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幼少期

リオンside

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マリアンを部屋に戻った後ホールに戻りカーリヒルト公爵と挨拶を交わし俺はセバスと共に屋敷へ帰ってきた。
エイザルはカーリヒルト公爵と話があるとかで残るらしいので放置して帰ってきたわけだが…部屋に戻り服を脱ぎ捨て冷たいシャワーを頭からかぶり余計なことを考えないようにした後俺は寝た。
日が昇り始めた頃部屋の前に気配を感じ目が冷めた。
エイザルが俺の部屋に訪問してきたからだ。

…なんでこんなやたらと最近俺の部屋に来たがるんだ…。

深いため息を付き扉を開けると、満足げな嫌な顔をしながら紙…多量の手紙を渡してきた。


「何だこれは」
「いや…別に、最近王宮でお前を見た方々から色々声がかかってね。リオンの婚約者候補にと沢山の手紙…縁談が来たよ。」
「はぁ…。馬鹿なのか?俺がマリアンの婚約者になったと決まったばかりだろう。」
「まあ、今現在まだ完全な婚約者ではないからね。」
「どういう事だ?周りに秘密にしとくだけだろう。そもそもも何故いま頃来る」
「それは明日向こうが話してくれるさ、縁談関係はお前が原因な気もするがな…。」
「何が言いたい。」


意味深にニヤニヤしながら言うエイザルを睨むと


「なんでもないよ。それより、マリアン嬢が授業をリオンとセバスチャンがいいのなら来週からお願いしたいと言っていたぞ。」
「……。分かった。セバス」


俺が声を出すと、すぐ後ろに現れ(畏まりました)と頭を下げ消えた。
エイザルはセバスチャンが消えた方をじっと見つめ

「いつ見てもセバスチャンは良いね。リオン、父さんととこの執事と交換しないか?」
「断る。あいつは俺が見つけてきた奴だ」
「そうだよなぁ…。仕方ない。」

エイザルはそう言うと手をひらひら振り部屋の扉を閉めて出ていった。
リオンはエイザルに渡された縁談の紙をすべて魔法でもやしもう一度ベットに戻った。

(あ、そういえば、会場でラルフエルトス家の令嬢がリオンに合わせてほしい話したいと来たが…。まあ、相手するつもりはリオンにないだろうし…いいか)

エイザルが黙っていたことが後ほど問題になるとはこのときは誰も知る由もなかった。



今日はマリアンと約束した家庭教師の日だ。
久々に会えることに口元が自然と緩みそうにもなるが…気に入らん。
馬車に揺られながら不機嫌に外を睨むリオン
何故機嫌が悪いかというと馬車の中、リオンの目の前にフィール・ラルフエルトスが座っているからだ。
何故ここに女がいる、苛立ちながら隣に座っているセバスを睨むと俺の聞きたい事をセバスが問い始めた。


「フィール嬢は何故この馬車におられるのでしょうか?」
「それはリオン様に会いに来たのですわ、だってわたくし、リオン様の婚約者候補ですもの♡」


とか言い出した。
その言葉に俺は苛立ちとと嫌悪が全身に奔る、そもそも俺は名前呼びを許してはいない。
氷のような冷たい視線で睨みつければ…その睨みに女はビクッと体を震わせ青い顔をしだしたが


「に、睨まれても怖くなんかありませんわ!あんな小娘でも婚約者になれるのでしたら、同じ年のわたくしでも慣れますわ!それにわたくしのほうが相応しいですわ、ですからあんな小娘は……「黙れ」…っ!」


睨みに対して反論してきた事には他の奴等よりも多少は度胸があるのは分かったが、だが(あんな小娘)とマリアンを侮辱する言葉が出た瞬間俺は魔力を相手にぶつけ黙らせた。


「セバスこの女をここに捨てていけ。」
「それはできかねます。」
「捨てていけ」
「彼女はラルフエルトス伯爵家のご令嬢です。下手に傷をつけるようなことをすれば、めんど…いえ、大事になります」
「ならここで、お前とともに降りて送っていけ。」
「それは無理でしょう。マリアン様の授業はどうするおつもりですか?それにもう少しでカーリヒルト家の屋敷に着きます。」
「………。」


