(R18) 悪役令嬢なんて御免です!

ねねこ

文字の大きさ
23 / 166
学園

15 宰相の息子

しおりを挟む
前世の記憶、夢に魘され目覚めた後何とか気を持ち直しメルに支度を手伝ってもらった。
メルはかなり心配していて休むことを進めてきてけど入学2日目で休む訳にはいかない、仕度が終わりそのままいつもより早く寮を出た、教室へ向かう途中にある渡り廊下……
そこから見えるのは昨日見たときと何一つ変わらないキレイに咲き誇り散る桜…
自然と渡り廊下から離れ桜の元へと足が進む。


「綺麗…」


自然と口から溢れた言葉は風とともに何処かへ流れていく。
その風はどこまでも優しくマリアンを包みマリアンは静かに目を閉じた。

このまま元の世界へ戻れたら…と頭によぎるもリオンの事を思い出す、私はいつからこんなに彼の事を本当に想うようになったのか…
この世界はケームの世界ではなくて現実の世界、小説や漫画のようにすべてが進む分けではない、たとえこの先学園生活がゲームと同じシナリオで進みイベントがおきても…
それはきっと王子たちだけ…私はきっとリオンの側にいられる
そうじゃなければ今この学園にリオンがいることは無いはずだから
ヒロインが学園に入るまであと2年…3学年になった時Sクラスに特待生で入ってくる、それまでに私が…できる事をやる

心の中で決意し閉じていた目を開ければ桜が応援するようにザワザワと風に靡かれ揺れる、自然と頬が緩んでいった。

さぁ、今日も始まる…頑張らなくっちゃ…ヒロインが現れるその時まで…

マリアンはクラスへと足を運んだ。






教室の扉を開けるとそこにはエメラルドグリーンの髪を一つに縛り後ろに流して眼鏡をかけ本を読んでる人がいた、見た事のある横顔…マリアンは入りで止まったまま見つめてしまった。
そう彼はこの世界【愛の花束】の攻略対象である1人…
マオリャン・キルト
この国トヤムール国 宰相の息子(次男)で攻略対象者だ、ゲームでは彼がマリアンの起こした虐めの内容を一から百まで全て調べ上げ説明していく、直接的な暴力はされていないが、言葉で抉るのが得意な人物である。


「なんだ?」
「あ、いえ失礼しました。誰かいらっしゃるとは思っておりませんでしたので…」
「ああ、少し講師に用があってな」


初めてあった人にすらすら私情を伝えるなんて…
マオリャンってこんなキャラだった?
不思議に思いつつも取り敢えず〈触らぬ神に祟りなし〉と言うことで「そうなんですね」とだけ答え黙り私は自分の席へと目を写す、マオリャンもそれ以降口も開かず相変わらず何か読んでいるようだった。
そこでふと気づいた私の席がマオリャンの2つ後だと…

昨日は気付かなかったけど意外と近い…今日の内に攻略対象の席調べとこ

そう思いながらボートしているとマオリャンが席を立った。
何処かに行くのかな?あ、王子の迎えかな?
一人で結論付けてると何故かこちらに近付いてくる。
何故に!?


「おい」
「なんですの?」
「昨日採点表が掲示されていただろう」
「そうですわね?それによりクラスが別れますもの」
「お前は僕と同じで満点だったな」
「?え、ええ。」
「あれは最後の問題が引っ掛けだった。」
「ええ、よく見なければ間違ってしまいますわね」
「そうだ、教師にきいたところ答えられたのは3人だけらしい」
「そうなんですの?」
「ああ、僕と君と殿下だ」
「まあ(殿下?ああ、第二王子か)」
「君は頭が良いようだな、今日の放課後時間があれば少し図書室に来てくれないか?」
「へ?あ、コホン…か、構いませんわ」
「ああ、それでは放課後な」
「え、ええ」


なんでフラグ立ってんの!!
ヒロインが教室の花の水を変えるために朝早くに来た時マオリャンに声をかけられてテストの話になり図書室に呼ばれるというイベント。
いや…まってまだゲーム始まってないよ!ヒロインきてないよ!どうしてこうなった!
頭を抱えたところで変わる訳もなく…入学2日目にもして頭の中キャパオーバー気味です。
何だかんだと1日が終わり放課後になってしまった…


マリアンは教室を出て2階奥にある図書室へと足を向けた。
図書室の扉を開けると所々に上級生や教師は見えるが呼び出した筈のマオリャンの姿はなかった。

あれ?放課後って呼ばれなかったけ?

