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第四章 レイラとして、私として

同級生三人組で自習だよ(4)

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「レイラ、レイラ」
 子供のように、フィリは私の服の裾を掴み、引っ張った。

「ここみて」
 再び、本の中の、記述を指差した。

『妖精は、魔物に強い』

「……どういうこと、フィリ?」

「え、レイラが知りたいかなって思って」

 天然だけど、百パーセント好意である。妖精のことを聞けば、それにまつわるすべての知識を伝えてくるのだ。


 人間に弱く、魔物に強い、なんて、なんだろう、じゃんけんみたいだ。


 人間は、妖精に強く、魔物に弱い。

 妖精は、魔物に強く、人間に弱い。

 魔物は、人間に強く、妖精に弱い。


「レイラ、一つ聞きたいんだけど、この国にも、魔物いるよね?」

 ルートによって、出会う出会わないはあるが、存在することにはする。
 もっとも、彼は一応、転生者としてではあるが、この世界で生きていたため、魔物がいることは知っているはずである。
 アカツキ君が聞きたいのは、誰のルートで魔物と遭遇するのか、ということだろう。

「大丈夫、アカツキ君のルートでは会わないよ」
「それは知ってる」
 にっこりとアカツキ君は笑った。


「まぁ、でも、この国では、あんまりみないしね、いないものって、思っちゃうよね」
 
 出るとしても、フィリルートないしはディオン様ルートである。
 今現在は、何にも関係がない。
 
 それに、魔物と言っても、確かたいそうなものは出てこなかったはずだ。
 誰かが、この国に連れ込まない限り、防御魔法を超えて、入り込むことさえできないのだから。
 
 現状、一番私が怖いのは、ディオン様と、その影響だ。
 ふと、ディオン様との嫌な思い出がよみがえり、払しょくするために、話題を変えた。

「ね、二人は新入生歓迎会のダンスパーティって、出るの?」


 
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