俺は苛つき続けながらセバスを睨み深いため息をついた。
屋敷につくとマリアンが嬉しそうにこちらに向かって走ってきたのが見えた。
俺が降りると声を変えてこようとした瞬間その場で立ち止まり、一瞬固まったかと思った次の瞬間……周りの温度がかなり下がりとても良い笑顔をこちらに向け丁寧で完璧な淑女の礼をして挨拶してきた。


「ようこそいらっしゃいました。始めまして、わたくし、マリアン・カーリヒルトでございます。リオン様にはいつもお世話になっております。ところで、本日はリオン様と一緒に家庭教師の方が来られる予定なのですが…そちらの方は我が家に何か御用でございますか?」


淑女の礼をしているはずのマリアンからブリザードが見えた気がした。
その様子と魔力の威圧は俺の後ろにいる女に向けられていることはすぐにわかった、女が一瞬たじろいだが直ぐにマリアンをにらみ始めた。


「あ、あらはじめまして。わたくしは、フィール・ラルフエルトスと申しますの、リオンと親しくさせて頂いております。先日のお披露目でリオンの婚約者と発表されたからもう一度婚約者がどんなか見に来ただけよ。」
「まあ、そうなのですね、よろしくお願いいたしますわラルフエルトス伯爵令嬢様。ですが今から私達は家庭教師の方を招いて勉強をしなければなりませんので、おを取ることができません、申し訳ありませんがお引き取りください」


有無も言わせないほどのオーラを出しながら言い切るマリアン。
ほんとに6歳になったばかりの少女なのだろうか…
とてもじゃないがそうは見えない。
そんなマリアンの態度に…女は甲高い声で怒鳴りはじめた。


「な!年下だから何をゆっても許されるとでも思っていて?わたくしはリオンと親しくさせて頂いているし、あなたに会いに来てあげたのよ!」
「はぁ…。連絡もなく突然来られるのは淑女としてなっておられないのでは?それに、リオン様とどんなにかったとしても、礼儀は大切ですわ。(親しき仲にも礼儀あり)ですわ。本日はとりあえずお引き取りください。」


マリアンはそう冷静に冷たい口調と視線で相手をし、女が泣きながら馬車に戻っていった。
いつまでも止まっている馬車に俺は苛立ちながら近づき御者に耳打ちする。


「さっさとこいつを連れて行け、それから「もう二度と関わるな次は無い。」と親にでも伝えておけ。」


御青い顔をし頷く御者に伝え離れようとした瞬間馬車の中に入った女が俺の服を掴み肩に頭を付け抱きつこうとしてきた。
俺は殺すつもりだった為そのまま殺意と魔力をぶつけると女は真っ青になりガタガタ震えながら馬車に引っ込み御者を促しさっさと離れていった。

これでやっとマリアンと静かに過ごせる

ふと去っていく馬車を見ながら口元を緩ませマリアンの方を振り向くと、瞳いっぱいに涙をためながら俺を睨むマリアンがいた。
声をかけるが、マリアンは一度も俺とは喋らず目も合わせないようにしている。これ以上下手に声をかけて機嫌を損ねるのも面倒なので向こうから話し始めるまで声をかけるのを辞めた。
昼食を食べ終わり落ち着いたのかマリアンから俺に話しかけてきた。


