届いてくるのはレインハルトの声…
私はリオンが来るまで女神像の側でずっと静かに待っているだけだった。



「ギャーーーーッ」

突然外から叫び声が上がり私はビクリと身体を揺らした。
少し待っていると女神像の部屋の扉が開き中に入ってきた人物に走り抱きついた。

「リオン、リオン」
「触られていないか」
「うん」
「そうか」

抱き締めてキスをしてくれるリオンにそのまま身を委ねていればもう1つの声が聞こえた。

「坊っちゃん彼はどうしますか」
「…そとの魔獣にでもやれ」
「そういうわけにはいきません」
「スタンビートによる戦死にでもしておけ」
「坊っちゃん…」

2人が何か言い合っているのを聞いていると、もうひとつの声が聞こえた

 … ねぇ、そいつ魅力されてるよ

「なに ? 」
「それは本当ですか ? 」

 … うん、今は解けたみたいだけど君達が来るまでは魅力されてたみたい

「となるとあの女か ? 」
「確認しましょう」

そう言うとセバスさんが消えた、たぶん転移で王宮へ行ったんだと思う。
暫くするとリオンのケタイが光始めた。

『リオン、今いいか』
「ロナウドか」
『今セバスチャンからこのケタイを受け取ったし事情を聴いた。そして伝えなければいけないことがある』
「やはり」
『ああ、一月程前に牢屋の警備していたものから連絡があってあの女と騎士団長子息がいなくなっていたらしい』
「そうか」
『国中探しているが見つからない状態だ』
「分かった」

そう言って切った瞬間また光だした

『リオン、君達が言っていた人物がガロウ森林で見たものがいるらしい』
「ちっ」
『そしてこちらでも彼女が行ったように魔獣が凶暴化していてスタンビートがおきる一歩手前になっている』
「なんだと」
『セバスが言っていたボス…魔獣が凶暴化して暴れているらしい…それによって他の魔獣がこちらの国に逃げるように来ている』
「となると、それもあの石と同じで森林のどこかにあるかもしれんな」
『何かあったのか』
「魔寄石というものが学園に埋められていた。それによりこっちの国でスタンビートが起きたようだ」
『そうか…こちらも引き続き調べる、出来ればこちらにも手を貸してくれると助かる』
「ああ、暴れてある魔獣はセバスの知り合いのようだからな」
『そ、そうか。頼む』
「ああ」

そう言って切ったケタイをリオンはしまった

「あっちでもスタンビートがおきているらしい」
「すぐ向かおうリオン」
「ああ」

ヒロインとセルティックは牢屋から抜け出し隣国にいる、そして魔獣を凶暴化させている可能性がある。
やっぱりヒロインは物語道理にしようとなにかをやっている。
ガロウ森林…ゲームで悪役令嬢が殺される場所、そして暴れている魔獣はゲームではガロウ森林のバスキャラだった存在。
私達をこの国に誘導しているうちにゲームストーリーを起こそうとして自分がヒロインに戻ろうと…なろうとしている。
この国が無理なら隣国の攻略対象を先に私より攻略しようとしているのかもしれない。何て浅はかで自分勝手なんだろう。この世界はゲーム世界ではないのに…

確かにストーリー道理に物事が起こることもあるけれど、でもこの世界はゲームとは違う、現実世界だ。
だからヒロインがゲーム道理に進めようとするなら私はその内容を隅から隅まで知っているから思い出してリオン達に助言していく。

その為に…私は全てを話さなければ…

「リオンそのケタイ少し借りていい ? 」

しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...