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第六章 多々良さん探し 開始

小手毬さんとうさぎのお世話(4)

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  男女の恋愛事は嫌いだと言った小菊さんは。
  自分の恋愛事は別だと言った小菊さんは。

  僕のことを好きだと言った小菊さんは。

  僕にちゅーした小菊さんは。


 「男?」

  僕と同じ性別の、同じものを持つ、男?

 「ね、わざと忘れてたの? ちょっと、ううん。だいぶ異常だったんだね……」

  確認するまでは信じられない。

  何を確認すると言うのだ、僕は。

  顔を確認できないからといって、性別を間違えるようなことは、今までに一度もなかった。

  それほどまでに小菊さんの擬態やら振る舞いやらが女性的で火のつけようのないものだったのだろうと思え
る。

  思えば、学校の中には、男しか存在してなかった気がするし、小菊さんの手は、女の子のそれより少し大き
かった気もする。黒タイツを常時履いているというのは、まさか足を細く見せるためだったりするのだろうか。


 「ね、男の子だったら『多々良』候補から外れるの?」

 「いや、全く」

 「そこはぶれないんだね」

  褒められたのだろうか。

  やはりマリちゃんは悪女で正しいかもしれない。
  そして小菊さんもま、魔女? ……女?

  頭を振って思考を整理する。

  とりあえず、今はウサギのお世話をしに……行こう。

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