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学園

18 呼び出し

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学園生活も2ヶ月が経った。
魔術授業のあの件からヒルゼンの視線をたまに(かなりだけど)感じることはあるけども魔術授業以外で声を掛けてくる事はない…
相変わらず悪夢は続いていて、最近は日に日に食欲も落ち体重も減りはじめ隈も化粧でごまかしにくくなっている為メルに心配されることも増えてきた、リオンがたまに悪夢で魘されている時側に居てくれる様な感じがする時は何も見ないで寝ることができる時もある、それでも実際に不眠と精神疲れが出始めていてボーとすることが多くなってきている見たいで…


「カーリヒルト嬢渡したい資料がある、昼に来なさい」
「はい…」


授業が終わりリオンが教室を出る前に私に声をかけて来た。
周りの令嬢達は嫉妬や嫌悪の視線を私に向けヒソヒソと話しているので溜め息が出てくる。
リオンに王家専属魔術師という名誉がついてからやたらと権力者達が媚びを売り近づいてくる、権力者達の令嬢達もなんとか縁を作ろうとリオンに必死にか関わろうとしている。体をはって近づく人もいるくらい…
こんな中誰にでも優しく平等に接しようとするヒロインがいれば心引かれるのも分かる気がする。
そういえば、リオンがこの学園に講師として来ている訳だけど令嬢が寄り付こうとしても授業以外では捕まらない!と有名…
それもその筈…リオンが学園に入った時に作った物置部屋(空間研究室)がこの学園には存在する。一部の温室を学園から借り(貰い)薬草や魔草を栽培して、空間研究室で調合や錬金をしていたとのこと、学園を卒業してからは基本セバスさんが薬草等をお世話しリオンもたまにこちらに来て色々としていたらしい。
そのため、この学園に私が入学してから週1、2程度だけどこの研究室に連れて来られたり呼び出されたりしてセバスさんに紅茶や菓子を用意してもらって2人で過ごたりしているけど…甘い空気になると必ず絶妙なタイミングで必ずセバスさんに声かけられたりいつの間にか側に居たりするからその度、リオンが不機嫌になるw
そんな感じで、学園にいる人達は私達が婚約者と言う事もこうして密会している事も全く知らない…
授業が終わり昼休みになり私はリオンの研究室へ向かって歩いて行く。
研究室のある物置部屋の前に付くとノックをする前に扉が開き奥からリオンが私を呼ぶ声が聞こえた。


「失礼します」


研究室に入るとすぐに扉が締まる音がした、奥の窓近くにリオンが立っていて…
その姿は太陽の光と微かに開けた窓から入る風でサラサラと流れるように輝く漆黒の髪と瞳……目を引かれてじっと見つめてしまっていた。


「……リア?」


リオンが私の名前を甘く優しい声で呼ぶと全身に電気が走ったような感覚と不安に襲われた、名前を呼ばれた事がたまらなく嬉して、でも夢で見たあの冷たい瞳を思い出して恐くなってしまった私は翻り研究室の扉を開けようとしたけどドアノブにも鍵にも手を触れることができない。
結界魔法で扉を開けれないようにされているようで私がオロオロとしているとすぐ後ろに気配を感じおずおずと首だけ少し後ろを見るとリオンが立っていた、その表情は硬く少し冷たい瞳上から見下ろして来ているリオンの姿に体が緊張する


「なぜ逃げようとする」
「べ、別に…特に理由はございませんわ…先生」


私が無意識にそう言うとリオンはムッとした顔になり後ろから私の腰に手を回し、顎を持ち上げキスをしてきた


「…っ!」


チュッ、チュク…チュ…
唇にキスしてきたかと思った瞬間次に舌が入り込んで…絡み合う


「ん、…ふっ…っ、先生やめ……」
「リア、名前…」


私の瞳を見つめながら甘い声が耳をくすぐる…
学園に来てから私はリオンの事を「先生」と呼ぶようにしている寮や空間研究室ここでは「リオン」と呼ぶことをリオンも求めているけど…
寮はまだいいとして、誰もここには入れない&干渉、聞くこともできない場所とは言え学園内…な訳で


「でも、…ん!」


一応ここは学園…と言い終わる前にリオンの唇が落ちてきて私の口は塞がっていった、そのキスはさっきよりも激しく甘い…口の間から溢れる絡み合う音が耳の奥に響いて足にだんだん力が入らなくなりガクガクする。


「リア…」


キスの合間に呼ばれる私の名前…
激しく高鳴ってほてはじめる身体…


「…ん…だ…駄目…」


そう言うとリオンは顎を持ち上げていた手を学服のスカートの上から太ももを触り始めた


「…っ!リ、リオンっ!」


私が慌てて名前を呼ぶと満足そうに甘く微笑み唇を重ねてくる。
もう脚に力が入らず崩れそうになるとリオンが私を横抱きに持ち上げ研究室にあるソファーに寝かせた。


「…え、えっと…先…「名前」…っ…リオン」


私にどうしても名前で呼ばせたいらしいリオンは私が名前を呼ぶと髪を一度すいてから横になっているソファーの前に私に背を向ける様に座り本を読み始めました。


「リ、リオンは何故私をよんだの?」


リオンは手の中にある分厚い本をペラとめくりながら喋る


「お前また最近寝れてないだろ。顔色が酷い」
「え?もしかしてそれで…?」
「それ以外に何がある」
「で、でも資料って…」
「お前が素直に休むとは思えないからな理由をつけて呼んだだけだ」
「……リオンできるありがとう」


私が静かにそう言うとリオンはフッと鼻で笑い黙ってまた次のページをめくっていく


「もういいから休め」


ページをめくる音、研究室の薬草の香り、リオンから香る桜の香り…落ち着いた声を聞いていると私は瞼が重く感じていき自然と閉じて夢の中へと旅立っていった…

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