「リオン様聞きたいことがございます。」
「…なんだ。」
「先程の方はどなたですか?」


俺の瞳を真剣な顔でじっと見つめてくる。
先程?ああ、いつの間にかいたあの女か名前など忘れた。


「知らん」 
「でも、ラルフエルトス様はリオン様と親しくしていると言ってらっしゃいましたわ」


マリアンは瞳をまた潤ませながら苛立った声で俺を睨みつけてきた、マリアンにあることない事言いやがって


「ちっ…」


舌打ちが漏れてしまったのを俺は気づかなかった。
そう思っているとマリアンが一気に捲し上げながら聞いてきた。


「何故、彼女と馬車でこられましたの?」
「知らんうちに乗っていた」


実際にいつの間にか御者の横に座っていた為気づいたときにはもうすでにこの屋敷近くまで来ていた…


「何故、我が家まで連れてきたのですか?」
「すぐそこまで来ていたからだ」


セバスに捨てとけといったが無理だと言われたからだが…。


「……何故、彼女はリオン様と親しいと言うのです?」
「今日初めてあった奴が親しいはずがない」


実際に馬車の中で見たのが初だ。
マリアンを見ると零れ落ちそうな涙を瞳にため膨れていた。
こんな顔もするのか…。
手を伸ばそうかとお待った瞬間、マリアンから信じられん言葉が出てきた。


「……では最後なぜ抱き合っていたのですか?」
「な!向こうが勝手にくっついて来ただけだ!」
「リオン様抱きしめなおしていたわ!」


いや、そんなことしていない!睨み返しただけだ!
あまりの内容におらは言葉をつまらせた。


「私みたいな子供より彼女の方が良いなら、言ってくださればいいのに!」


…今…今マリアンは何を言った…?

遠くから微かにセバスが俺を呼ぶ声が聞こえる。 
だが俺の中はそれどころじゃない、何を言ったんだと聞こうとしたが…


「何……だと…。」
「だから、彼女が良いなら私と婚約なんてしなくてもいいと言っているのです!」
「ふざけるな…」
「ふ、ふざけてなどいません!彼女が好きなら私と無理に付き合ってくれなくても結構ですわ!」


マリアンは…何を言っているんだ…?
目の前で涙が溢れ出続ける瞳で…
俺を睨みつけ続けながら何を言っている。
俺と婚約しなくてもいい…付き合わなくてもいい…だと
俺から離れるつもりか…、やっと見つけた…光…
俺から…離れるのか


「させるか」(ボソッ)


俺が呟いた瞬間魔力が更に荒れる。
マリアンが信じられない言葉を出し始めた時点で俺は魔力調整が上手くできなくなっていることには気付いていたが、それより今どうやってマリアンが俺を逃げない様になるのかを考えていた。 

他の男のとこに行くのか…俺ではない男にあの笑顔を向けるのか

俺の気持ちを表すかのように風が吹き荒れ木々や地面などをえぐり切り落とす。

俺はお前をを他の男にやるつもりなどない…お前は俺を見ていればいい

そう思いながら見つめていた。
しばらくするとマリアンは俯き首を横に振ったかと思うと俺を見つめながら
なにか呟いた後に…


「…っ!リオン様なんて嫌いです!」


俺はその一言に目を見開いた。
そのまままだ何とか抑えていた魔力を暴走させた
それはいつもと比べ物にならない魔力だっただろう
マリアンと俺を囲むように竜巻が壁のように包みこむ。

逃がすものか…!他の奴にやるくらいなら今ここで…

そう思いマリアンに近づこうとした瞬間だった。


「…っっ!ああぁぁー」


マリアンが叫びしゃがみな倒れ始めた。
首と左肩の間に滲んでいく赤いシミ……。
赤いシミ……血…ッ!!!
次の瞬間俺は正気に戻った、魔力をちらし倒れたマリアンの元へセバスと共に近寄りと治療キュア回復ヒールを使い傷を癒やす。
傷跡も残らず治ったものの…マリアンの顔は青白いままだった。
マリアンを部屋のベットに寝かせると直ぐにカーリヒルト公爵夫妻が部屋に入ってきた。
内容をセバスが詳しく説明し目が覚めるまでそのまま部屋にいる事になったのだが…目が覚めるまで俺はマリアンの部屋の扉横の壁に持たれながら待った。

どれぐらいたったのだろうか…。
もしかしたからこのまま目が覚めないのでは?

ふと恐怖と不安がよぎる頃小さな声が聞こえた。

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