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獣国編
18 四方結界
しおりを挟む私達はあれから各塔を回り魔石にマナを注いでいき填め換えていった。
そして最後の南塔へ付き私達は女神の像の部屋へと進んだ
「ここが最後だな」
「うん」
「それでは魔石をお借りします」
「お願いしますキール様」
私は今までと同じようにキール様に魔石を渡した。
他のと同じようにマナを注いでいき淡く光だした、渡しはそれを受け取り女神像の魔石と取り替え填めた。
「この後はどうするんだ」
「マオ様は学園の木のところでいつも陣を展開しておりました」
「木 ? 」
「はい、あの木です。マリアン様」
「八重桜…。行こうリオン !! 」
私達は急いで学園の中心にある憩いの場…八重桜へと向かった。
枯れることの無い八重桜…
「ここか ? 」
「マオ様はここでしておりました」
「どうやるの ? 」
「学園全体に結界を張るようにイメージを持ち魔力を注げば陣が出るのだと言っていましたが…」
「分かったわ」
「リア」
「大丈夫」
私は八重桜に近づき手を添えた。
そして魔力を注げば八重桜を中心に魔術陣が展開されていく。
イメージ…魔獣や邪悪なものが入れないように…ゲームのときのように淡い光の膜を学園に…ううん、王都まで張る。
それから彼女に教えてもらったように、時の魔力で結界の時間停止と維持をして…魔力を更に注ぐ
私が魔力を注いでいけば魔術陣が淡い光を放ち始め徐々に強くなっていった。
身体から魔力が多く抜けていく感覚があり少しだけだるさを感じ始めた頃大きな声が響いた。
「ちっ、こんなときに」
「また、ドラゴンですか」
「セバス」
「かしこまりました。行って参ります」
「私も行きます」
「キール」
「大丈夫です、結界が張り終わるまで足止め程度しておきます」
「ああ」
「分かりました」
リオンが渡しの腰にてを回して支えてくれている中、私はまだ魔力を注いでいた。
「リア大丈夫か ? 」
「まだ…平気、それよりさっきの」
「今キールとセバスが向かった」
「リオンは」
「俺はここでリアが倒れないように支えている」
「ありがとう」
「ああ」
ずっと注いでいけば強い光が上空に上がっていき大きな魔術陣が展開された。
上空の魔術陣からドーム状のような結界が張られ、それは学園と王都を覆う大きさでとても綺麗だった。
結界が地上まで降りると八重桜にはもう魔力を注ぐことはできなくなっており、私は9割の魔力をとられリオンにもたれ掛かった。
「リア」
「ご…めん、魔力が多くとられたから少し…」
「いや、大丈夫だ」
「セバスさんとキール様は ? 」
「今戻ってきている」
リオンの視線を追えばセバスさんとキール様がこちらに向かって歩いてきているところだった
「お疲れ様でございます。マリアン様」
「セバスさん、結界大丈夫だった ? 」
「マオ様と変わらない結界でございます」
「よかった」
「あの結界が張られ触れた瞬間消滅していきました」
「そう」
「すごい結界ですね」
「本当に…(私が思ったよりなんかすごい…)」
「マナの力も混じった結界ですね」
「マナも ? 」
「はい、ここまでの結界は魔石と魔力のみでは無理でしょう、世界樹のマナがあって頃ここまで魔獣に効果的な結界が張れるのだと思います」
「マオ様の時もマナを使っていた可能性があるってこと ? 」
「マオ様からマナということ場など聞いたことはございません。あるとすれば四神の力を借りているということしか…」
「だがその四神がマナを元にしているのだとしたら結界にマナを使っていたとになるな」
「あ、確かに…」
「とりあえず塔へ戻って魔石を回収するぞ」
「とっても大丈夫かな」
「この結界は展開までが魔力やマナは必要だが後は関係なさそうだから大丈夫だろうだ」
「それぞれ各塔へ行って魔石を回収しよう」
「分かりました」
「では、私は北へ参ります」
「私は西へ行きましょう」
「俺は南」
「私は、東へ行くわ」
リオンから貰った魔力回復薬を飲み半分は回復したことでダルさや頭痛は無くなったため最後の東へ行くことにした。
心配そうにしているリオンに大丈夫だとあい、何かあればすぐに呼ぶことを約束し私達はそれぞれ魔石回収のため各塔へと進んだ
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