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学園【ゲーム開始】
53 これから
しおりを挟む微かに香ったリオンのコロンの香りが強くなり閉じていた目を開けると目の前にリオンの顔があった
「リア、大丈夫か?」
「リオン……大丈夫です」
「突然リアの魔力が完全になくなったから心配したぞ」
「魔力がなくなった?」
「ああ、今までは少し薄くなった程度だったがさっきのは完全に無くなっていた」
「それは…」
「坊っちゃん、マリアン様はマオ様に会うために封鎖された空間に行っていたためですよ」
「どういう事だセバス」
「マリアン様全てを話されてもよいかと」
「セバスさんは…セバスさんはやっぱり」
「その通りで御座います」
「リオン色々と話したい事があるの」
「……分かった、研究室で聞く」
「ええ」
私は最後の魔石をしまいリオンに腰を支えられ研究室へと転移した
ーーーーー
「何処から話せばいいかしら」
セバスさんに紅茶を入れてもらいながら私はリオンと隣り合わせでソファーに座り何から話せばいいのかを私は考えていた
アールグレイの香りに誘われて1口紅茶を飲めば体に暖かさが広がる、セバスさんの方を見れば和やかに笑みを向けてくるだけで何かを言うわけではないようでどうしたものかと頭を捻っていた
先から質問してきたのはリオンだった
「そうだな、まずは魔石のことからか」
「この魔石は賢者マオから【時魔法】を持つものに託されたもので中に四神と言われる聖獣が入ってるみたい」
「【時魔法】となるとリアの事か」
「そう…ね」
「それで四神とは何だ」
「方角・季節・属性に基づいた賢者マオの故郷の聖獣みたい(間違ってはいないよね)」
「故郷…というと召喚される前の世界か」
「そうみたい、そして賢者マオが聖地に行く前にこの地を護ってもらえるようにそれぞれに役割を頼み魔石の中に入ってもらって各塔に配置した」
「それが何故今集めることになっている?」
「【時魔法】を持つ者が再び現れたときに聖獣達の新たな主になるため」
「それは賢者がそう言ったのか」
「そう」
「集め終わるまで話さなかった理由は?」
「…最初は話が一方通行だったの…それが集めるのが増えていく度彼女と会話が出来るようになっていったの、そして最後の1つを集めた時彼女としっかり話が出来たの、彼女の未来視でみたもの、聖獣のこと、結界のこと……まだまだ聞きたいこともあったけれど時間が来たみたいで最後まで話せなかった…」
リオンは何も口を挟まず話を聞いてくれた
途中で言いづらくなると手を重ねてくれて待っていてくれた
魔石で見た光景と、言われたこと、を全て話した後ヒロインについても話した
ヒロインのことに話しがいったら眉間に皺がよっていたけれど
「賢者はあの女が【魅力魔法】を使って意のままにしようとしている、そしてそれにより聖地も危ういということか」
「そういうこと…みたい」
「セバス」
「はい、坊っちゃん」
「お前は何処まで知っていた」
「そうですね」
「私が召喚獣と言うことは坊っちゃんには話しております」
「塔の聖獣のことだ」
「…そもそも坊っちゃんが生まれるまで私はあまり聖地から離れたことは御座いません、マオ様がこの塔に聖獣を配置したことは話で聞きましたがどのような役割を命じたのかなどは分かりません、マリアン様のようにマオ様と同じ【時魔法を】使える方がもう一度現れることも…聞いておりません、私は黒髪の子供が生まれたと時その子供をの守護をするようにと言われただけです」
どこか寂しそうに言うセバスさんに彼女の顔を思い出す
「彼女は聖獣とセバスさん貴方のことをお願いと言っていました、この先ユージニア嬢が何かしてきてこの国を出ないといけなくなったり、リオンから離れないといけなくなってしまったら無理かもしれないけれどそれまでは私も一緒に居させてください」
「マリアン様」
「安心しろ、リアが国から出ることになるなら俺は一緒にこの国から出る」
「リオン…」
「あの女が何かしてきたとしても俺は変わらずリアと共にいるつもりだ」
「うん」
頬を優しく撫でてくれるリオンに安心しながら私は体重をリオンに預けた、そうすれば頭を撫で旋毛に口付けを落とす
変わらないと言ってくれるリオンにとても安堵する
ゲームでは3年でヒロインは転入してくる、そこから1年後の中等部卒業パーティーで断罪される
だからあと2年は断罪までの時間がある
私はそれまでに聖獣の解放の仕方とこの国の結界についてを調べようと決めた
そう…
この時は……
まさか……
こんなに早く終わりが訪れるとは思いもよらなかった
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