マリアンは頭を傾げながらそのまま静かに図書室を回った。
歴史、魔術、経済…など様々な本があり魔術関係の書棚に行き気になるものを開く。
リオンが屋敷に来ている時セバスが持ってきていた魔術関係の本とは全然違った。

※魔術とは身体の中に流れる魔力を感知しその魔力を使い詠唱し術を使う。魔力が無くなれば魔力枯渇に陥る。

と書いてあったこれは教科書にも同じことが書いてある、だがマリアンは不思議に思った、セバスにリオンと共に学んだ時教わったのは


※「いいですか?マリアン様、魔術とは体の内を廻る魔力を感知し、自然の魔力マナを混ぜ魔術を想像し使います。詠唱等は特に関係ありません。確かに詠唱のみで想像せずとも使えることもありますがそれは自身の魔力のみを使った魔術の為、魔力枯渇に陥る場合があります。魔力枯渇担った場合死ぬわけではありませんが意識を失ったり体が動かなくなったりします。ですのでくれぐれも1人の時などで魔力枯渇にならないよう気を付けてください。」


と言っていたのだ、元々前世の記憶があったマリアンは魔術=想像、イメージが必要と思っていた為、無意識に使っていたが実際にセバスに見せてもらったものははっきりしていた。
詠唱により作り出した火の玉ファイアーボールは30センチ程、想像し魔力を混ぜた火の玉ファイアーボールはイメージ次第で1メートルから15センチ程までサイズを変えることができていた、その為本当の魔術の使い方について詳しくマリアンは知らない、セバスに教わったものが実は魔族の魔術の使い方ということも…
リオンは魔族の魔術と理解しているため周りには隠しながらも魔術を使い早々に実績を上げ名をあげることができたということも…その為図書室の魔術関係本を手当たり次第読み始めた。
初級~上級まで黙々と読む、その姿を1人興味ありげに見ていることなどマリアンは気づくことはなかった。
それが数日後の魔術授業でトラブルが起きる原因になることも…



集中し読み込んでいたマリアンは本が読みずらくなったことに気付き顔を上げ窓を見ると夕日が傾き始めていた。

やば、集中しすぎた…メル心配してるだろうな急いで帰らないと。
ってか、マオリャン呼び出しておいてこないとかふざけてる?
素直にくるんじゃなかった。まぁ、面白いもの読めたからいっか♪

ゲームではヒロインが向かうと既にマオリャンが図書室で待っておりヒロインを図書室の奥へと連れていき迫ると言うイベントなのだが…
マリアンは手に持っていた本を棚に戻し静かに入り口に向かうと扉が突然開いた、目の前に入ってきたのは息を切らしたマオリャンだった


「遅くなった」
「まあ、大丈夫ですわ、今用も済みましたので帰るとこですの」
(充実した時間を過ごせたし帰るから邪魔すんな)
「そうか、また後日いいか?」
「用事がありますので申し訳ありません」
(次なんかないわ、関わるな)
「そうか」
「ええ、そろそろ失礼しますわ」
「……」
「キルト様?」
「いや、それじゃあまた明日な」
「ええ、ごきげんよう」


マリアンは頭を下げて図書室を出ていく。
その後ろ姿をマオリャンはずっと眺めていた。

これでゲームのようなフラグは立ってないはず…

安心しつつも不安がとれないマリアンはそのままメルが待つ寮へと帰っていった。


しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...