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獣国編
20 魅力と誘導
しおりを挟む塔の外からレインハルトの声が聞こえてくる。
開けてくれと話そう…と、どうしようと…震えていればふと魔道具を思い出した。
耳につけたリオンから送られたピアス
これは同じ国中ならテレパスすることが出来るリオンが作った魔道具、私はピアスに触れてテレパスをリオンに送った
(どうしたリア)
(今塔にいるんどけどレインハルトが待ち伏せしていて動けないの)
(何故彼奴がここに ? )
(魔力が強いからスタンビートの為に召集されたっていってた)
(ちっ…少し待ってろ、すぐ行く)
(早く…してねリオン)
(ああ)
テレパスが切れてリオンの声が聞こえなくなると耳に届いてくるのはレインハルトの声…
私はリオンが来るまで女神像の側でずっと静かに待っているだけだった。
「ギャーーーーッ」
突然外から叫び声が上がり私はビクリと身体を揺らした。
少し待っていると女神像の部屋の扉が開き中に入ってきた人物に走り抱きついた。
「リオン、リオン」
「触られていないか」
「うん」
「そうか」
抱き締めてキスをしてくれるリオンにそのまま身を委ねていればもう1つの声が聞こえた。
「坊っちゃん彼はどうしますか」
「…そとの魔獣にでもやれ」
「そういうわけにはいきません」
「スタンビートによる戦死にでもしておけ」
「坊っちゃん…」
2人が何か言い合っているのを聞いていると、もうひとつの声が聞こえた
… ねぇ、そいつ魅力されてるよ
「なに ? 」
「それは本当ですか ? 」
… うん、今は解けたみたいだけど君達が来るまでは魅力されてたみたい
「となるとあの女か ? 」
「確認しましょう」
そう言うとセバスさんが消えた、たぶん転移で王宮へ行ったんだと思う。
暫くするとリオンのケタイが光始めた。
『リオン、今いいか』
「ロナウドか」
『今セバスチャンからこのケタイを受け取ったし事情を聴いた。そして伝えなければいけないことがある』
「やはり」
『ああ、一月程前に牢屋の警備していたものから連絡があってあの女と騎士団長子息がいなくなっていたらしい』
「そうか」
『国中探しているが見つからない状態だ』
「分かった」
そう言って切った瞬間また光だした
『リオン、君達が言っていた人物がガロウ森林で見たものがいるらしい』
「ちっ」
『そしてこちらでも彼女が行ったように魔獣が凶暴化していてスタンビートがおきる一歩手前になっている』
「なんだと」
『セバスが言っていたボス…魔獣が凶暴化して暴れているらしい…それによって他の魔獣がこちらの国に逃げるように来ている』
「となると、それもあの石と同じで森林のどこかにあるかもしれんな」
『何かあったのか』
「魔寄石というものが学園に埋められていた。それによりこっちの国でスタンビートが起きたようだ」
『そうか…こちらも引き続き調べる、出来ればこちらにも手を貸してくれると助かる』
「ああ、暴れてある魔獣はセバスの知り合いのようだからな」
『そ、そうか。頼む』
「ああ」
そう言って切ったケタイをリオンはしまった
「あっちでもスタンビートがおきているらしい」
「すぐ向かおうリオン」
「ああ」
ヒロインとセルティックは牢屋から抜け出し隣国にいる、そして魔獣を凶暴化させている可能性がある。
やっぱりヒロインは物語道理にしようとなにかをやっている。
ガロウ森林…ゲームで悪役令嬢が殺される場所、そして暴れている魔獣はゲームではガロウ森林のバスキャラだった存在。
私達をこの国に誘導しているうちにゲームストーリーを起こそうとして自分がヒロインに戻ろうと…なろうとしている。
この国が無理なら隣国の攻略対象を先に私より攻略しようとしているのかもしれない。何て浅はかで自分勝手なんだろう。この世界はゲーム世界ではないのに…
確かにストーリー道理に物事が起こることもあるけれど、でもこの世界はゲームとは違う、現実世界だ。
だからヒロインがゲーム道理に進めようとするなら私はその内容を隅から隅まで知っているから思い出してリオン達に助言していく。
その為に…私は全てを話さなければ…
「リオンそのケタイ少し借りていい ? 」
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