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獣国編
17 結界と四神
しおりを挟む私達は塔へと向かった。向かう途中私はリオンも話をしていた
「リア、四方結界といったが魔石は今リアが持っているがまたあの像に填めるのか ? 」
「あ、そうね。四神の魔石は全て私が持ってるもんね」
「マリアん様その魔石はみんな魔力など不足しているはずです」
「うん、集めた時皆魔力の補充はしたから色は元通りよ」
「はい、出すが元に戻ったのなら四神が出てきてくるはずなのですが」
「出てくる感じはないみたい…」
「となりますと四方結界はむずかしいかもしれませんね」
セバスさんの言葉にうーんと考える。
『この先きっと彼等の力が必要となるはずだから…』
ふとそう聞こえた気がした。
彼女はあの時そう言っていた、つまりそれは、そうなるまで彼等は目を覚まさないということ…
魔石が熱を持ったり反応したり…何て事は今はない…
つまり、今はまだその時ではないということ ?
そう考えていれば来たの塔へとたどり着いた、リオンに扉の結界を解いてもらい皆で入り女神像まで歩いていく。
魔石は前回リオンと共に代わりに置いた魔石と代わりはなかった。
私はストレージから四神の入った魔石をだし像に填め魔力を注ぐ…
が特に反応はしなかった。
「ダメみたい…」
「魔力は入っているようだが」
「四神の気配は以前よりも濃くはなっていますが、姿を出すほどではなさそうですね」
「…すまないがその魔石を見せてもらえますか ? 」
「え、ええ。どうぞ」
「失礼します」
キール様が像に填めた魔石に手を翳し何か唱えた、すると魔石が淡く光だした。
「何を言っているか分かる ? 」
「この世界のエルフの言葉でもないな」
「始めて聞く言葉です」
私達はキール様が唱え終わるまで見つめ手が離れこちらを振り向くまで待った。
「これで結界に関しては張れると思います」
「なぜだ」
「彼等はマナを使った精霊に近い存在のようです。その為少々この世界のマナを注がせていただきました」
「四神はマオ様と共にこの世界に来た聖獣です」
「なるほど、私の国では聖獣とは世界樹から生まれたものになります。その為、世界樹から生まれるマナを取り込めないと存在が危なくなるのです。ですので、魔石に入った後マナを自身で取り込めることができなくなり体を表すまでのマナや魔力がないのでしょう」
「となるとこれから先もそうなるのか」
「いえ、先程調べたところ彼等に必要となる魔力はありました。ですのでマナだけを注ぎマナを常に吸収できるようにしました。何れ姿を表すことも可能になるかと思います」
「よかった…」
「私も知りませんでした。彼等は常に自然と共に自由に存在し契約者であったマオ様から魔力をもらっておりました。その為、精霊と同じで必要なときのみ魔力を貰うものだと…ですが先程の質問でマオ様がなくなられてから四神の気配が薄くなっていった理由がわかりました。魔力と共にマナまで吸収できなくなったからなのですね」
「もしかしたら、彼女はこの事を知っていたから魔石に眠ってもらうことにしたのかもしれないわね」
「はい」
「とりあえず残りの魔石も置きに行こう」
「ええ」
「はい」
「分かりました」
私達は他の塔へと向かうことにした
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