嘘つき山猫は赤面症

nyakachi

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それからそれから。

何かと苦しい。【律】

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なんで男の人ってどこからともなく避妊具がでてくるの?

イロイロ我慢がならなくて苦しいのに。
大事にしてもらってるのは分かるのに。
頭のどこかで疑問が浮かぶのは、まだ気持ちに余裕があるからなのか。

浅い呼吸を繰り返し、功刀先輩のアレが齎す感覚に浸っていく。

久しぶりすぎてちょっと苦しいのに、じんわりと溶かすように内部を熱で浸蝕する。

正常位で抱きしめられているせいで密着度もハンパない。

もうやだ。
もうやだ。
もう無理。

「やだっ……」
事後の余韻じゃないんだからっ!
あれはあれでいいんだけどもっ!

ハヤクイカセテホシイ

じんじんする腹の奥。
もっと欲しくて欲しくて、腰に足を絡みつける。


ああ。
なんでこの人は……。

「もぅっ…なんで笑ってるのっ!」
功刀先輩が体を起こす。
離れたことで触れた空気が冷たくて、ぞわぞわと、肌が戦慄く。
口元に笑みを浮かべて寝そべる私を見下ろすと、
「せっまっ」

そんなこと言われてもわかんない。

串刺しにしたままはやめてほしい。

何もかもわからなくなる前に、この苦しさをどうにかして。

心臓が早鐘を打つ。
内部をは圧迫する質量が呼吸を浅くする。


漏れた声、吐息、泣き声。
ゆるゆると与えられる快感は泣きたくなるほど優しい。
根本まで埋め込んだままの浅い注挿。
腰を捕まれ、ベッドから浮くほど引き寄せられる。
肘をついて体を支えると、より深く突かれて崩れ落ちてしまいそうになる。

「……っ……ぁ……」

目の前がチカチカする。

「俺のが馴染んだ?」

わからないよっ。

「キツ過ぎて動けない。どんだけ振りなんだよ」

アンタが引くくらいだよっ。

嬉しそうにくうくつ笑うのが腹が立つ。

はなから返事を期待してないのか、ズルズルと雁首を引きずるよう引いていく。

もう、やだ!
抜かないで。
奥にほしい。

滲んだ視界が暗くなった。
ペロリと唇を舐められる。
たったそれだけで、背筋がぞくぞくする。
すがるように手を伸ばしても、背中まで届かなくて。
掴んだ筋肉質の腕に爪を立ててしまう。

あぁ。
もういや。
もどかしい。

もうこのままいっそ………


「逝かせて……」






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