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幼少期

リオンside

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俺は屋敷に戻りあの少女のことを考え眠った。
それからは変わらない日々を過ごした。
朝起き食事を取り学びと剣術に打ち込み午後からはエイザルと共に王宮の研究所で錬金術の練習をする。
少女との顔合わせから3日日目の夜エイザルが部屋に訪問してきた。


「リオン、今いいかい?」
「ああ、どうしたんだ?」
「3日前に会ったマリアン嬢が高熱を出し意識不明で今夜が峠だと連絡が今来た」
「な!」


俺は衝撃だった、3日前に元気で煩いぐらいに俺に話しかけていたあの少女が…
初めて興味を持ち、知りたいと思った者が消えてしまうと思うと背中に冷たい汗が流れた。


俺はなぜこんな気持ちになるんだ?


自分の初めての気持ちが何なのか俺には分からなかった。
その2日後早朝に彼女が目覚めたと聞き俺はエイザルは少女の屋敷へと向かった。
お茶の時間にちょうど付き客室に案内され待っていると少女はゆっくりとだが部屋に入って席に座った、4日ぶりにあった少女は嬉しそうに俺の目を見つめてきていた、それに何故か俺も目が離せなかったのも悪いかったんだが…

父とカーリヒルト夫妻は気を使い俺達二人だけにするため客間から出ていった。
こちらを見つめる少女に少し気まずさを感じたため顔をそらす。


「あの…グリアモール様忙しい中わざわざ会いに来てくださりありがとうございます」


そう言うと、彼女は頭を軽く下げた後先程より嬉しそうに微笑んでくる。
おれは横目で見ながら悪態をついてしまう


「……父のついでに来ただけだ」
「それでもとても嬉しいです」


だが少女はそれでも嬉しいと笑顔を向けてきた。
やはりこの少女は他と違うそんな少女に俺は聞いてみたくなった。


「お前は…」
「?…はい?」


俺の声に少女は首を少し傾けこちらを見つめてくる。


「お前は怖くないのか、この髪に瞳が」


俺はきっと睨んでいるだろう…。
そんな俺の問に少女は少し目を見開き顔を赤らめながら真面目に答えた。


「いいえ、私はその髪や瞳は夜の空の様でとても綺麗に見えます。」


あまりの突然に想像もしていない答えが返ってきたため俺は動揺した。
今までそんなことを言うものなどいなかったからだ、それを誤魔化すため顔そらした。


「……。夜など、暗闇など怖いだけだろ」
「そんな…そんな事ありません。リオン様の髪や瞳は夜のように漆黒ですが、太陽の光や月の光を浴びるとキラキラ光るもの、まるで空に浮かぶ星のようで私は好きです!」


そう言うと少女は首を横に振り優しさと嬉しそうな笑顔で俺を見つめながら言ってきた。
この少女…マリアンは、俺がずっと欲しかった言葉を簡単に言った、胸の中が暖かく締め付けられる…こんな自分よりも6つも下の4歳の子供に俺は救われたような気がした。

これからも俺の側で、そんな笑顔で笑いながら俺のほしい言葉を話してくれるのだろうか、俺だけを見て隣にいてくれるだろうか…
そう思うと、マリアンがとても愛しく思えた。


「お前は変わり者だな」


あぁ…今俺はどんな顔してるだろうか…。
俺の顔を見たマリアンの顔が熟れた林檎のように赤くなり微笑見返す姿を手放したくないとおもった。
時間が来たのかエイザルが迎えに来て客室を出て玄関ホールへ行った。
帰るのが惜しいと思う気持ちを表面に出さないようにしていると、マリアンは落ち込んでいるのが見えた。

あぁ…、彼女も俺と離れるのが寂しいと思ってくれてるのだろうか…

そう思うと自然に頬が緩む、そんな顔をマリアン意外には見せたくない為俺はマリアンの頭に軽く触れ愛称で呼んでいいとまた来ると伝えれば頬を赤く染めながら驚いた顔をして俺を見てきた、それに恥ずかしく思い俺はさっさと馬車へ向かった。
帰りの馬車に揺れながら外を見ると、日はもう暮れており夜空が見えた。
今まではあんなに嫌悪していた筈の夜空を穏やかに見れた。
黒い生地に散りばめられた宝石のように光る星…

あぁ、マリアンはこんなふうに夜空に光る星が俺の髪や瞳に見えたと言ったのか…全く的外れもいいとこだ。
忌嫌われ恐れられた俺のこの髪や瞳をマリアンは綺麗だと言った
次はどんな俺がほしい言葉をくれるのだろうか…
自然と口元が緩んでいく。
エイザルが何か言っているがくだらん事だろう。
そう思いながら夜空を見ているとふと話題を変えてきた。


「彼女はどうだい?」
「一人で喋り続けてうるさいだけだ。…少し変わった奴だった…(ボソ)」


と俺はまた悪態をついてしまう。
だが今の俺はきっと緩んでいるのだろう。
最後に小声で行った言葉もエイザルには聞こえたようで満足そうに微笑み、嬉しそうにしながら俺達は屋敷へ帰った。


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